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外道ノ転生  作者: 西の雷鳥
第五章 闘技大会編
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目と目

「リース!2回戦進出おめでとう!」

「あのボレアスさんに勝っちゃうなんてね」

「何が起きたか全く分からないけど、凄かったですぅ」

「さすがリースさんです!」

「お、おう……」


観客席に戻ると、皆が私を祝福してくれた。

皆すごく興奮していて、口々に喋りかけてくる。

だが私の耳にはほとんど入らない。


「なぁ、ツルギはどこいった?」

「ツルギか?」

「ツルギなら先に帰るって」

「そういえば何か様子がおかしかったですねぇ」

「何か悪いもんでも食ったんじゃ?」

「ヒロさんと一緒にしないでですぅ!」


先に帰ったのか……

アビリティについて、知ってる事を聞きたかったんだけどな。


「ツルギの様子がおかしかったって?」

「うーん。調子が悪そうとかではなくてですね。むしろ目がギラギラに光ってて、何か怖かったです……」

「ギラギラ?」


ギラギラねぇ……

まぁ宿に帰ったら話が聞けるか。



--------------------



 さっきから心臓の鼓動が止まらない。

 早鐘のように脈打っている。

 何だ。

 この感情は。

 いや……


「僕は知ってるじゃないか……」

「のう、お主」


 その時、聞き覚えのある声がした。

 ここはゾディアスの街でも人通りの少ない通り。

 多分呼ばれたのは僕だ。


 顔を向けるとそこにいたのは昨日会った女性、ミリアーナさんだった。


「ミリアーナさんじゃないですか……一体どうしたんですか?」


 平静を取り繕ってそう言う。

 今日はこんなに暑かったか?

 さっきから汗が止まらない。


「ツルギ、お主、見えておったな?」

「見えた?何がですか?」

「とぼけるでない。分かっておるじゃろ。あの2人の攻防がじゃよ」


 ミリアーナさんの黄金の眼が僕を貫くように捉える。

 僕は目を合わせる事が出来ない。


「何でですか?」

「あれだけキョロキョロしておったらそりゃあ分かる。多分ボレアス辺りも気づいておったぞ」


 2人の技がぶつかった瞬間、数秒間だけ周囲の時間が止まっていた。

 その時動いていたのは戦っていた2人だけ。

 でも僕も動く事ができた。

 目の前の光景が信じられず、周りを見渡してしまった。


 ミリアーナさんもあの中で動けた1人に違いない。

 そして僕を見つけたのだ。


「2人の会話は聞こえたのかのぅ?」

「……ええ。あの時は本当に静かでしたから」

「アビリティについては?」

「詳しくは知りません。でも何となくは……」


 ミリアーナさんは僕に詰問をするように質問をしてくる。

 そしてその間に一歩、また一歩と僕との距離を縮める。


「心当たりがあるんじゃな?」

「……ええ」

「妾もリースからの手紙で何となくは分かっておった」


 そしてミリアーナさんは僕の目の前にまで来た。

 息がかかりそうな距離だ。

 僕は思わず視線を下げる。


「お主は鬼人族で、クサナギとツバキの息子。だから持っている可能性が高いのは1つじゃ」

「………」

「目を合わせてくれんかの?」


 耳元でそう囁かれて、思わずビクッと体を震わせる。

 そしてミリアーナさんと目が合った。


「ようやく目を合わせてくれたの。お主は警戒心が強いのか、まだ心を開いてくれてはおらぬようじゃったから」


 目線はほとんど変わらない。

 少し高いぐらいかもしれない。


 その目はまるで宝石のような黄金色。

 吸い込まれそうな錯覚すら覚える。

 なんて綺麗な……


「ふむ。やはりの」 

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