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外道ノ転生  作者: 西の雷鳥
第五章 闘技大会編
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リースVSミラその1

「初撃は姫君に譲ろう」

「お前本っ当にぶっ飛ばすからな!」


 言われなくても先手を取ってやるさ!


「灼熱の焔よ!我に仇なす全てを灰にしろ!『灼焔』!」


 私の手のひらに魔力が収束し、巨大な炎の球を形作る。

 上級魔法『灼焔』だ。

 手加減なんてしない。

 最初から本気だ。


「くらえ!」


 そして炎の球をミラに向けて撃ち出す。

 その直径は私の身長ほどもある。

 これは避けねばタダでは済むまい。

 さぁ、どっちに避ける?


「………」


 だがミラは避けようともせず、腕を組んだまま佇んでいた。

 何を考えてるんだ!?


「魔王が魔王たる理由を教えてやろう」

「何?」

「それは……」


 『灼焔』がミラに直撃し、闘技場の上空にまで高い火柱をあげる。

 観客が息を呑むのが分かる。

 ミラは防御の姿勢も回避の姿勢もとっていなかった。

 これほどの大魔法が紛れもなく直撃したのだ。


 しかし次の瞬間、爆炎の中から赤い人影がこちらに向かって飛び出した。


「誰にも倒せんから魔王なのじゃ!」

「嘘だろ……」


 ミラは服を少し焦がしただけで、それ以外は無傷だった。

 私は様子見だからといって魔法そのものに手を抜いてなどいない。

 さっきのは本気の上級魔法だった。


「その娘たる妾もまた然り!」


 ミラが背中の大剣を抜き、大上段に振り上げ、振り下ろした。

 もちろん問題なく避けれる。

 避けれたのだが……


ドゴォ!!


 そう盛大な音をあげ、地面に巨大なクレーターが出来た。

 横跳びに逃げなければ巻き込まれていたかも……


 規格外の身体能力だ。

 パワー、耐久、スピード、全てジーナを上回っている。

 スピードだけはツルギの方が早いが。

 まぁ幸運な事に……


「『火炎弾』!」

「無駄だ!『牙砕弾』!」


 私の『牙砕弾』がミラが放った『火炎弾』を貫通し、彼女に襲いかかる。

 だがミラは慌てる事なく、大剣を持っていない左手をかざし……


「ふん!」


 『牙砕弾』をキャッチ。

 握力で砕いた。

 あそこから破裂するはすだったんだがな……

 力でねじ伏せられた。


「ふむ。やはり魔法ではお主には及ばぬの」

「魔法でまで並ばれてたまるかってんだ」


 今の状態で十分化け物だしな。

 この闘技大会中、強敵に当たる度に言っている気がするが、今回は別格。

 コイツはマジモンの化け物ですわ。

 攻撃が効かないんだもの。


 ミラは右手で大剣を軽々と扱い、肩に担いだ。


「ふむ。それならば、こういう魔法はどうじゃ?」

「いや、ちょっと待ってくれ。作戦タイム」


 『灼焔』の直撃が効かない化け物は想定してませんでした。

 これは作戦の大幅な変更が必要……


「いや、待たぬ」


 ミラがその細くしなやかな指をパチンと鳴らした。


 その瞬間、世界が歪んだ。


「?」


 だがそれも一瞬だけで、すぐに世界は元に戻る。


「何したんだ?」

「さぁの」


 そしてミラが大剣をこちらに向けた瞬間……


 闘技場の上空から何かが飛来する。

 私は反射的にそれを避ける。

 しかし地面に着弾した時の爆風からは逃れられず、地面を転がる。


「……な、なんだ?隕石?」

「さぁ。どんどんいくかのぅ」


 ミラが大剣を上空に翳すと、空に複数の光が出現した。

 あれが全部さっきのなのか……


「降参するなら今のうちじゃぞ?」

「………よく言うよ」

「ならば……行け!」


 なるほどな……

 そういう魔法か。


 ミラが大剣を振り下ろすと同時に、上空の光が落ちてくる。

 その全ての標的は私だ。


 100ほどもある隕石が私に殺到する。

 だが私は避けるつもりはない。


 さっきのミラのように耐えきるつもりではない。

 避ける必要がないのだ。


「これは……幻術だ!」


 私がそう言い放つと同時に幻術が解け、全ての隕石が消失する。

 さっきミラが指を鳴らした所から、全てが幻だったのだ。


「さすがじゃのう。看破されるとは」

「もうちょい上手くやれよ。指鳴らした時に景色が揺らぐのが見えたぞ」

「はて?他の者にかけた時はそのようなものは無かったはずじゃが」

「いや、確かに見えたぞ」


 指を鳴らしたのもそうだが、あれじゃ「何かしたぞ」って言っているようなものだ。

 幻術は現実に混ぜ込んでこそ真価を発揮する。


「思うにお主の魔法耐性が高すぎるんじゃろうなぁ」

「それだな。相手が悪かったな」


 私は物質的精神生命体らしいからな。

 あまり意味がよく分かってないけど、精神生命体ならば精神に関わる魔法への耐性が高くても不思議ではない。


「うむぅ。母上殿が得意とする魔法なんじゃがのう。精進が足りぬか」

「あの人ね〜」


 さすがバリスさん。

 さすが悪魔。

 怖い。


「残念ながら妾の魔法ではお主に決定打を与えられぬようじゃ。よって、ここからは力で押し通る事としよう」

「いや、だからちょっと待ってくれ。私にも作戦タイムをだな……」

「問答無用!」

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