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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第三章 夏休み編
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66話 旅行②

遅れてすいません(・ω・`)

「ただいま~」


「おかえり。……あら?浮かない顔してるけど、どうしたの?」


家に帰ってリビングに居たお母さんに声を掛けるとそう帰って返ってきたんだ。そんな顔してたかな?やっぱり枡岡さんに言われたこと引きずってるのかなぁ……。

そう思っていると


「ほらっ、そこで立ち止まってないでこっちに来なさい。それに、悩んでいることがあるなら話してみなさい。1人で抱え込むより全然いいわよ?」


お母さんにそう言われ、僕はリビングの入り口で立ち止まっていることに気づき、


「う、うん……」


と言ってからお母さんの近くまで行き、枡岡さんに言われたことを話したのであった。


…………

……


「旅行中は危ない……か……」


枡岡さんに言われたことをお母さんに話すとお母さんは考えた素振りをしながらそう呟いたんだよね。その後何も言わないから不安になった僕は


「所詮は占いだから大丈夫だよね?枡岡さんも軽く気に留めておく程度でいいって言ってたし……」


っていつもより早口で言ったんだ。べ、別に内心慌てていたわけじゃないよ?ただお母さんから気にしなくていいって言ってもらいたかっただけだからね?って僕は誰に言い訳してるんだろ……。

そんなことを考えながらお母さんの答えを持っていると


「え?え、えぇ。大丈夫よ。枡岡さんがそう言ったのでしょ?それなら本当に気に留めておくだけで大丈夫よ」


って言ってくれたんだ。そうだよね、そこまで気にしなくていいよね!

そう内心ホッとしていると


「ただ……」


お母さんが小さい声でそう言い始めたんだよね。この言葉からして、このことでまだ言うことがあるってことだよね……?嫌なことじゃなかったらいいんだけど……。

少し気構えながらお母さんの返答を待っていると


「枡岡さんは()()()()()()()()()()()()って言ったのよね?それなら、絶対に忘れてはダメよ?」


お母さんは枡岡さんがしたような真剣な顔をして僕にそう言ってきたんだ。


「う、うん……」


何で急にそんな表情をしたのかわからずに戸惑いながらそう答えると


「本当に忘れたらだめよ?それじゃあ、旅行の準備をしましょうか」


お母さんは最後にもう一度そう言った後、話はそれでおしまいとばかりに僕の旅行の準備を始めたんだよね。

それで、理由を聞いても教えてもらえなかった僕は心にしこりを残したまま当日を迎えたのであった……。



………………

…………

……





「やぁやぁ、おはよう諸君!それでは出発しようじゃないか!!」


「……なんで真琴が仕切っているのですか?私の親戚の家ですよね?」


「まぁまぁ。細かいことは気にしない、気にしない♪」


「……はぁ。まぁいいです。それでは皆さん行きましょうか」


旅行当日、集合場所である駅に全員が集まると、真琴がそう切り出し、優花ちゃんがそれに対し突っ込みを入れていたんだよね。それで真琴が1人駆け足でホームに入っていって、優花ちゃんが軽くため息をつきながらその後に続いたんだよね。それを見て僕たちは苦笑いしながらその後をついていったんだ。ちなみに空元君は生物部の合宿と被っちゃったみたいで、不参加になっちゃったんだ。出来れば全員で行きたかったけど、仕方ないよね……。

あっ、そうそう。今日は集合場所に着いたのは最後じゃないよ?いつかのときみたいに服のことで争って遅くなるってことはなかったからね。まぁ、それをする余裕が僕になかっただけともいうけど……。


……あれから結局お母さんにも枡岡さんの言葉を忘れてはいけないという理由を教えてもらえなかったからなぁ……。むしろお母さんにその話を振ろうとしてもすぐに話をかえられちゃって、全然そのことで話せなかったし……。旅行前最後のバイトから今日まで数日しかなかったけど、その間にどんどん最悪な想像をしてしまっていたんだよね……。どんなことを想像しちゃったのかは……、うん、言わなくていいよね?べ、別に旅行の日程全部土砂降りになっちゃうとか、財布落としちゃうとか想像してないからね?


ま、まぁ何とか家を出るまでにはその想像を振り切ったけどね。みんなも僕が落ち込んでいたことには気づかないみたいだし、もう完全に持ち直せたかな?

そう思いながらみんなの様子を見ていると、男性陣で話していた健吾が丁度話が終わったのか僕の方に少しズレてきたんだよね。どうしたのかなって思っていると


「京、どうしたんだ?浮かない顔をしてるみたいだが?」


健吾は僕にそう聞いてきたんだ。上手く隠せていると思っていた僕は


「えっ?もしかして顔に出てた?」


って、少し焦りながら聞き返したんだよね。折角の旅行なのに僕だけ1人落ち込んだ表情をしてみんなの気分を微妙な感じにしてしまったら申し訳ないしね。だから顔に出てたのか不安になりながら健吾の返事を待っていると


「まぁ……。出ていたかどうかというと出ていたが、他のやつは気づかないと思うくらいの変化だから心配しなくても大丈夫だと思うぜ?実際に俺以外は気づいてないみたいだしな。それで、どうしたんだ?俺でよければ相談になるが」


僕が不安になっているのが顔に出ていたみたいで健吾は苦笑しながらそう言ってきたんだ。もう健吾には何か隠していることがバレちゃってるし、健吾に話してみようかな?もしかしたら健吾なら気にしなくてもいいって言ってくれるかもしれないしね。

そう思った僕は駅のホームにつくわずかな時間で話せるように健吾に枡岡さんに言われた内容について簡潔に話したのであった。


…………

……


「枡岡さんがそう言ったのか?」


枡岡さんに言われた内容を伝え終わると、健吾は少し考えた素振りを見せた後に僕にそう聞いてきたんだ。だから


「うん……。それでね?お母さんにそのことを話したら絶対に言われたことを忘れちゃだめって言ってきてね?だからそのことが少し不安で……」


僕はお母さんに安心させてもらえなかったことを軽く愚痴りながら健吾にそう言ったんだ。すると健吾は


「まぁ京が気にしているほど気にしなくてもいいさ。枡岡さんも楽しんでこいって言ってくれたんだろ?だから気にしなくて大丈夫だぜ」


って言ってくれたんだ。だから僕も


「だよね!!よかったぁ。やっとそう言ってもらえて安心出来たよぉ」


そう言いながらホッとしていると、


「まっ、万が一のために旅行の間できるだけ俺の傍に居るようにしてくれたらいいさ。それに、どうしても困ったことになったら俺の名前を呼んでくれたらどこにでも駆けつけるさ。枡岡さんが言ったことだし、まず間違いなく――「2人で何こそこそ話してるのよ?」――っと」


健吾が最後に枡岡さんの言ったことに対して何か言おうとしていたんだけど、その前に真琴が僕たちの話に入っていたんだ。まぁ、結構長い間僕と健吾が2人きりで話していたんだし、真琴が気にならないわけがないよね……。

どうやって誤魔化そうかと思っていると、急な真琴の乱入で一瞬言葉を詰まらせていた健吾が


「あぁ。京のやつが今日の占いがかなり悪い結果だったらしくて、微妙にそのことを引きずっているって話してきたから、励ましていたんだ」


「ちょっ!?」


いきなり真琴に嘘をいい始めたんだよね。確かに大体あってはいるけど……、あってはいるけどさ!


真琴にそんなことを言っちゃうもんだから、真琴は僕の方を見てニヤニヤしながら


「なによ京?占いなんか信じてるの?あんなのは自分が信じられないやつだけが頼るもんだから気にしなくていいわよ」


って言ってきたんだ。確かに話をそらすことが出来たけど、結局いつもどおりの展開になったことに僕は軽く肩を落としながら


「そ、そうだね……」


とそれ以上弄られることの無いように簡単にそう答えていると


「どうしたんですか?」


って言いながら優花ちゃんも会話に入ってきていつも通り僕が真琴に弄られて、優花ちゃんがそれをたしなめるっていう構図になっちゃたんだ。

それで結局健吾との会話が途中で終わってしまい、改めて聞くタイミングをつかめないまま僕は目的地へと向かっていったのであった。

軽くしか見直していませんので、後日改めて見直して発見次第修正します。

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