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外道ノ転生  作者: 西の雷鳥
第三章 冒険者入門編
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冒険者ギルド

3話同時更新!

 次の日は朝からベルルの探索に出た。


 ベルルの政治を司る自由庁、有名な建築家が建てた奇抜なデザインのデカい集会浴場、街で一番大きな市場など……

 朝から昼あたりまで、街を歩き回った。


 ちなみに自分で言うのもなんだが、私とジーナは周りから見ると目も覚めるような美少女らしく、途中で何度も声をかけられそうになった。

 まぁこの手の街の暗部に精通している私が事前にそれを察知し、すべて回避してきたが。

 ジーナだけだと危なかったかもしれないな。

 路地裏なんかは要注意だ。




 そして街の定食屋で適当に昼食を済ませた後、冒険者ギルドのベルル支部に向かった。

 さすが自由都市ベルルと言ったところか、今まで私が見たどの冒険者ギルドより大きかった。

 まぁ聖神教が幅を利かせている地域では冒険者ギルドの力は弱いらしいからな。


「ジーナ、私から離れるなよ」

「は、はい!」


 私は気合いを入れて、ギルドの扉を開いた。

 私達が足を踏み入れた瞬間、それまでうるさかったギルド内がシンと静まり返った。

 まぁ無理もない。

 今私は周囲にも分かるように闘気を垂れ流しているから。


 幼少期から凄まじい才能を持っていた英雄達が初めて冒険者ギルドに入った時のテンプレ、それは幼さによって侮られる事だ。

 加えて私達は美少女。

 余計な騒動になど巻き込まれるつもりはない。

 だから闘気を押さえることなく垂れ流す。

 あくまで敵意は出さないが、「手を出したらタダでは済まさない」というのを周囲に分からせるためだ。


 ズンズンとギルドの中央を通り、カウンターに向かう。

 半分まで来たが、誰も声を発さない。

 固唾を飲んで私達の挙動を見守っている。

 相手の力量が察知できる冒険者ばかりで助かった。


 しかしカウンターまであと10歩、という所で私達を阻む者が現れた。


「お嬢ちゃん、冒険者ギルドになんの用かな?ヘヘヘ」


 デカい図体にあまり頭の良くなさそうな顔。

 恐れていた事が起きてしまった……


「こんなところにいたら危ないぞ〜?おじさんが安全な所に連れていってあげよう」


 私の腕を掴もうと手が伸ばされるが、私はスッとそれを避けた。

 おっさんは少しムッとしたような表情をした。


「なんだ?ここは危ないから俺がいい所に連れてってやるって言ってるんだよ」


 なんつーテンプレ……

 周囲からも「あのバカ……」といった声がため息とともに聞こえてくる。

 あれ?

 私の闘気ってそんなに効かないかな?

 見た感じこのおっさんは弱そうだし、追い払えると思ったんだが……

 いや、このおっさんが特別鈍いだけか。

 私の背後から殺気が立ち上る。

 ジーナだ。

 ヒロの覗き騒動の時といい、こういった輩には全く遠慮のしない子だ。


 これだけの敵意を向けられても涼しい顔してやがるよこのおっさん。


 私は動揺を見せないようにしていたが、内心焦っていた。

 何なの?

 ぶちのめしちゃっていいの?

 舐められるのも嫌だしなぁ〜

 いっそ私も最大限の殺気を出してやるか?

 母さんほどではないけど、さすがに追い払えるだろ……


「ガビルノフさん!」


 私が悩んでいると、別の方向から声がした。

 少年の声だ。

 声の方を振り返ってみると、同い年くらいの黒髪の少年が近づいてくる所だった。

 頭には1本の小さな角。

 鬼人族だ。


「なんだぁツルギ!てめぇは関係ねぇだろ!」

「まあまあ。この子達もガビルノフさんが強そうだから怖がってるんですよ。僕に任せてください……こっちへ」


 少年がおっさんと私達の間に入り、私達をカウンターの方に誘導する。

 おっさんはと見てみれば「……チッ!クソガキが」と悪態をつきつつも、ギルドを出て行く所だった。


「すまない。助かった」

「ありがとうございます」

「いえいえそんな……大した事はしてないですよ」


 多分あのままだとジーナがあのおっさんをぶちのめすか、私が殺気で黙らせる他無かっただろう。

 あまり来たばかりで騒ぎを起こしたくないし、助かったのは事実だ。


「カウンターにご用でよろしかったですか?」

「ああ……お前はまさか……」

「どうしたんだい?何か問題かい?」


 その時、空間を貫くようなよく通る声が響いた。

 カウンターの向こう側の階段から1人の女性が降りてきたのだ。

 タンクトップのような、見る人によってはすごく扇情的な軽装で、頭をポリポリと書きながらギルド内を見渡す。

 肩まで伸びる絹のような黒髪、そして額には2本の角。


「ギルドマスター、実はかくかくしかじかで……」

「ふーん、そうなのかい」


 カウンターの眼鏡をかけた受付嬢が状況を説明する。

 ギルドマスターと呼ばれた女性はジロリとこっちを見た。

 私と目が合う。


「あんたは……一体何者だい?」

「ギルドマスターですね。紹介状を持って来ました」


 私は懐から母さんの紹介状を署名が見えるように見せた。

 ギルドマスターの眉がピクリと動いた。


「あんたらはこっちに来な。あとツルギ!」

「は、はい!」

「どうやらあんたが上手くおさめたようだね。よくやったよ」

「あ、ありがとうございます。マスター」

「じゃああとは任せたよ」


 ギルドマスターは受付嬢に一声かけると私達を招き入れた。

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