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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第二章 一学期編
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章間⑫ 油断大敵

少し?遅いですが、あけましておめでとうございます。


新年早々、ブックマーク300件に20万PVを達成しました。読者の皆様、呼んでいただき、ありがとうございます。


そんないいことばかりですが、今回は内容は少しあれな回です。

毎回こういった報告するたびに内容が~って言っているような気がしますが、気のせいだと信じたいです(・ω・`)

それは高校に入学し、少しずつ身体の変化にも高校生活にも慣れてきた頃……


「あっ……」


考え事をしながらトイレに向かっていた僕は()()()()()に入ってしまっていたんだ……。


「……お母さんに何度も注意されたのになぁ……」


高校に入学するときに、お母さんに『絶対に間違えたら駄目よ?絶対だからね?』ってまるでフリかのようにって言われていたから、そのフリには乗らないように今までは気をつけていたんだけど、ここ最近慣れてきたのもあって気が抜けちゃっていたかな?でも、偶然男子が誰もいないおかげで助かっ――


「…………だってよー」

「…………、そんなわけ……」


「ちょっ!?」


たと思って誰にもバレていない間にさっさと女子トイレに移動しようとしたところで廊下からトイレに向かってきている声が聞こえたんだ。気のせいだと信じたかったけど、確実に声が大きくなっていたんだよね。さすがに今の僕が男子トイレにいることがバレたらどんな噂がたつかわからないと思った僕は急いで個室トイレに入ったんだ。そしたら丁度鍵を閉めたところで


「だからほんとなんだって……って、おっ?」


「ん?どうしたんだ?」


「見てみろって、個室が閉まってるぜ」


予想通り話し声の主の2人組みがトイレに入ってきたんだ。しかもすぐに個室が使用中なのがバレてしまったんだよね……。だけど僕にはどうすることも出来なくて、何事もないことを願って息を潜めていると


「それにしても学校のトイレの個室が使われているのを見るのも久し振りだな」


「そうだよなー。わざわざ学校でするやつなんてそうそういないし。これはもう、人が多いことで定評のあるここのトイレにも関わらず個室に入った勇者様のお顔を拝見してあげないとな」


2人組みの内の1人が個室の中を見るようなことを言い始めたんだよね。予想外のことに思わず声が出そうになった口を手で無理矢理抑えていると


「さすがにやめとけって。誰かに目撃される可能性が高いにも関わらずにここを使ったってことは余程のことだったんだろ。お前ももし突然の腹痛とかでトイレに籠もることがあったときに同じことされたら嫌だろ?」


「冗談だって、冗談。万が一自分がそうなったら辛いもんなー。さて、それじゃあ俺はもう用もたせたし、先に戻ってるなー」


「おいっ!って、もう行っちまったか。まぁ、丁度都合がいいって言えばいいが……」


もう1人の方が止めてくれたんだよね。待とうと言っていた人は冗談だって言っていたけど、あぁ言う人は1人だったら絶対に何かしてきていたと思うから、本当に急死に一生を得られた気分だよ。それにしても何か忘れているような……。

って、それよりも助けてくれた人が1人になって都合がいいってどういう意味なんだろ?

何か少し引っかかった僕はその意味を考えてると


「……もう誰もいないから出てきて大丈夫だぜ?京、お前なんだろ?そこにいるの」


ふいに扉越しに声を掛けられたんだ。予想外のことに一瞬パニックになりかけたんだけど、京って言葉で我に返ったんだよね。京って僕のことを呼ぶってことは……


「……もしかして健吾?」


ってことだよね?そう思って声を掛けると


「あぁ、っていうより男子でお前のことを下の名前で呼ぶのは俺だけだろ?それよりも早く出てこないと他のやつが来るぞ?」


「う、うん。そうだね。でも、よく僕だとわかったよね?」


健吾に促され、僕はそう言いながらそっと扉を開けると健吾が1人扉の前にいたんだよね。


「まぁ、お前の声が一瞬だけどトイレの中から聞こえたしな。あいつは気付いていなかったみたいだが……。それよりもほらっ、今の間に出てしまおうぜ」


そう言ってトイレの外い向かって歩き出した健吾についていったんだ。そして無事にトイレの外に出れて、これで最悪は免れれたとほっと安心していると、身体がブルッと震えたんだ。そこで僕は漸く今まで忘れていたことを思い出したんだ。トイレを済ませるの忘れてた……。いやっ、でも男子トイレで済ませるのはちょっと……、って、あれ?今まではそうしてたのに……?


何故かあのときに済ませてしまおうと思えなかった自分でも上手く整理出来ない気持ちと、思い出したときにはすでに限界近い尿意に迫られ、そわそわしていると、


「ん?どうかしたのか?」


それに気付いた健吾が僕を心配してそう聞いてきたんだ。だけど、さすがにトイレをまだ済ませていないって言うのが恥ずかしかった僕は


「いや……、別に何でもないんだけど、先に戻っていてくれる?」


ってはぐらかして先に入っておいてって頼んだんだけど、


「え?どうしてだ?もうすぐ授業が始まっちまうぜ?」


先に行ってくれそうになかったんだよね……。僕を心配してくれていることはわかるんだけど……


「う、うん……。そうなんだけど……」


「どうしたんだ?ハッキリ言ってくれないとわからないんだが……。もしかして体調が本当に悪かったのか?」


こういうときに限って全然察してくれなかったんだ。いや、確かにある意味体調が悪いって言えば体調が悪いんだけど……。何とか健吾には先に戻っていてもらおうと思ったんだけど、会話をする余裕すらなくなってきた僕は腹をくくって健吾に


「トイレ……、まだなの……」


そう顔を真っ赤にしながら消え入るような声で伝えたんだ。


「え……?あっ!!」


「健吾のバカぁ……」


そこで漸く健吾は気付いてくれたんだけど、もはや声を出す余裕もなくなってきた僕は小声でそう言った後、女子トイレに駆け込んだのであった。



<油断大敵 END>

念の為、補足しておきますが、時期としてはGW前です。ですので、学校内で京のことを下の名前を呼ぶ男子はまだ健吾だけです。

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