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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第二章 一学期編
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57話 終業式

回想シーン?への繋ぎかたがわからない(・ω・`)


【追記】指摘していただいた箇所等々修正しました。

「え~……。であるからにして……」


「…………はぁ……。長いなぁ……。人が多いからかなり暑いし……」


今終業式の真っ最中なんだけど、僕は校長先生の長いだけの話を聞きながら何度目かわからない溜息をついていた。あっ、でも体育祭で倒れた人――まぁ、僕のことなんだけど――がいたことと、他にも体調不良を訴えた人が何人かいたみたいで、そのおかげかはわからないけど校長先生の話は体育館内で行われるようになったんだよね。まぁ、体育館の中には冷房とかないから結局暑いんだけどね……。

偶に入ってくる風がまた入ってくることを願いながらそう呟くと


「仕方ないですよ。校長先生のお話が長いことは教師の方ですら皆さん諦めているようですし……。ですが、今までのことを考えるとそろそろ終わると思いますよ」


「えぇ、そうね。……あぁ、もう!ほんと早く終わらないかしら。宇佐見さんと相談して日程とか色々決めたいのにっ!!」


って、優花ちゃんと真琴も少し気だるそうにしながらそう返してくれたんだ。真琴の方は少し違う理由っぽいけど……。まぁでも、優花ちゃんが言った通り『であるからにして』ってループに入り始めたら校長先生の話も終わりが近いってことだもんね。まぁ、そこからがかなり長いんだけど……。

それで、真琴が言っていた宇佐美さんとの相談っていうのが、あの後結局僕たちのクラスの出し物はダンスってことで決まったんだ。宇佐美さんが渋ってくれることを願ったんだけど――


――


「やってくれるわよね?委員長?」


真琴がいつも以上の笑顔で宇佐美さんにそう声を掛けていたんだ。すると


「え?あっ……、すいません……。冗談では……ないんです……よね……?」


宇佐美さんは驚きながら真琴に聞き返していたんだ。いきなりそんなこと言われたら誰だってビックリするよね。っていうより宇佐美さんってダンス部だったんだ……。

そんなことを考えていると


「えぇ、もちろん冗談ではないわよ?委員長ならダンスがどういうものかっていうことはこのクラスの中では一番知っているでしょ?それに、丁度いい機会だと思うんだけど、どうかしら?」


真琴は腰に手を当てながらそう返したんだ。そしたら


「確かにダンス部に入って……、あ、すいません……。まだ基礎くらいしか出来ませんから皆さんに教えられる自信はありません」


って、宇佐見さんが言ったんだ。何が丁度いい機会なのかはわからないけど、これは宇佐美さんが断って振り出しに戻る流れかなってダンスが嫌だった僕は内心安心していたんだ。だけど……


「……ですが、体育祭は私のせいで台無しにしてしまいましたから、皆さんさえ良ければ文化祭で微力ながら尽力を尽くしたいと思います」


「…………ふぇ?」


宇佐美さんはむしろやる気を漲らせていたんだよね……。だから思わず変な声が出ちゃってから急いで口を押さえて周りを見たんだけど、みんな委員長の決意表明に意識がいっていたみたいで誰にも聞かれていなかったんだ。聞かれなかったことはよかったんだけど……


「……ほんとにいいのね?」


「えっと……、すい……。……いえ、はい。お願いします!」


「えぇ、わかったわ。それじゃあ、反対意見がなければこれで決定するけど、どうかしら……って、もう聞く必要はないみたいね。それじゃあ、これで決定するから空元は外でまっている小野(バカ)を呼んできてくれる?」


そのままの流れで決まっちゃったんだ……。


――


「…………はぁ」


そのことを思い出して、改めて溜息をついていると


「京さん?校長先生のお話も終わったというのに溜息なんかついてどうしたんですか?」


そう優花ちゃんが言ってきたんだ。だから僕は


「いや、別になんでも……」


って誤魔化そうとしたんだけど、そこでふと気になることが出来た僕は一旦言葉を止めて、


「そういえば、優花ちゃんはダンスに賛成だったの?」


そう優花ちゃんに聞いたんだ。だって、優花ちゃんだってインドア派なはずだから運動するのは嫌いだと思っていたし……。だから実は嫌だったって答えを期待したんだけど


「えぇ、もちろん。よく勘違いされてしまうのですが、身体を動かすことは嫌いではないどころか、むしろ好きですしね?」


「…………え?」


「これでも体育の成績は上位に入ってますからね」っていう補足までつけて返してくれたんだけど、運動が好きっていうあまりにも予想外だったから思わず聞き返しちゃったんだ。そしたら優花ちゃんは


「やっぱりそう思ってしまいますよね……。まぁ、そういうことですからダンスには反対ではないんですよ。京さんは嫌だったんですか?」


僕にダンスが嫌だったのか聞き返していたんだよね。まぁ、嫌かどうかなんて聞かれたら聞き返すよね……。


「いや……、別に嫌というわけではないんだよ?中学のときも文化祭の出し物としてダンスを踊ったし……」


だから僕はそう答えたんだ。まぁ、結局ついちゃった変な癖が抜けなくて最後まで怒られていたから、あまりいい思い出ではなかったんだけどね……。それでも、踊った経験がないってことではないもんね、うん。


「あっ、そうなんですか?それなら――「へぇ、京ってダンス経験があるのね。じゃあ、ダンスは前の方に配置しても大丈夫かしら?」……私が話している途中だったのですが……」


僕にダンスの(そういった)経験があったことに優花ちゃんが何か言おうとしていたんだけど、その途中で真琴が僕たちの話を聞いていたみたいで話に割り込んできたんだよね。


「いや、全然大丈夫じゃない……って真琴ついさっきまで宇佐美さんと話してなかったっけ?」


終業式が終わってから真琴は宇佐美さんと打ち合わせをしていたと思っていた僕は前の方の配置を断ってから聞いてみたんだ。優花ちゃんには悪いけど、途中で割り込んできたことへの抗議は聞かないだろうしね……。すると真琴は


「あぁ、それならもう終わったわよ?終礼後にでも踊る曲と練習日を発表するから楽しみにしててね」


って笑み(・・)を浮かべながら言ってきたんだ。だから僕は少し顔を引きつらせながら


「お、お手柔らかにね……」


って返し、何とか僕の踊る位置を前の方に持っていこうとする真琴を何とかあしらいながら教室へと向かったのだった。


…………

……


「俺の方からはこれで終わりだが、文化祭の準備で遅くなりすぎないようにな。それじゃあ、内容が全部決まったら委員のやつは俺のところに報告に来てくれ」


そう言って牧野先生が教室を出ていったんだ。そしたら待ってましたとばかりに真琴が宇佐見さんを連れて教壇に立ってから


「さぁ、それじゃあダンスで踊る曲を発表するわよ?先に言っておくけど、ダンスって決まった後に誰も何も言ってこなかったんだから、今更の文句は受け付けないわ。それと、2曲踊るんだけど全員で両方の曲を踊るから覚悟しておいてね?それじゃあ宇佐美さん、ささっと書いちゃって」


ってもう誰の意見も聞かないと宣言した後、宇佐美さんにそう言ったんだ。そしたら宇佐美さんはすぐに曲名を書き始めたんだよね。

それで、すぐに書かれた曲名を確認したんだ。


1曲目は最近有名になったアイドルグループの曲だったんだ。確かにあのグループの動きって簡単だから覚えやすそうだもんね。僕が出来るのかは別だと思うけど……。

何人かがこの曲を踊るのは恥ずかしいって抗議の声をあげたせいで宇佐美さんが身体をビクッてさせていたけど、真琴が抗議の声をあげていた人を睨んで黙らせていたんだ。その顔はやめておいた方がいいと思うんだけどなぁ……。睨まれた人も「ひっ」って声を小さくだけど漏らしていたし……。まぁ僕は丸投げしちゃった自覚があるから決められたことをやるだけだけどね、うん。


そんなことを思っていると、宇佐美さんが2曲目を書き終わっていたんだ。

さて、もう1曲はどんな曲かなって思いながらもう1つの曲名を見たところで思わず目を見開いちゃったんだ。かなりすごい顔をしちゃっていたみたいで


「えっと……、京さん?どうしたんですか?」


って優花ちゃんが少しためらいながらも聞いてきたんだ。


「えっ、あっ、う、ううん。何でもないから大丈夫だよ?」


だから僕も言葉に詰まりながら何とかそう返したんだ。でも全然動揺を隠せない僕は見間違いの可能性を信じてもう一度黒板を見たんだ。

だけど、そこには最初に見たときと変わらず……





僕が中学のときに散々怒られ続け、半ばトラウマになりかけたあの曲の名前が書かれていたんだ……。

後1話で1学期編は終わりの予定です。

次章に移る前に章間は数話入れる予定としています。

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