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外道ノ転生  作者: 西の雷鳥
第五章 闘技大会編
79/327

予選最終試合

『長かった予選も次が最後です!決勝トーナメント最後の切符を手にするのは一体誰なのでしょう!』


 時刻は夕方。

 予選も最後の1グループが始まる。

 歓声の中、第16グループの面々が続々と入場してくる。


「ふわぁ〜」


 私は欠伸をしてしまった。

 正直、もう疲れた。


 これまで決勝トーナメントに進出を決めたのは、有名な冒険者や魔術師、戦士など。

 だが初日のシーベルやボレアスのような実力者はいそうに無かった。


 今回のトーナメントの強敵はツルギ、ジーナ、シーベル、ボレアスの4人だな。

 今舞台上にいる奴らの中にも強そうな奴はいなさそ……

 ん……?


『では最終試合……開始!』


 ドォン!


 司会の開始の合図とともに、巨大な火の魔法が空へ放たれ、上空で爆発した。

 会場は静まり返る。

 参加者達ですら何事だ?とその魔法の元をたどる。


『あー、あー……司会の方、一つお聞きしたいのですが』

『えっ……あ、はい!何でしょう!?』


 拡声魔法を使い、その人物は司会に呼びかける。

 呆然としていた司会もその言葉で我に返る。


『確か決勝トーナメントでは場外負けはありませんでしたね。私の認識が正しければ、もうこの試合でこの舞台も用済みだと思うのですが、どうでしょうか?』


 その美しい声に観客全員が魅了される。

 小さい頃にとある冒険譚で読んだ、海の旅人を美しい声で惑わすセイレーンという魔物が思い浮かんだ。

 参加者も含め、会場中がその声に聞き入る。


『えーっと……そうですね。もう必要ないとは思いますが……一体何を……』


 その人物は仮面を被って目の部分を隠していた。

 服装は至って普通。

 長い赤髪を頭の横で結び、サイドテールにしている。

 多分女性……なんだが……

 おい……あれってまさか……


『良かった』


 その女性は口をニヤリと歪ませそう言うと、拡声魔法を解いた。

 そして背中に背負った大剣を抜き、構える。


 それからは一瞬だった。

 女性が大剣を舞台に叩きつけた瞬間、舞台全体にヒビが入ったのだ。

 そして舞台が土煙をあげて崩壊する。

 土煙が晴れた時、あんなに広かった舞台が消失していた。

 その女性の足下を残して。


『…………けっ……決着!……でいいんですよね?』


 司会さえも勝敗を迷う結果だが、まぁルール上は勝ちだな。

 他の参加者達は舞台の上にいないから場外負けだ。


 周囲がザワザワとしだす。

 今目の前で起こった事が信じられないといった様子だ。

 だが、事実だ。


『え、えーっと。決勝進出おめでとうございます。こんな方法誰も思いつきませんでしたよ!お、お名前は……伺ってもよろしいでしょうか?』


 司会がその女性に近づき、インタビューを始める。

 語尾が疑問なのは、女性が仮面をつけているからだろう。

 正体を聞いても良いものか、と思ったのだ。


『ありがとうございます。大丈夫です。この仮面は予選の間だけと決めておりましたから』


 そして女性は仮面を外す。

 その下から現れたのは、絶世の美女。

 端正な高い鼻に、妖艶な唇。

 そして黄金色に輝く宝石のような瞳。


 随分成長したが、その顔を間違うはずがない。


『私はミリアーナ・スカーレット。セリーア魔法学園3年生首席です。以後お見知り置きを』


 ミリアーナ・スカーレットと名乗ったその女性は優雅に一礼する。

 そして顔を上げた瞬間、明らかに私と目があった。

 ウィンクしたし。


 ジーナは困惑したような顔でこちらを見た。


「リ、リースさん……」

「はぁ……本当に何考えてるんだか」

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