初登校
「ん……朝か」
カーテンの隙間から入る日差しで私は目を覚ました。
時刻を確認してみるとまあまあ遅い時間だ。
確か今日から授業があるんだっけなぁ……
私は特待生だから出席しなくてもいいが、ジーナは出席するらしい。
真面目だなぁ。
方向音痴の彼女1人だとまだ学校までたどり着けないから着いて行ってやらないとな。
もう1つのベッドを見てみると、もうラズは出かけたようだった。
机の上には「先に行く」とメモがあった。
早起きなんだなぁ。
ま、急ぐような時間でもない。
私は準備に時間かからないし。
顔洗って、歯磨いて、寝癖を直すだけ。
それだけだ。
化粧?
は?
分からん。
制服を着た頃には丁度いい時間になっていた。
--------------------
「……何それ?」
「何かと聞かれるとですね……」
基本的に早く集合場所に来るジーナにしては珍しく、私は寮の前で少し待つ事になった。
彼女は何かを背負って現れた。
「……くー……くー」
「……何それ?」
「あはは……ほら、ニアさん、起きて下さい」
彼女の背中では、緑髪の小柄な少女が可愛らしい寝息を立てていた。
身長は私と同じくらいじゃないか。
自分と同年代でこんなに小さい子は初めて見た。
ジーナが地面に立たせて身体を揺すると、少女は灰色の瞳を開いた。
「ん……」
「ほら、学校行きますよ……」
「………あと2時間」
「長すぎです!」
少女はジーナにまとわりついて再び眠ろうとするが、ジーナは何とか彼女を自力で立たせる事に成功した。
自力で立たせるといっても、目は半開きだし、口元にはよだれのあとがあるし、足もフラフラだ。
大丈夫なのか、こいつ?
「ほら、ニアさん、彼女が昨日言ったリースさんです。挨拶しましょう。目が覚めますよ」
「……ニア・ベリスマZzzzzzz……」
「自己紹介しながら寝たぞこいつ」
「ああ!もう!ニアさん!起きて下さいー」
結局地面に倒れこんで寝始めたニアをジーナが背負って学校に行く事になった。
何か大変そうな奴と同じ部屋になっちゃったな、ジーナ。
頑張れー!!
-------------------
その後、待ち合わせしていたツルギと合流した。
「そっちはどうだ?」
「まぁ学校が運営している宿だからねぇ。男子寮もそっちとそんなに変わらないよ」
「ルームメイトはどんな奴だ?あんな風に厄介な奴じゃないか?」
「ああ!ニアさん!よだれが!私の肩に!」
「Zzzzzzzz……」
「ははは……まぁ個性的な人だよ。今度紹介するね」
適当にそんな話をしながら、私達はセリーア魔法学園まで来た。
そしてその校門前である人物を見つける。
校門前に立ち、登校してくる生徒一人一人に笑顔で挨拶を交わす美女……
「あれ、ミラじゃん」
ミリアーナ・スカーレット・ヴェルヘルムその人だった。




