1/1
prologe/夢?
もし宜しければ、作品に関する感想お願いします!
それはものすごく変な恰好をした老人だった。
『君はこの世界に未来を信じるのかい』
『はあ』
尾崎美琴。19歳。なぜ自分はここにいるのか。なぜ見知らぬ老人と向かい合っているのか。その経緯について懸命に頭を働かす。
『未来などない。早々にそちらの世界に諦めを付けてこちらに来なさい』
『え、ちょっ…あのっ』
言いたいことだけ言うと次第に薄くなっていく老人。もちろん頭が、でなく姿が。
『明日までにお返事を。お迎えに上がります』
『えっと、とりあえずちょっと待っておじいさん!』
『では』
『待てってば、ちょっと』
その人は薄くなり薄くなり…消えた。
「待てってばーーーー!!!」
それはとても迷惑で鼓膜が破れるかというほどの寝言(?)だったという。
「うるさい!」
だからもちろん罵声が来るわけで。
「ふぇ…」
それでも寝言だから本人が覚えているわけがなく。
「あんたねぇ…」
尾崎美琴。19歳。この世界がこの上なく平和に感じるのは、未来があるように思えるのは自分の気のせいでしょうか。