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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第二章 一学期編
72/217

53話 第3のペナルティ④

本当はここまで2話で終わらせるつもりだったんですよね……。

色々と補足等々つけていたら4話まで伸びてしまいました(・ω・`)


【追記】話の流れにあわせてタイトルを変更しました。

「ところで京はちゃんと泳げるの?」


ついに体育の時間になり、更衣室に向かっている途中に僕は真琴にそう言ってきたんだ。だから僕は


「ふふーん。僕は水泳はかなり得意なんだよね。真琴にだって負けない自信があるんだから」


「「えっ!?」」


得意そうにそう言ったんだけど、真琴も優花ちゃんも僕の答えが予想外だったみたいで、かなり驚いていたんだよね。


「……そんなに驚かなくてもいいじゃない。そんなに僕が得意っていうのが予想外だったの?」


「まぁ……そりゃぁ……」

「今までの京さんの体育を見ていたら少し想像が……。それに京さんは外では泳げないですし、今まで泳ぐ機会が無いと思っていましたので……」


余りの反応に少しジト目になりながらも2人にそう言うと、2人はそういって言葉を濁したんだ。僕がそこまで運動が出来ないと思われているとか失礼しちゃうよね。まぁ、確かに今の僕じゃ外では泳げないもんね。この学校のプールが地下にあって外の光が入ってこないからこそ僕が参加出来るようなものなんだし。でも中学時代にここのパンフを見たときはプールは外にあったような気がするんだけど、気のせいだったのかなぁ?まぁそのおかげでプールを泳げるんだし、細かいことは気にしても仕方ないよね、うん。


「ふん、別にいいもんね。僕の言葉が嘘じゃないってことを見せつけてやるんだから」


僕の言うことをあまり信じてくれていない2人を驚かせるためにもがんばろうと意気込んでいると


「ま、そこまで言うなら期待しているわね」

「そうですね。普段運動のことで京さんがここまで自信たっぷりに言うことも少ないですから、少し楽しみです」


いつもより気合をいれている僕を見て2人はそう言ってくれたんだ。でも、きっとまだ完全には信じていないだろうからね。ふふふ……、僕の泳ぎっぷりを見て驚く2人が見れると思うと今から楽しみだなぁ。

僕はそう思いながら1人ほくそ笑んでいたのであった。


…………

……


「さて、男性陣はどういう反応するかしらね?」

「そうですね。そちらの方も楽しみですよね」


「何の話?」


更衣室にて着替えているときに、真琴と優花ちゃんが何かの話をしていたんだ。もう僕も女の子の中で着替えていても会話を聞く余裕くらい出てきちゃっているんだ。慣れって怖いよね……。まぁ視線は明後日の方向に向いているけど……。それはともかく、2人が何の話をしていたのかを聞いてみると


「うん?そりゃあ、京の水着姿に男性陣がどんな反応するか楽しみって話よ?」

「ふぇっ!?」


真琴がそんなことを言ってきたから僕は思わず変な声をあげちゃったんだよね。その後僕は軽く動揺しながら


「そ、そんなことないでしょ?それにほら、僕が自分で言うのもなんだけど、こんな体に魅力なんてないでしょ……」


自分の体を見下ろしつつそう言ったんだ。こんなペタンコな体なんて誰も気にも留めないでしょ?僕としては全然良いんだけどね!だから2人も僕の言葉に肯定してくれると思ってそう言ったんだけど


「いや?そんなことないわよ?」


「えっ?」


返ってきたのは否定の言葉だったんだ。思っていた返答が得られなかった僕は思わず


「じょ、冗談……だよね?」


そう聞き返したんだけど


「真琴の言っていることは冗談ではないと思いますよ?京さんはすごく可愛らしいですし。それに万が一ほとんどの人が反応しなかったとしても、少なくても丘神さんは反応すると思いますし、今から彼がどんな反応をするかが楽しみです」


「い、いや……。やっぱり可愛らしいとか言われると恥ずかしいんだけど……。あと、なんで丘神君の名前が出てくるの?」


「「……えっ?」」


優花ちゃんが真琴の言っていることが冗談ではないと言ったあと、何故か丘神君の名前が出てきたから何で名前が出たのか聞いたんだけど


「もしかして……本当にわかってないの?」


「だから何が?」


「「…………はぁ」」


「えっ!?えっ!?」


2人も僕が冗談を言っていると思ったみたいでもう一度聞いてきたんだけど、何のことかわかっていない僕も聞き返したら2人はいきなり溜息をつき始めたんだよね。理由がわからずに戸惑っていたんだけど


「丘神君も可哀想に……」

「まぁまだ丘神さんもはっきりとした自覚はしていないみたいようですし、お互い様な気もしなくはないですよ」

「そうね……。それに自覚していたとしても、中山君がいるから不利なことには変わりないものね」

「そうですね。これからが本当に楽しみです」


「本当にさっきから2人とも何の話をしているの?健吾の名前も何故か出てきてるし……」


もう僕のことを置き去りにして話始めちゃったんだよね……。だから僕も思わずそう呟くと


「まぁ、これからのお楽しみってことよ♪」

「今はわからなくてもきっともうすぐわかりますよ」


2人とも意味深のような言葉をくれたんだよね。だけど、結局どういうことなのかは教えてもらえなくて、今日何度目かわからない溜息を僕はついたのであった……。


…………

……


「うっ……」


いざプール場に行くと男子はもう全員集合していたんだ。やっぱり男子は着替えが早くていいよなぁって思いに耽りたかったんだけど……


「見られているよね、これ……」


まだ見られるのが恥ずかしくてタオルで隠しているんだけど、今回から僕も参加するって皆知っているから何人かの男子が僕のことを見てきているんだよね……。何人かの視線を感じつつそう呟くと


「だから言ったじゃないですか。京さんは魅力的だって」

「そうよ。それにタオルで隠しているのなんかもう京だけなんだから、隠していると逆に目立つわよ」


「そうかもしれないけどぉ……」


2人のありがたくない補足を貰ったんだけど、やっぱり恥ずかしいじゃない?男の僕が女用の水着を着ているのなんか後々に黒歴史になること間違いないだし……。まぁ、今の僕の身体を考えると間違っていないんだけど……。

そんなことを考えて悶々としてると


「えぇい、まどろっこしい!!おりゃあっ!!」


「えっ?うわっ!?」


いきなり真琴にタオルを剥ぎ取られたんだよね。その瞬間何か男子(向こう)の方から「おぉー」って声が聞こえたような気がしたんだけど、そんなことを気にしている余裕もなく


「ちょっ!!返してよっ!!」


「駄目よ。どうせもうすぐ先生が来てタオルを取ることになるんだから一緒よ、一緒」


真琴にタオルを返してくれるように頼んだんだけど、真琴はそのまま自分のタオルと一緒にタオル置き場に置きに言っちゃったんだよね。真琴の方が正論なのがわかっているから言い返せずにまた溜息をついていると


男子(あちら)の方も残念って感じのような反応じゃないからいいじゃないですか」

「いや、そういう問題じゃなくてね?」


優花ちゃんが慰めの言葉をかけてくれたんだけど、本当のことを言えない僕はそこで言葉を切ってもう一度溜息をついていたんだ。すると


「京はちょっと溜息をつきすぎよ?溜息をつくと幸せも逃げていくって言われているんだから、何を嫌がっていたのかは知らないけど、見せつけてやるくらいの気持ちでいいのよ」


タオルを置きおわってこっちに戻ってきた真琴がそう言ってきたんだよね。僕が悩んでいることとは微妙に違うけど、ウジウジ悩んでいても一緒なことには変わらないから、覚悟を決めようとしてると


「あっ、丘神君。京は水泳がかなり得意らしいわよー!」


って真琴が大きい声で丘神君に向かってそんなことを言い出したんだよね。


「ちょっ!?なんでいきなりそんなこと言い出すの!?」


真琴の予想外の行動に僕はすぐに真琴に問い詰めたんだけど


「別にいいでしょ?京も自分で言っていたことなんだし、嘘ではないわよね?」


「そ、それはそうだけど……。でも、ほら、丘神君もいきなりそんなこと言われたから困ってるでしょ」


別におかしいことはしていないって感じに返されちゃって、僕の反応がおかしいのかと思って丘神君の方を見ると、


「そ、そうじゃ。俺に言われても……」


って言ったあと、口元を手で抑えながら何やら小声で言っているみたいなんだよね。それを見た僕は


「ほらっ、やっぱり困っているみたいじゃない」


「いや、あの反応は……。だけどまぁ、あたしから言うことでもないわね」


真琴に僕が正しかったことを言ったんだけど、真琴は一瞬僕の言葉を否定しようとしてからすぐに止めたんだよね。何を言おうとしたのか聞こうとしたんだけど、そこで先生が来て僕たちは話を止めたのであった。


…………

……


「ふぅ、泳ぐのは久し振りだなぁ」


ついに次に僕の番が回ってくるタイミングで僕はそう呟いた。まぁ、去年は学校の体育のプール以外では泳ぎにはいかなかったから久し振りなだけなんだけどね。行きたいなら市営のプールとかに行けばいいんだけど、やっぱりああいうところって人が多すぎるくらいにいてるのがわかっているから行き辛いと思っていたらシーズンが終わっちゃっていたんだよね……。

そんなことを考えているとついに僕の番がきたんだ。久し振りの水泳だから、皆以上に入念に準備体操をして、準備万端な僕は久し振りに泳げることに内心ワクワクしながら先生の笛を待ち……


そして……


ピッ


と笛がなったのを聞いてプールに飛び込んだときにそれが起こったんだ。


飛び込んだまではよかったんだけど、その後上に浮き上がる浮力が全く感じられなかったんだ。


むしろ上に上がろうとすればするほど下に沈んでいくような――まるで浮力とは別の力(・・・)が働いているような……。


そう思ったときに、ふとあることに僕は思い至ったんだけど、そこで息が続かなくなった僕は意識を手放したのであった……。

タイトルをこの話で変えるかどうか悩んだのですが、そうしてしまうと今回のオチがわかってしまうと思いましたので、次に見送りました。

まぁ、もうわかっている方もいたかもしれませんが……。

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