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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第三章 夏休み編
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章間⑮ 生徒会の一幕②

念のため

生徒会長:椎名宗一

メンバー(わかっている分)

・桜良佳織

・橘


です。

「…………本当によかったんですか?」


佳織が僕にそう尋ねてきたが、僕はため息をつきながら


「仕方ないだろう?そうでもしないと()()()()が納得してもらえなかっただろう」


そう答えた。

あいつらっていうのは熱海さんを愛でる会と見守る会の連中だ。熱海さんが入学する直前にどこからか熱海さんの情報を入手した人たちが作った団体の生き残った団体で、昔に妥協案としてこちら側の要求を3つを呑んでもらうことで団体を認めたんだ。

熱海さんには気づかれないように活動することが条件の1つとしてあるから、熱海さんには迷惑をかけていなかったし、かなり無理やりだったとはいえ、彼らも大人しくしていてくれたんだけど……。


「そうですね。予想はしていましたが、やはり体育祭でのことを交渉材料にしてきましたね」


体育祭で熱海さんが倒れる事件が発生したとき、彼らからは犯人を退学にしろという要求が来ていたのを押さえ込んだんだ。まぁ、それ自体は熱海さんには迷惑をかけていないし、彼らが要求を出してくる前に校長と交渉して後ろ盾になってもらっただけだけどね。それで何とか要求を跳ね除けることが出来たんだ。だけど、佳織の言ったように、そのときに文化祭のときに、熱海さんが主役になれる出し物になるようにするように要求してきたんだ。

ただその要求だけを言われただけならば、即座に却下するだけでよかったんだけど、体育祭のときの事件で、団体所属者以外の暴走も抑えていたことを言われてしまったんだ。生徒会(僕たち)も彼らが熱海さんのために動いてくれていたことは把握していたのもあって、そのことを加味した結果、熱海さんのクラスが自主的に熱海さんが主役になれるようなものを申請してきたときのみという条件で彼らの要求を呑んだんだ。熱海さんは元々体力が多いほうじゃないし、熱海さん自信も目立つのが好きではなさそうだから大丈夫だとは思っていたんだけど……、


「……まさかダンスで申請してくるとはねぇ」


確かにダンスなら1曲限定とかにすれば出来なくはない……か。それに熱海さん自信もきっとどこかの列の端っこに入れてもらったら目立たないって思っていたんだろう。

どうも僕は何か1つ2つ考えたらないところがあるなぁ。自省の念に駆られ、思わずそうこぼすと


「まぁ、考えられなかったことではなかったですよね。熱海さんを前に出すつもりは元々なかったようですが、おかげで借りがまた1つ出来てしまいましたね」


って、佳織が笑顔(・・)で言ってきたんだ。ただ明らかに棘のある言い方だったのに対し、僕は頬をひくつかせがら


「ど、どうしたんだ?今日はいつも以上に棘がきついみたいだが……」


佳織にそう尋ねると


「いいえ?全然大したことではありませんよ?また会長が1人で全部決めてしまってその後の事後処理だけが私たちにしわ寄せとして来ていることなんて全然気にしていませんよ?」


答えてくれたんだが、全然大丈夫じゃなさそうだ……。確かに愛でる会や見守る会の人たちの要求を呑むことや熱海さんのクラスの文化委員の篠宮さんとの交渉は僕1人でしてしまったが……。僕1人で対応した方が他のみんなが違う作業出来るから効率的だと思うんだけどなぁ。今回のことも借りがまた新しく出来たといってもそこまでみんなに負担をかけるものでもないし。

そのように色々と考えてみたが、佳織がなんで怒っているのかわからずにいると


「はぁ。まぁ会長に言っても意味がないのはわかっていますが、今度からは1人で対処できるような事案であったとしても私に一言声を掛けるようにしてください。今回は篠宮さんが今後このような要求はしないということと、愛でる会と見守る会(彼ら)には今まで以上に熱海さんと距離をとるようにキツく言いくるめるようにしてくれたらそれでいいと言ってもらえたからよかったものの……」


佳織は軽くため息を軽くつきながらそう言ってきた。何故か諦められているようでそれはそれで癪だが、わからないものはわからないし仕方がない。佳織の言うとおり借りも実質無いようなものにしてもらえたんし、佳織の機嫌も幾分か落ち着いたみたいだし、僕も追及するのを諦め、


「それじゃあ、今度からはお願いするけど、大丈夫かい?今でも十分仕事を任せていると思うんだけども」


そうたずねると、佳織は


「えぇ、この程度なら大丈夫です。宗い……、会長の役に立ちたくて生徒会に入っているんですし、むしろどんどん仕事を振ってください」


と、今度は本当(・・)の笑顔を見せてくれ、僕も


「うん、それじゃあこれからは頼むよ」


と笑顔で答えていると、


「……生徒会室でいちゃつくなよ」


と僕たちのやり取りを自分の席から見ていた橘に言われてしまい、僕たちはそそくさと仕事に戻ったのであった。



<生徒会の一幕② END>

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