武家の魂
決勝トーナメントは1対1で、どちらかが戦闘不能になるか、降参を告げるかで決着する。
トーナメントの組み合わせは一回戦ごとに発表され、一回戦ごとにシャッフルされる。
つまり発表されるまで、次の対戦相手が分からないようになっている。
だから3日目の朝、まずは組み合わせから確認しに行かなければならない。
今日は決着トーナメント一回戦、8試合が行われる。
「3人とも頑張れよ!俺、絶対応援するから!」
「そんなこと言って、この中の2人がぶつかったらどっちを応援するつもり?」
「どっちも応援する!」
「ヒロさんらしいですぅ」
「皆さん、ありがとうございます」
「ははは。心強いね」
私を除いた15人の中で、知ってるのはジーナ、ツルギ、ミラ、ボレアスとシーベルの5人。
単純に考えても3分の1くらいの確率で当たる。
まぁ知り合いだからといって手を抜くつもりは毛頭無いが。
「今日の試合表は……あれだ」
闘技場の正面に張り出された大きな紙。
そこには今日戦う8組の名前が載っていた。
「マジか……」
「大丈夫なの……」
「なんてことですぅ……」
面白くなってきた。
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『勝者、ツルギ!』
その瞬間、一際大きい歓声が鳴り響きました。
ここは闘技場内に用意された控え室。
予選の時と違って私、ジーニスタ1人のための部屋です。
決勝トーナメント出場者はここで試合のための準備を行えます。
私は自らの長剣の手入れをしています。
私はあまり近接戦をしません。
近距離ではツルギさんが、中距離ではリースさんがいるからです。
だから私がこの剣を振るう機会はそう多くありません。
ですが私は武具の手入れを1日たりとも欠かしたことはありません。
これまでも、おそらくこれからも。
お祖父様が仰っていました。
武器はロールクレイン家の誇り。
武で魔王一族を支えてきたロールクレインの魂なのだと。
お父様やお祖父様は最近戦う事は滅多にありませんが、武器の手入れは欠かしません。
いつでも武器は最高の状態にするべし。
そう教えられてきました。
武器は私の魂です。
武器を磨けば磨くほど、魂が洗練され、気持ちが落ち着きます。
「ふぅ……」
剣の手入れが終わりました。
さぁ、係の方が呼びに来るまでに残りもやってしまわないと……




