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外道ノ転生  作者: 西の雷鳥
第五章 闘技大会編
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リースVSボレアス後編

ピキ……パリン


その時、何かが割れる音がした。

致命的な何かが割れる音。


「あーらら」

「はぁ……はぁ……!」


私の『絶空』にかかる圧力が無くなる。

ボレアスの剣が割れたのだ。

それはもう粉々に。


「こりゃあもうダメだな」

「はぁ……はぁ……どうするんだ?」

「降参だよ。降参」


残った柄の部分を投げ捨てて両手を上げる。


『……けっ!決着です!一瞬の攻防で何が起きたか分かりませんが、決着がついたようです!』


さっきは止まっていたのに、周囲もいつの間にか動き始めていた。

少し戸惑いつつも、会場は歓声に包まれる。


私は力が抜けて、地面に尻餅をついた。


「ふぃーー………でもお前、まだ戦えるんだろ?」

「俺は剣士だぜ?剣が折れたら終わりだよ」


そういうもんか。

でも今回使ったのは何の変哲もない剣だ。

ボレアスの完全な本気ではない。


「別に言い訳をするつもりじゃないが、こんな剣とはいえ俺の全力の攻撃を受けきるとは驚いた」

「次はあんたの愛剣でやろうぜ」

「そうだな」


ボレアスは私に手を差し伸べる。

それを掴み、私は立ち上がった。

そしてそのまま固い握手をする。


「一瞬の攻防とか言われてるけど、割と時間はあったよな?会話出来てたし」

「それはアビリティがお互いに干渉しあってたからだ。時間の流れが数秒止まったんだ」

「へー。なんかよく分からねぇけど、すげぇんだなアビリティって」

「あの間の俺たちの攻防を観測出来るのはアビリティ所持者のみ……俺が分かった範囲だと2人だな」

「2人?この会場にそんなにいるのか?」


つーか、あの状況で周りを見る余裕があったのかよ。

やっぱこいつ、まだ全力じゃなかったんじゃ?


「1人は視線しか感じられなかったが、もう1人はあいつだ」


そうしてボレアスは観客席の1点を指差す。

そこには私の仲間たちがいた。

ヒロは興奮したように私に手を振り、落ちそうになっているのをアイリスが抑えている。

ジーナとメルは手を取り合って喜んでいる。


だが1人だけ様子がおかしい。

何か考え込むような深刻な顔をしている。


「もしかして……ツルギか?」

「ああ。まさかあいつがもうアビリティに目覚めていたとはな。考えられるとしたら『アレ』しかねぇが……」


ボレアスはブツブツとそう言う。

『アレ』?


「おい、何を知って……」

「まぁ俺から言える事はもう無い!じゃ、2回戦がんばれよ!」


ボレアスはそう言って強引に話を終わらせると、手をひらひらと振って私のとは反対の退場口に歩き出した。

何なんだ?


司会が今日のハイライトや、明日の見どころなどを喋っていたが、全く耳に入ってこなかった。

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