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外道ノ転生  作者: 西の雷鳥
第四章 北方編
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地下水路迷宮

「あらよっと……!」


 私は向かってきたクローウルフの首を斬りとばす。

 これで最後だ。

 返り血も浴びず綺麗に終わらせることができた。


「やっぱり魔物の活性化ってのは本当みたいだね」

「さっきからすごい頻度です」


 マインの町から出て半日、西へ向かい始めてそこからひっきりなしに魔物に襲われ続けている。


「活性化が関係あるのかもしれないけど、なんか魔物の動きがおかしくないか?」

「魔物の動き……ですか?」

「それは僕も気になってた。クローウルフにしては連携をしてこないよね」

「ああ。そうだ」


 クローウルフはダガーウルフよりも一回り大きな狼型の魔物で、ダガーウルフ同様に群れで連携をして狩りをする。


 だがさっきから襲ってくるクローウルフは、そういった動きを全く見せず、バラバラに襲いかかってくる。

 なんなら真っ直ぐこちらの間合いに突っ込んでくるくらいだ。


 倒しやすくて助かるのだが、やはり違和感は拭えない。


「極度の興奮状態に陥っているんじゃないかな」

「でも……なんででしょう?」

「それが魔物の活性化の原因だと思うけど、現時点ではそれ以上は分からないね」


 興奮状態……確かにその表現が一番ぴったりくる。

 この地方で一体何が起きているんだ?



-------------------



「と、旧市街まで来たわけだけど……」

「廃墟ですね」


 旧マインの町は廃墟となっていた。

 まぁ数十年前に移転したそうだし無理もないな。

 町の中も魔物がうろついている。


「この町の地下水路が件の迷宮だね」

「どうしますか?今から入りますか?」

「そうだな……」


 マインの町からここまでは半日あれば到着できる距離なのだが、途中に魔物に遭遇しまくったせいで1日近くかかってしまった。


 昨晩は森で、3人で見張りを交代しながら野宿した。


 ちなみに、この身体になってからというもの、私はあまり睡眠を必要としなくなった。

 だから見張りをする時も私1人ですると言ったのだが、2人は頑なにそれを拒み、結局3人ローテーションになった。


 そうして夜を明かしてから、旧市街に到着した。

 太陽はまだ少し低い。

 昼飯には少し早いが、迷宮に入ったらゆっくり出来ないしな。


「よし、昼飯にして少し休憩してから潜ろう」



-------------------



 地下水路への入り口は旧市街の至る所にある。

 私達はその中で、一番最奥に近い入り口から入った。

 地下水路はジメジメとして、薄暗く、いかにも迷宮って感じだ。


 さらに魔物も……


「横だよ!」

「うげぇ!デカい蛙か!?」


 水路の脇をひたすら水の流れを辿って奥に向かっていると、かなりの頻度で水の中から魔物に襲われる。

 暗いから見えにくいし、水の中だと気配も分からない。

 前みたいな高性能魔物探知機がないのでかなり苦労しそうだが、むしろこっちの方が迷宮探索っぽくていい。


「ベクターフロッグだよ!体液に気をつけて!」

「体液?」

「毒だ!肌にかかると爛れるよ!」

「マジか。ジーナ、火を使え!」

「はい!」


 ベクターフロッグを剣の腹で弾き返し、『火弾』で焼き尽くす。

 だが如何せん数が多い。

 ベクターフロッグは次々と水路から飛び出してくる。

 キリがない……


「ジーナ!やってくれ!」

「はい!」


 ジーナが手を翳すと、そこから炎の波が巻き起こり、ベクターフロッグの群れを飲み込む。


「ふぅ」

「さすがだな」

「こういう敵の時は魔法が使える君達が羨ましいね」

「あー。ツルギは全く魔法が使えないもんな」


 鬼人族は魔法の適性が一般的に低いから、魔法はほとんど使えないという。

 長大な詠唱をしてやっと下級魔法が出るくらいだ。


「でもジーナだって、精霊契約魔法以外は使えないからな」

「えっ!?そうなんだ!?」

「そ、その話は止めて下さい!」


 あれ?

 ツルギには話してなかったっけ。

 まぁツルギと魔法が使えない理由は根本的に違うがな。


「それにしても、魔物が死角から出てくるのは迷宮としてポイント高いが、トラップとか無いってのがマイナスだな」

「ポイントって何ですか……」

「人工的な迷宮とはいえ、ここは元水路だからね。というかトラップがある迷宮なんてほぼ無いんじゃないかな」

「やっぱそうなのかな……『レイノルド伝』に出てきた煉獄の魔窟みたいな……」

「『レイノルド伝』はフィクションだよ」

「マジでか!?」

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