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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第二章 一学期編
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52話 第3のペナルティ③

【追記】話の流れにあわせてタイトルを変更しました。

「あれ?」


正門の近くまで行くとふと正門の近くで立っている人がいたんだよね。立っている人は2人いて、1人は椎名さんでもう1人は


「……ねぇ健吾?正門の近くで椎名さんと一緒に立っているのって生徒会長だよね?何で2人ともあんなところに立っているんだろ?抜き打ちの荷物検査をするとかだったとしても他の人がいないのはおかしいし……」


そう、生徒会長が立っていたんだ。何であの2人が一緒に立っているのだろうと思いながら健吾に尋ねると


「そうだな。まぁ何であそこに2人でいるのには心当たりはあるけどな。どうも京に用があるみたいだから俺の予想は当たってるだろうし」


「えっ?」


健吾は何で生徒会長が椎名さんと2人で正門前に立っている理由がわかっているみたいで、僕にそう答えてきたんだよね。健吾に言われて改めて2人を見てみると確かに僕の方を見ているような気がしているんだよね……。っていうより……


「どう見ても僕しか見ていないよね……」


完全に2人と目があっちゃった僕の方を2人はじっと見てきているんだよね。だから思わずそう呟くと


「だから言っただろ?京に用があるって」


健吾が呆れた感じにそう言ってきたんだ。それに対して何か言い返そうとしたんだけど、その前に2人が僕の方に向かって歩いてくるのが見えたんだよね。だから健吾に何か言うのを止めて2人の様子を見ていたんだ。ほらっ、もしかしたら僕の後ろの人に用があって、健吾の予想が外れているかもしれないしね!でもやっぱり2人は僕に用事があったみたいで僕の前に来て立ち止まったんだよね。それで


「熱海さん、少しいいかな?」


生徒会長が僕に向かってそう話しかけてきたんだ。だから


「は、はい。大丈夫ですよ?」


僕は問題ないことを伝えたんだ。すると


「本当にすまなかったっ!!」


って言って、僕に頭を下げてきたんだ。椎名さんが頭を下げているのなら久川さんに1回説明してもらっている分まだわかったんだけど、生徒会長に頭を下げられている理由がわからなかった僕は


「えっ!?えっ!?」


戸惑って何も言葉にすることが出来なかったんだ。僕が戸惑って上手く状況を把握出来ていないことを生徒会長が察したのか、顔を上げてから


「僕の妹が君に本当に悪いことをしたね。許されることだとは思っていないけれど、出来ることなら許してほしい。ほら、希望も」


「うぅ~。本当にごめんねぇ」


軽く僕にどういうことか説明してくれた後、もう一度――今度は椎名さんと一緒に頭を下げてきたんだ。だけど2人に、しかもその内の1人は生徒会長が正門前で頭を下げているからすっごい目立っちゃっているんだよね。周りにいる人皆見てきてるし……。だから


「い、いや。そんな頭を下げる必要なんてないですよ!確かに倒れちゃったけど、大事には至らなかったんですし……。だから顔を早く上げてください!!」


出来るだけ早く顔を上げて欲しくてそう言うと2人は顔を上げてくれたんだよね。うぅ、何か今日は朝からかなり目立っているような気がするよ……。出来るだけ目立ちたくなんかないからたくさん人がいるまで頭を下げる方を止めてほしいなぁ……。久川さんも椎名さんも生徒会長も自分が悪いと思って言ってくれているんだと思うから、さすがにそんなことは口には出さないけど……。

どうやったらこの注目されている状態から逃げられるかなぁって考えていると


「そうか……。ありがとう。僕がいる間は学校ではもう二度と体育祭のようなことを起させないようにするから、どうかこれからは安心して学校生活を過ごしてほしい。それじゃあ、これ以上目立ってしまうのも君には悪いから僕達は行くね」


「それじゃぁねぇ。本当にごめんねぇ」


そう言った後生徒会長は椎名さんを連れて学校に入っていったんだ。

椎名さんと生徒会長って兄妹だったんだなぁって思いながら僕は暫く2人を見送っていたんだけど、生徒会長が去った後も未だに僕が注目されていることに気付いた僕は周りの人に紛れてニヤニヤしながらこっちを見ていた健吾を連れてそそくさと学校に入っていたのであった。

学校の中に入った後、健吾に僕が注目されているってわかってたのならすぐに言ってくれたらいいのいにってに言ったんだけど、そんなことしたら面白くないじゃないかって当然のように返されたんだよね。ほんとこういうときの健吾って意地が悪いよね……。はぁ……。


…………

……


「おはよー「熱海さん、ごめんなさいっ!!」……ふぇ?」


健吾と別れた後教室に入った途端謝られた僕は思わず変な声を出しちゃってから声の方を向くとそこには


「宇佐見さん……?」


僕の方に向かって頭を下げている委員長の姿があったんだよね。さすがに今日3度目の展開で少しは動揺しているけど、頭を下げられている理由が何となくわかった僕は


「えっと……?宇佐美さんも体育祭のことで?」


宇佐美さんにそう問いかけると、宇佐美さんはビクッって体を小さく跳ねさせてから恐る恐るっていった感じに頭を上げて


「は、はい……。すいません……。本当はもっと早く謝ろうと思っていたのですが……」


そう言った後、何で宇佐美さんが謝っているのかについてと謝るのが1ヶ月遅れたのかについて教えてくれたんだ。事の真相を知った僕はニヤニヤしながら僕たちの方を見ている真琴の方を軽く睨むように見てから宇佐美さんの方に向き直ってから


「宇佐美さんも気にしなくてもいいからね?脅されてしたことみたいだし、それに僕も特に何ともなかったし」


気にしなくていいと宇佐美さんに伝えると


「い、いえ……、すいません……。それでもしてはいけないことをしてしまったことには変わりありませんから……。熱海さん、その……、すいませんでした……」


宇佐美さんはそう言ってからもう一度頭を下げて自分の席に戻っていったんだ。僕が気にしなくてもいいって言ってるからそんなに気にしなくてもいいのいね。そんなことを考えながら僕も自分の席に鞄を置いたんだ。その後、


「……やっぱり真琴と優花ちゃんも知っていて黙っていたんだよね?」


真琴たちのところに言った僕は2人にそう聞いたんだ。すると


「まぁ、実際にあたしたちも体育祭のときに京が倒れた現場にいたんだから知っていて当たり前でしょ?」

「すいません。やはりこういうことは間接的にではなく、本人から直接言った方がいいと思いまして。本人たちも十分反省しているということがわかっていましたので、直接京さんに謝りに行くまで私たちからは言い出さないように取り決めたんです」


2人からはそう返ってきたんだ。だから僕は軽く溜息を吐いてから


「2人とも健吾と同じようなこと言うんだね……」


思わずそう呟くと


「それはまぁ、中山君もこのことを一緒に決めたメンバーの1人なんだもの。同じような返事になるのは当たり前よ」


と真琴から返事が帰ってきて僕はもう一度溜息を吐いたのであった。

次話以降のネタバレ?になるのですが、次話かその次の話で今のこの話のタイトルを変えます。

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