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外道ノ転生  作者: 西の雷鳥
第五章 闘技大会編
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3年の変化

「どうであった、妾の華麗な登場は!」


 部屋に入って、開口一番がそれだった。


 こいつ、見た目が随分変わってる一方、中身は殆ど変わってないな。


 街でもかなり高めの宿の一室、魔帝国の姫は足を組んで椅子に座っていた。

 本当バリスさんにそっくりだなー。


「いや本当にビックリしたぞ」

「え、えーと……そ、そうですね!」


 ジーナの性格上、まずは挨拶から入るのだが、タイミングを逃しているな。

 めっちゃオドオドしてる。


「ミリアーナ様、貴女の登場シーンの批評などどうでもいいので、ツルギ様もいらっしゃいますしまずは自己紹介して下さい」

「むぅ。そうであったな。お主がツルギか。リースから手紙でよく話は聞いておるし、姉上とも親しくさせてもらっておる。妾がミリアーナ・スカーレット・ヴェルヘルムじゃ」

「は、はい……ツルギです。よろしくお願いします」


 ツルギは少し面食らっているようだ。

 さっきの闘技場での華麗な振る舞いと、今のギャップに驚いているのだろう。


「姉?」

「姉さんがセリーア魔法学園の4年生なんだ」

「へー」


 初耳だな。

 まあそれは置いといてだ。


「さっきのインタビューの時の言葉遣いといい振る舞いといい、ありゃなんだ?」

「あれは、セリーア魔法学園3年生首席、ミリアーナ・スカーレットとしての振る舞いじゃ。対外的なものじゃ。最近はアンナとザリの前でしか素でいられないから肩が凝るわ」

「そ、そういえばお兄様は……?」


 確かにザリの姿が見えない。

 あいつなら真っ先に私に突っかかってきそうなものだが。


「学園に置いてきた。学園での妾の仕事をやってもらっておる」

「それ、レイチェルと全く同じ事やってるぞ……」

「お兄様……」


 レイチェルもよく姉さんに仕事投げ出して魔帝都に遊びに来てたなぁ。

 やはり姉妹か。

 ザリには同情しとく。


「それにしてもリース、3年近く経つというのにお主は変わらんなぁ。相変わらず小さくて可愛らしい。あ、膝に乗らんか?」

「……遠慮しとこう」


 ミラが自分の膝をポンポンと叩いて誘ってくるも、鉄の意志で断る。

 最近バリスさんの膝もご無沙汰してたし、堪能したいのも山々だが、第二の母親みたいなバリスさんとミラでは話が違う。

 3歳しか変わらない幼馴染に膝に乗っけられて喜ぶって人としてどうなんだ?


「お主が第1グループの予選に現れた時、妾はすぐにお主を見つけたぞ」

「見てたのか」

「無論じゃ」


 でも私の容姿はほとんど変わってないし、それは自慢にならないんじゃないかな?


「試合後にリーシア様にケチをつけたあの男。ミリアーナ様が八つ裂きにしに行くと仰って、止めるのに苦労しました」

「おいおい……」

「当たり前であろう?妾の妹を侮辱したのじゃぞ?その罪、その命で償わせなければなるまい」

「……ジーナ、妹って?」

「ミリアーナ様はリースさんを妹同然に思ってらっしゃるのです」


 ミラは初対面の盗賊を一刀両断にする冷酷さを持ちつつも、身内にはとことん甘いからな。

 でもたったそれだけの事で殺人は勘弁してくれ。


「じゃが、お主があの男を風魔法で弄んだのを見て幾分か気は晴れたぞ。あれは痛快じゃった」

「私はあのせいで周りからドン引きされてるけどな」


 自分ではやり過ぎたと思ってる。

 宿の食堂でさえ、私が入った途端そそくさと逃げる者がいる程だ。


「あれを見て、妾もリースに負けぬように、何かインパクトのある予選をせねばならぬと思ったのじゃ。その結果がこれじゃ」


 ミリアーナがアンナに合図をすると、アンナが1枚の紙を取り出す。

 それは昨日も見た闘技大会の賭けのオッズ表だった。


 だが最新版のようで、本日決勝進出を決めた参加者も含まれていた。


 1位と2位は変わらず、ボレアスとシーベル。

 私は6位まで下がっていた。

 一晩経って話題が薄れたのかもしれない。


「妾は4位じゃ!」


 ミラの言う通り、4位の欄に彼女の名前が書かれていた。


「まぁあれだけの事をしたらなぁ……」

「僕もビックリしましたよ……」

「会場全体が度肝を抜かれてましたね」

「で、あろう?」

「はぁ……皆様、あまり調子に乗らせないでください」


 私はオッズ表の他の順位も見てみる。

 ジーナは14位、ツルギは16位の最下位だ。

 2人とも低い。

 実力的にはほぼトップなのになぁ。


「ジーナ、お主の試合も見たぞ。魔法だけでなく剣術の腕も上げたようじゃな。決勝が楽しみじゃ」

「ありがとうございます!」

「ツルギも、聞いていた以上の剣の冴えじゃな。思わず見惚れてしもうた」

「勿体無いお言葉です」

「この調子じゃと3人とも順当に勝ちあがれるじゃろう。妾と当たっても手を抜くでないぞ」

「もちろんだよ」

「わ、分かりました」

「胸をお借りしますよ」


 その後、会えなかった3年間の話をたくさんした。

 宿に帰ったのは日付が変わろうかという頃だった。

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