討伐!
「ダメェ!ヒロ!」
「ジーナ!来い!」
「は!?はい!」
私は緩んだ地面に手を突っ込み、土魔法で緩みを中和する。
そして土を踏みしめ、飛んだ。
「風よ!」
ジーナの手から放たれた風が私を吹き飛ばす。
方向はもちろん地竜に向けてだ。
「絶空』!」
そして自分の周囲の空間を分離し、空間の壁を作り出し、地竜とヒロの間に割り込んで攻撃を受け止めた。
「リース!?」
「くっそ……不完全だから……重いな……」
地竜の噛みつきを空間魔法で受け止める。
めっちゃくちゃ重いけど……!
1秒も保てば十分だ!
「やれぇ!ジーナァァ!」
「風魔法!フルバースト!」
無数の風弾が地竜の真横から襲いかかる。
風弾はメキメキと地竜の硬い表皮に食い込み……
「グギャアアア!!!」
大きく吹き飛ばされた。
「ツルギ!!」
「ああ、もう!わかったよ!」
ツルギは私の声に反応して走る。
「ギャアアア!!!」
地竜は吹き飛ばされて木々を薙ぎ倒していき、その勢いは巨木に打ち付けられ、やっお止まった。
「ギィィィィ!!」
「てゃぁぁぁ!!!」
そこへ後を追ったツルギが駆けつけ、地竜を木に押さえつける。
鬼人族は力が強いが、竜種を拘束し続けるのは無理だ。
だが……
「ギャアアア……グァッ!!??」
「1秒も保てば十分だ」
私は既に地竜の口内に魔銃を突っ込んでいた。
中には魔石弾頭弾が装填してある。
「じゃあな」
パァン!!
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「あああ!強かった!」
「もう腕がパンパンだよ……」
倒れた地竜への拘束を解いたツルギが腕を押さえてそう言う。
まぁ私も闘気を過剰に足に纏わせていたから足が壊れそうだ。
足を引きずりながらもジーナ達の下へ帰る。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
「ジ、ジーナさん、大丈夫ですか?」
「メ、メルさん……大丈夫です」
「無理するなジーナ」
「リ……リースさん……」
ジーナは肩で息をしている。
すごい汗だし今にも倒れそうだ。
典型的な魔力枯渇症だ。
「お疲れ。ジーナ」
「はぁっ……リースさん……」
私が頭を撫でてやると、ジーナは目を細めてそのまま……
「………すぅ……」
「ジーナ……さん?」
「……寝ちゃったな」
私の腕の中で寝てしまった。
ああ……私も疲れてるんだがな……
「リース……」
「ヒロ!無事だっ……た…か……って、それは?」
「ああ……」
「うぅ……腰が抜けて動けなくなっちゃったのよ……」
ヒロはアイリスを背中におぶって私に近づいてきた。
アイリスの目はまだ赤い。
「助かった……ありがとう」
「あなた達、強いのね……」
「はは……まぁな」
「はぁ、倒してしまうつもりはなかったんだけど……」
「細かい事言うなよツルギ。倒したんなら問題ないだろ!」
私はジーナを背負う。
このまま放っておけないしな。
「ちょっと待って、あの死体はどうするの?竜の素材は希少なんだよ?」
「ん……そうは言っても、ジーナとアイリスはこんなんだし……先に町に戻った方がいいんじゃないか?」
「はぁ……分かったよ。僕が残って見張っておくから、町の人で動ける人に声かけて来てもらって。報酬はギルドから出してもらうようにするから」
「わ、私も残ります!」
「大丈夫ですよ。メルさんも疲れたでしょうし、町に帰ってください」
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いやぁ、本当に面白いな。
狩人たちのこの顎が外れんばかりの口の開きっぷり。
幼い冒険者に「大物を仕留めたから運ぶの手伝って」と言われた時は
「はっはっは。本当か?嬢ちゃん。どれくらいだ?」
「キラーベアーなんて目じゃないよ」
「はっはっは!そうか!なら男手を集めねえとな!」
こんな感じで気さくに笑ってたのに。
「な?キラーベアーなんて目じゃねぇだろ……」
「キラーベアーっていうか……これ、竜じゃねえか……」
「皆さん、ご協力感謝します。報酬の方はギルドからきちんと支払わせていただきますので……どうしましたか?」
「お、おめぇは確かベルルのギルドマスターんとこの坊主……」
「はい。ツルギと申します。ところで運搬の件ですが……」
「お、おう……でもこんだけじゃ足りねぇな……もっと町から呼んでくる!」
狩人たちは3人。
どうせ大したことないと思いつつも、冷やかし半分で来た連中だ。
でも今は生の地竜の大きさに気圧されている。
死体ですらこんだけの迫力があるんだもんなぁ。
一般人なら仕方ない。
その後、町から連れてこられた狩人20数人の手によって地竜の死体は町に運ばれた。
皆、度肝を抜かれていた。
町に到着したとき、倒した私達やヒロ達は人々に囲まれ質問攻めにされた。
最初に町に帰った時にジーナやアイリス、メルを宿屋においてきたのは正解だった。
地竜より疲れるよ……
そしてベルルに連絡をして、次の日にはデカい輸送用の馬車が到着した。
私達もその馬車に乗せてもらってベルルの街にまで帰る。
さぁ、ベルルの住人はどんな間抜け面見せてくれるかな?




