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外道ノ転生  作者: 西の雷鳥
第六章 魔法学園入学編
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舎妹

 ジーナに付き添って学校に来た私だが、結局授業には出なかった。

 出る必要が無かった。


 今日の授業は魔法理論や魔法実践などだ。

 どちらもセリーア魔法学園では初歩中の初歩の授業で、初級魔法の効率の良い魔法構築などを習う。


 私は魔法構築に関しては間に合っているし、特待生だからこの授業の単位は必要ない。


 でもジーナは真面目に授業に出席した。

 確かにジーナは全属性の精霊に愛されるが故に自力では初級魔法すら発動出来ない。

 だが魔法の理論はきちんと理解している。

 初級魔法を使うのがやっとのツルギと違い、彼女がこの授業で得るものがあるのかは疑問だ。


 まぁジーナは良くも悪くも生真面目だからなぁ。

 不要だからといって合理的に切り落せなかったのだ。


 私は今からどうするかな。


 図書館にでも行ってみるか。


 セリーア魔法学園には大陸でも一、二を争う巨大な図書館がある。

 ゴルドの図書館よりもさらに大きなものだ。


 何か珍しい物語や、面白い魔法書などが見つかるかもしれない。


 懐から学園の地図を取り出した。

 魔法学園の敷地は広大だ。


 向こうの方か……

 よし。


「……せよ!授業中だろ!」

「授業に出てないのはお互い様だろ」

「説得力ねーな」


 ん?

 この声……


 声がする方に行ってみると、女子生徒がガラの悪そうな男子生徒2人に絡まれていた。

 何でこんな時間に……って、あの女子生徒、ラズじゃねーか。


「お前1年だろ?調子乗ってんじゃねーだろーな」

「アンタらには関係ねーだろーが!」

「ん?お前何持ってんだ?」

「触んな!」


 ラズが男子生徒が伸ばした手をはたき落とす。

 あーあ。

 手出しちゃった。

 男子生徒達もこれには怒ってしまったようだ。

 あれ絶対不良だな。


「このアマ、手ェ出しやがったぞ!」

「痛い目見せねーと分からねーみたいだな」

「やめろ!放せよっ!」


 片方の不良によってラズの腕が掴まれる。

 男2人に女1人。

 腕力では普通は勝てない。


「そこら辺にしときなよ」


 大事になる前に止めるのが吉だと判断した。

 私は彼らに聞こえるようにそう言って歩み寄る。

 3人の目が私に集まる。


「リース……アンタ何で……!」

「あぁ?何だガキ?」

「ここは子供が来るところじゃねーぞ」

「逃げなっ!リース!」

「はいはいっと」


 本当にセリフが三下のそれだな。

 さっさとたたんじゃおう。


「よっと!」

「ぐぇ!?」

「なっ!?お前!?」

「ホラ、余所見すんな」

「ぐぎゃ!?」


 実力の方も三下だった。

 適当に腹に一撃ずつ決めたら大人しくなった。

 ま、相手が悪かったな。


「無事か?ラズ?」

「………」


 ラズは口をパクパクと動かしているが声が出ていない。

 そんなに驚くような事したかな?

 闘技大会の予選でやり過ぎちゃったのもあるから、意図的に手加減したつもりなんだが……


「………リ、リース……」

「い、いやぁ。なんかクリティカルヒットしたのかな?一発でのびちゃったな……はっはっは……」

「……お見それしました!」

「はぁ!?」


 次の瞬間にはラズは地面に膝をつき、私に頭を下げていた。


「ちょっ!?」

「アンタの強さに惚れちまった!舎弟……いや舎妹にしてくれ!」

「いや、おいちょっと待て!?まずは頭を上げてくれ!」

「いや、舎妹にしてくれるまでこの頭は上げない!絶対に上げないからな!」

「お前、脅迫すんな!それが人に物を頼む態度か!?」



--------------------



「姐さん、アタシ、一生ついていくよ!」

「あぁ……勝手にしてくれ……」


 その後もやり取りを続ける事30分強。

 ラズは宣言通り、最終的に私が折れるまで頭を下げ続けた。

 最終的には地面にめり込み、額が内出血したくらいだ。

 本当にいつまでもそのままでいそうな勢いだった。

 面倒な事になったなぁ……


「ところでラズ、お前授業サボってなにしてたんだ?」

「あ、その話……?実は……」


 ラズは少し顔を赤らめながら、手に持った物を見せてくれた。

 さっきあの不良から守っていたものだ。

 それは本だった。


「これは……名剣の図鑑みたいなもんか?」

「あ、ああ……これ図書館で借りたもんを返しに行く所だったんだけど、傷つけちゃダメだと思って……」

「へーそうなんだ。立派じゃないか」

「へへへ……」


 ラズから図鑑を受け取りページをパラパラとめくってみた。

 私も名前だけは聞いた事あるような、伝説の剣達が挿絵つきで載っていた。


「剣に興味あるのか……って、実家は工房だったな」

「あ、ああ。女が興味を持つもんじゃないってのは分かるけど、昔から好きなんだ」

「女だからとかは関係ないだろ。私だってこういうのは興味ある」


 純然たる女とも言えないけどなー私。


「でも授業サボるのは良くないな。こういう輩がウロウロしてるし、さっき絡まれた時も危なかったじゃないか」

「うう……姐さんの言う通りだな。返す言葉もない」

「好きな事に夢中になるのは良いけど、授業に出なくちゃ強くなれねーぞ」

「姐さんがそう言うならアタシ、次の授業からは全部出るよ!雨が降ろうとも槍が降ろうとも全部出るよ!」

「ま。まぁ槍が降ったらちゃんと休めよ?」

「分かった!槍が降ったら休む!」

「まぁとりあえずはコレ返しに行くか。私も図書館に行く所だったし」

「ああ!」


 そうして私に舎弟……じゃなかった。

 舎妹が出来た。

 ジーナを弟子にした時といい、こういう真っ直ぐな頼みは断れないなー。


 不良達はまだ床でのびてるけど、まぁほっときゃいいだろ。

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