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外道ノ転生  作者: 西の雷鳥
第六章 魔法学園入学編
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唐突な出会い

「お前意外といい奴だな!」

「お前も案外話分かるじゃねぇか!」


 私と、私が話している男子生徒、ライリーが同時に笑いお互いの肩を叩き合う。


「リースさん!茶でも飲みますか!」

「おうサンキュー」

「俺にも頼む」

「はい、ライリーさん!」


 茶を勧められてコップで貰う。

 今いるのはライリー達の溜まり場。

 茶をはじめとし、何でもある。


「『冒険王奇譚』の第三章で主人公ベルンメルトが宿敵ラースとの2度目の死闘に臨むところなんて……」

「ああ!あそこは熱い展開だった!あの時はぺージをめくる手が止まらなかったよ!」

「分かってくれるか!特に大魔法『極炎』を放たれた所なんて手に汗握ったぜ!」

「分かる!分かるぞ!」


 私とライリーはずっと物語の感想を言いあっていた。


 ライリーとタイマン勝負してから3日。

 バッタリと廊下で出会った時、特に何も険悪な雰囲気などにはならず、「おう」「よう」ぐらいの挨拶から入った。

 一度拳で語り合った相手だ。

 特に警戒もする必要も無いと分かっていた。


 その後、少しだけ話をし始めると、こいつが相当に物語を読んでいる事が分かった。

 入学してから去年1年間で図書館の物語をほとんど読んでしまったらしい。


 私も自宅やゴルドの図書館でいくつもの物語を好んで読んでいたので打ち解けるのに時間はかからなかった。

 彼らの溜まり場に連れて行ってもらい、今に至るというわけだ。


「リースと話しててもあまり女と話してる感じがねぇな!」

「私はこんな見た目だけど、性格はほぼ男だからな!」

「違いねぇ!あの展開の熱さを理解してるんだからな!」

「ライリーさんとリースさん、2人がそんなに良いって言うんなら俺も読んでみようかな…」

「俺も……」

「それはいい!図書館にあるから今度教えてやるよ!」


 ライリーの舎弟達ともかなり打ち解けた。

 彼らの兄貴分であるライリーと引き分けた私は彼らの中で格上だと認められたようで、「リースさん」と呼ばれている。


「そういや物語といえばお前のあの魔法をかき消すやつ、『仁に生きる』のヨームの対魔法鎧みたいだな。どうやったんだ?」

「やっぱ分かってくれるか!俺もそれを意識して対魔法体質って呼んでるんだけどな!どうやるもなにもそういう体質らしいんだ」

「魔法が効かない?」

「ああ。弾くって言った方がしっくりくるかな。とりあえず俺は人生で魔法を食らった事がない」

「へー。便利な体質だな」

「そうでもないぞ。回復魔法や支援魔法まで弾くからな」

「ああ、そうか」


 それは少し不便かもな。

 支援魔法ってあれば大分楽になるからな。

 キザ男と一緒にいる時にそう思った。


「ん、もうこんな時間だ。リース、悪いが俺たちは行くぜ」

「もう昼時か。何か用事があるのか?」

「知らねぇのか?昼になったら購買部で売り出される毎週限定5食のセリーア弁当を」

「なんだそれ」

「知らねぇんならいいよ。ライバルが増えるだけだからな。行くぞお前ら!」

「おう!」

「今日こそは取るぜー!」


 そう言ってライリー達は行ってしまった。

 教室には私だけが取り残された。

 私もどっか行くか。



--------------------



 と言っても特に行く場所はない。

 ジーナやラズ達と合流して飯でも食いたいが、向こうも同じ事を考えて入れ違いになったら面倒だ。

 とりあえず私は図書館で適当に本でも見とくかな。

 向こうから見つけてくれるだろう。


 そう思って図書館でぶらぶらしている時、そいつはやって来た。


「お!銀髪に赤い眼!低い背!あんたがリースだな!」

「ちょっ……!?」

「はじめましてだな!俺はツルギと同じ部屋の……!」

「ばっ……!お前こっち来い!」

「ん?何だ?」


 思わず絶句してしまった。

 静かな図書館で名前を大声で呼ばれたのだ。


 相手は見知らぬ男子生徒。

 青い髪に青い肌、青い眼。

 全身青づくしだ。

 魔族だろうか?


 私はとりあえずその男子生徒の腕を引っ張り急いで図書館を出る。

 こんな所でこんな奴と話出来ない。


「お前、図書館では静かにって教えてもらわなかったのか?」

「え、あそこ図書館だったのか?どうりで本が沢山あるわけだ」

「お前なぁ……」

「まぁ過ぎた事はいいじゃねぇか」


 よくねぇよ。

 私は思わず頭を抱える。

 何だよこいつは。


「で?お前は誰で、私に何の用だ?」

「そうだ!お前が遮るから途中だったな!俺はトーマス・リーグだ!トムって呼んでくれ!ツルギと同じ部屋であんたの事聞いて一回会いたいと思ってたんだよ!」

「ツルギのルームメイト?」


 あいつのルームメイトか。

 まぁ私は割と目立つしな。

 話でしか知らなくても一目で分かるだろう。


「私に会いたいって、何か用でもあるのか?」

「うーん……何だったかな……何かあった気がするんだけど忘れた」

「は?」

「まぁ多分会いたかっただけだから。じゃあな!」

「は?ちょっ!?お前!?」


 そう言ってトムは走って行った。


 ……本当に何だったの?


「リースさーん!」

「姐さん、飯食おうぜ!」

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