ガールズトーク
私達はアイリスとメルの部屋にお邪魔させてもらうこととなった。
3人部屋だから少し狭そうだが、全く問題ない。
後で毛布を1つ追加でもらいにいこう。
そして2年ぶりの女子会が始まる。
「アイリス達もC級になれたのか。おめでとう」
「あなた達が旅立ってから1年後にやっとだけどね」
「苦労の連続でしたぁ……戦闘でヒロ君が突っ込んだり、落ちてる変な実を食べたり、魔物を落とすための落とし穴に引っかかったり……」
「苦労してるな……」
随分と大変だったようだ。
ヒロって冒険者として大丈夫か?
「それよりあなた達の方はすごいじゃない!ゾディアス王国では有名になってきてるんでしょ?この間レディアスで発行された雑誌見たわよ!」
「そうですぅ!インタビュー受けるなんて!さすがリースさん達ですぅ!」
「途中で切り上げたのにきちんと発行されたのか」
結局あのインタビューは途中で終わらせ、私達はすぐにゾディアスに旅立った。
だから雑誌の確認は全然してなかった。
「あれ見たんですか……」
「ベルルのギルドはその話で持ちきりですぅ!」
「で、その雑誌にあなた達が闘技大会に出るってあって、私達も来たってわけ」
「ヒロ君とアイリスさんが皆さんに成長を見せつけるって言ってるんですぅ」
「メルは?参加しないのか?」
「そのつもりだったんですけどね……」
「メルだけ出ないなんて許さないわよ。アンタも頑張りなさい」
メルはあまり闘技大会に乗り気ではないようだ。
まぁメルは純粋魔術師タイプだから、1人で戦わなければいけない闘技大会は不利だろう。
「無理だけはするなよ」
「しませんよぉ……周りは恐い人だらけですぅ」
「そういえば、ギルドマスターがベルルのギルドから強者を送り込むって聞いてるんだけど、何か知らない?それっぽい人を見たとか」
「ベルルから?」
特に見覚えのある顔を見た記憶はないな。
人が多すぎて気づいてないだけかもしれんが。
「出るとしたら誰だろうな?」
「B級のジムさんとかユーメルさんとか?」
「あのー。ベルルにはA級の方もいませんでしたか?私の記憶が正しければ」
ベルルのギルドにA級の人なんていたのか……
知らなかった……
A級なんてほとんどは本部に転属するから珍しいはずなんだが……
「ジーナさんの言う通り、確かにA級の方もいますが……」
「ボレアスさんは私達も見たことないわねぇ。ほとんどギルドに戻ってきてないらしいから可能性は無いんじゃない?」
「まぁ後のお楽しみだな」
誰が来ても倒すだけだしな。
「闘技大会はいつだった?」
「3日後ですぅ」
「ヒロさんは間に合うのでしょうか」
「自業自得でしょ」
まぁ3日もあれば食中毒ぐらいなら治るだろうがな。
ヒロは身体も丈夫だし。
「闘技大会ってどういう段取りで進むんですか?」
「ジーナ、知らないで参加したの?」
「私も知らないぞ」
「あなた達ねぇ……まぁいいわ。ここでおさらいしましょう」
そう言って、アイリスは懐から紙を取り出した。
「何だそれ?」
「パンフレットよ。これも持ってないの?」
「多分無くなってたんですよ。私達は登録が遅かったから」
パンフレットには大会の日程や集合場所が書いてある。
これ貰えなかったら詰まないか?
「1日目と2日目には、参加者を16個のグループに分けて、それぞれのグループで予選よ」
「予選ってどうやるんだ?参加者って500人以上いるだろ?1つのグループあたり30人以上いるじゃないか」
「闘技場でグループ全員で行うバトルロワイアルよ。多い年には1つのグループに50人なんてあるみたいよ」
「50人……逃げ場なんてないな」
闘技場がどれくらい広いかは分からないが、それは詰め込みすぎじゃないか?
「予選突破なんてできませんよぉ…」
「メルみたいなタイプはな……」
「泣き言はベストを尽くしてから言いなさい!」
「無茶言わないでくださいよぉ〜」
メルは目元に涙をためていた。
余程嫌なんだろうなぁ。
「で、それぞれのグループのバトルロワイアルで勝ち残った1人が決勝トーナメントに進出。そこからはトーナメント形式よ」
「へー」
16人ということは、そこから4回勝てば優勝か。
「優勝賞品は金貨100枚と、副賞として魔法剣か高性能ローブを選べるんですぅ」
「魔法剣……いいな」
魔法剣は魔法の力を内蔵した剣だ。
正直性能に関してはピンキリらしいが、こんなに大きい大会だ。
さぞかし良い剣だろう。
金は十分にあるし、金より魔法剣の方が嬉しい。
「私とヒロはとりあえず決勝トーナメント出場を目指すけど、2人は?やっぱり優勝?」
「やるからには当たり前だ」
「わ、私はどうしましょう……」
「ジーナも十分と狙えると思うぞ。この2年でかなり腕を上げたしな」
「が、頑張ります……」
そんな感じでガールズトークは夜遅くまで執り行われた。
最終的にアイリスとヒロの仲を私達3人が弄り始め、アイリスが不貞腐れて寝て、その場はお開きとなった。




