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外道ノ転生  作者: 西の雷鳥
第四章 北方編
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熱愛疑惑!?

「やぁ。リースちゃん」

「げ。キザ男」


 ある日、ギルドでばったりとキザ男と会ってしまった。

 しばらくイェリデ山脈の調査でマインの町にいたはずなのに、戻ってきていたのか。


「ジーナちゃんやツルギくんも久しぶり」

「お久しぶりですニミルさん」

「お、お久しぶりです」

「お前がここにいるって事は、何か調査に進展があったのか?」

「はは……まぁね。あんまり大きな声じゃ言えないんだけど、どうもきな臭いんだ」

「きな臭い?」

「そうだな……本当は教えちゃダメなんだけど、君も当事者の1人だからヒントくらいは教えてあげよう。」


 そこでキザ男は私の耳元に口を近づけた。


「あの化け物、君たちがキマイラと呼んでいたあいつ、あれは人為的に進化させられ、山脈に配置されていたようなんだ」

「人為的?つまり……」

「何者かの思惑が絡んでいるということだ」

「ニ、ニミルさん!リースさんに何してるんですか!」


 ジーナが顔を真っ赤にして私達の間に割り込んで遮った。

 何か勘違いしてないか?


「はは。何もしてないよ。ま、教えられるのはこんなところだ」

「なるほどな。この内容は2人に教えても?」

「問題ないよ。でも言いふらさないでくれよ。僕の責任問題になっちゃう」


 私は深く頷いた。


「僕は明日にはまた山脈に戻るけど、君たちはいつまでいるの?」

「そろそろまた旅に出ようかと思ってたところだ。この街にもかなり長い間滞在しているしな」


 もう4ヶ月くらいになる。

 別に旅費が足りないとか、まだ観光が終わってないとか、そういう事では無かったのだが……


「リースが、海軍の地獄の特訓メニューを制覇するまでここからは離れないって聞かなくて……」

「だって悔しいだろう」

「ああ、あれか。僕も昔参加したことあるよ。もちろん無理だったけど」


 まぁ最初は私にも無理だったんだ。

 戦闘タイプではないキザ男には到底無理だ。


「ということは、あれをクリアしたのかい?」

「ああ!」

「ギリギリだったけどね……」

「精神力だけで動いているって感じでした」


 先週、ついに私はあのメニューを制覇したのだ!

 まぁ最後の腕立ての時には、腕が震え、目も虚ろになり、今にも死にそうだったらしいが。

 だが制覇は制覇だ。


 それにあのメニューに毎週チャレンジし続けたおかげで、基礎体力がかなり強化された。


「じゃあ次はどこへ?」

「私達は南のベルルから来たからな。ここからだと南東のゾディアス王国ぐらいしか無いよな」

「へー。ギルドのお膝元じゃないか」


 ゾディアス王国は中央大陸の中央北寄りに位置する王国で、冒険者ギルドの本部が設置されている。

 ここからだと、イェリデ山脈を超えていくしかない。


「どうやって行くんだい?一度山脈街道を戻るの?」

「いや、煉獄山の道を行く」

「んー。あそこは竜のテリトリーからは外れているけど、魔物が多いからオススメは出来ないな」

「私達には関係ないよ」


 実はジリル公国と外の国々を繋ぐのは山脈街道だけではない。

 煉獄山と呼ばれる山を越えるルートもまた、竜達のテリトリーから外れているので、通行可能なのだ。

 と言っても魔物がうようよ出る上、煉獄山は険しいのでほとんど使われていない。

 ゾディアス王国からジリルに向かう際も遠回りする商人の方が多い。


 ま、私達には道の険しさも魔物もそこまで気にならない。

 それに同じ道を戻るのも面白くないしな。

 最短ルートだし。


「君たちなら大丈夫か。ゾディアス王国なら調査が終わったらまた会うこともあるかもね。僕は本部所属だから」

「まぁ会わない事を祈るばかりだな」

「またまたそんなこと言ってー」



--------------------



「ほぅ。やっぱり行っちまうのか」

「世話になったな」

「こっちのセリフだよ。嬢ちゃん達が海軍の特訓メニューをクリアしたのを聞いて、『ガキどもに負けてたまるか!』って奮い起つ奴らがいてな。まだ全然ダメだけど、あと半年もすりゃクリア出来る奴がでるかもしれねぇんだ」


 初めて特訓に参加した時、ジーナが一発でメニューを制覇してしまった。

 その後それを聞いた冒険者達が、負けていられないと次第に合同訓練に参加し始めたのだ。


 先週は10人くらいはいた。


「リーシアの嬢ちゃんはいいのか?男が出来たと聞いたぞ?」

「は!?何だそれ!」

「リ、リースさん!どういうことですか!?」


 ジーナが私の両肩を掴み、ぶんぶんと振る。

 痛い痛い!


「ちょっ!落ち着け!」

「違うのか?この前街のガキと仲良さそうに釣りしているのを見たって奴がいたんだが」

「たまたま会って、釣り場を教えてもらっただけだよ!」


 あの時の事か。

 誰だ告げ口しやがったのは。


「違うんですね?ボ、ボーイフレンドとかでは……」

「違うよ!」


 なんでジーナがこんなに問いただしてくるんだ?と思いつつそう答えた。

 このままでは脳がシェイクされてしまう。


「ははは。まぁ近くに来たらいつでも来いよ。嬢ちゃん達ならいつでも歓迎だ」

「そ、そうさせてもらうよ」


 やっと解放された……


「お、お世話になりました。リースさん、すみません……」

「ツルギの坊主は母ちゃんによろしくな。また手合わせしようって言っといてくれ」

「はい。手紙で伝えておきます。お世話になりました」

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