43話 体育祭③
唐突の登場人物紹介すいませんでした(・ω・`)
作者の頭では把握しきれなくなってしまったんです……。
まぁ、裏でメモを作っておけって話ですよね。
すいません、それでは続きをどうぞ。
【追記】指摘していただいた箇所を修正しました。
【追記】玉入れ鬼ごっこになっていた箇所がありましたので鬼ごっこ玉入れに修正しました。
「え~…………で、あるからにして……」
「早く終わらないかなぁ……」
そう呟きながら汗を拭っていると
「京さん大丈夫ですか?まだまだ長引きそうですし、抜け出して先にテントで休んでいても大丈夫だと思いますが……」
「そうよ?それにしてもほんとあの狸、同じことしか言わないわね」
2人が僕を心配してそう小声で話しかけてくれたんだよね。真琴は校長先生のループしている話に対してイライラしてたのか、すこしトーンが高かったけど……。
「どうどう、真琴落ち着いて。それと2人ともありがとう。でも、午前中はこれだけだから大丈夫だよ」
何故かはわからないけど、100m走は午後の種目なんだよね。100m走はそこまで盛り上がる種目ではないから午前中に行われると思っていたんだけど、午後の種目なんだよね。午後に回された理由ってなんだろうね?もしかして午前の大半が校長先生の話で終わっちゃって、テンションが下がっている状態で100m走をするのもあれだから午後に回したとか……はないよね、さすがに。
まぁそのおかげで無理をしなくてよくなったから助かったんだけどねって思っていると
「え~、おほん。それでは諸君。怪我や熱中症にくれぐれも……、くれぐれも注意するように」
そう言って校長先生は朝礼台から降りていったんだ。そしたら、校長先生の代わりに朝礼台に登った人が
「校長先生。『ありがたい』お話ありがとうございました。それでは皆さんも暑いでしょうし、すぐに仮設テントに戻って下さいね。あっ、でも最初の種目は鬼ごっこ玉入れなので、鬼ごっこ玉入れに参加する人は戻らないでくださいね」
って言って皆を笑わせていたんだよね。あの人は確か生徒会長の……、え~っと……。うん、生徒会長さんでいいや。
それにしても、『ありがたい』っていうのだけかなり強調していたような気がするけど、もし気のせいじゃなかったら堂々と校長先生に対して嫌味を言ったってことだよね?本当にそうならかなり肝が据わってるよね?あっ、でもそれくらい肝が据わってなかったら生徒会長は出来ないのかな?
まぁ、気になるところだけど、それよりも早く仮設テントに戻らないとね。そろそろ辛くなってきたしね。
「それじゃあ、僕はテントに戻ってるね。優花ちゃんも真琴も頑張って!」
「もちろん!!」
「えぇ、頑張ってきます」
2人がそう言って入場口に向かったのを確認した僕は仮設テントに戻ったのであった。
…………
……
「それでは今から鬼ごっこ玉入れを開始するんだな。ルールはとにかく籠を背負った人を追いかけて玉を入れるだけなんだな。もちろん籠を持っている人の進行を妨害することはもちろん、手で籠を掴むのは禁止なんだな。では、2年A組と1年B組の試合を開始するから選手は入場するんだな」
そう先生が言った後真琴たちが試合会場って言ってもグラウンドの中心なだけだけど、そこに入ってきたんだ。あっ、鬼ごっこ玉入れは男女合同種目なんだ。他の種目は全部男女別なのに、この種目だけは合同種目なんだよね。分けた方がいいと思うのに何で合同なんだろうね?やっぱり分けちゃうと人数が少なくなりすぎるからなのかな?それとも玉1つで得点1点分だから、点数に差が開きすぎるのも良くないと思ったのかな?まぁ、僕が気にしても仕方がないことなんだけどね……。
そんなことを考えながら真琴たちはどこかなって探していると丁度真琴と優花ちゃんが小野君と丘神君で何かを話しながら入ってくる姿を見つけたんだ。やっぱり誰が籠を持つとかどういった作戦で行くとかいう相談なのかな?少し気になるけど、選手じゃない僕は聞きにいけないしね……。
っと、それで対戦相手の方は……確か今鬼ごっこ玉入れの進行役兼監督をしているところのクラスだったかな。やっぱり1年上の先輩っていうのもあって皆大きいんだよね……。それでもこっちには真琴と優花ちゃん、それに小野君がいるから何とかなるよね!丘神君も……どれくらい運動出来るのかはわからないけど、きっと運動神経が良いに違いないはず!
真琴たちが勝てますようにって願っていると、選手たちが全員集まったのを確認した監督の先生が
「うむ。素早く集まるのは感心なんだな。それではこのピストルがなったら開始だから用意するんだな」
そう言ってから監督の先生はピストルを構えている方の手を挙げ
「スタートなんだな!」
ピストルを鳴らし、試合が開始したのであった。
…………
……
「あれ?何だか様子がおかしくない?」
僕たちのクラスで籠を持っているのは小野君だったんだけど、明らかに小野君の周りに進行妨害になるように対戦相手の人たちがいたんだ。
「あれって不正じゃないの?」
僕は思わずそう呟いたんだ。まぁ普段話している真琴たちは皆この種目に出ているから誰も答えてくれなかったけど……。
「あっ、今絶対に籠を掴んだ!!」
今までは偶々小野君が向かっている方にいただけだという言い訳が何とか通じるかどうかってところだったんだけど、今のは確実に小野君が背負っている籠を誰かが掴んでいたんだよね。
僕以外にもそれに気がついたみたいで、テントの中はざわざわとざわめきが起きていたんだ。
真琴たちもそれに気付いたみたいで監督の先生に向かって何か言っていたんだけど、監督の先生は首を横に振ってから何か言い返していたんだけど、状況から見るに真琴たちの抗議は却下されていたんだよね……。
それでも皆諦めずに頑張っていたんだけど、やっぱり逃げる役の小野君が完全に足止めされている状態ではどうすることも出来ずに試合終了のピストルが無情にも響き渡ったのであった……。
…………
……
「え~、138対79で2年A組の勝ちなんだな。次は1年A組と……」
監督の先生が次の試合のアナウンスをしていると皆がテントに帰ってきたんだ。
「あぁ、もう!本当に何なのよ!!相手は不正しかしてないじゃない!!」
「あれはさすがに酷すぎますね……。こちらの抗議は完全に却下されましたし……」
真琴はイライラしながら、そして優花ちゃんは少し落胆した様子でそう言っていた。
その様子に対して僕は
「ちなみに何だけど、どういった感じに抗議したの?」
出来るだけ皆の様子には触れないようにしながら抗議の内容について尋ねたんだ。イライラするのは仕方ないことだし。それに、皆が試合の途中にも関わらずに監督の先生の所へ行って抗議しに言った内容も気になるしね。丁度僕たちのテントとは真逆のポジションで、周りがうるさかったのもあって内容までは聞き取れてなかったし……。
「まぁ、簡潔に言えば向こうのクラスが不正しているから一時中断するか、相手を反則負けにしてくれって言ったんじゃよ」
僕の質問に丘神君がそう返してくれたんだよね。
「それに対してどう返ってきたの?」
「どうもこうもないのぅ。俺のクラスは不正していない!しているというならその不正しているやつの名前を言ってみろって言ってきたんじゃよ。先輩の名前なんてわかるわけがないからそれに対して言い返せなくてのぅ。実力行使で不正を働いたやつを先生の前に連れて行こうと思ったんじゃが、その前にこれ以上の抗議は禁止を言い渡されてしまってな……。後は知っての通りじゃ」
「うわぁ……」
余りの対応過ぎて、思わず絶句していると
「はぁ~。こうなることを見越して籠持ちを小野にしたんだけど、ここまで酷いとは誤算だったわよ」
「ほんまにな。精々服を引っ張るとか露骨に進行方向を妨害してくる程度やと思っとったんやけど、まさかここまでしてくるとは思わんかったわ」
「えっと?どういうこと?」
あの試合開始前の話し合いっぽいあれのことかな?
「まぁ対戦相手は試合監督のクラスじゃったからな。少なからず不正は働いてくると思ったんじゃよ。じゃから最初は俺が持つ予定だったんじゃが、力のある小野に持ってもらうことにしたんじゃ」
「結局無駄に終わってしまったがの……」って肩をすくめながら丘神君はそう言った。
それに対してどう返していいかわからずに黙っていたんだ。そしたら
「あぁっ!!やっぱり納得いかない!!」
理不尽な敗北に全然納得行かない真琴がそう叫び、誰もがそれを止めずにいると
「やっぱり荒れてるな」
って声が後ろから飛んできて、その声につられるように後ろを振り向くと
「よぅ」
って片手を挙げながら健吾が僕たちのテントに入ってきていたんだ。
とにかくこの種目の監督の先生はゲスいキャラにって思っていたら、想像以上にゲスい先生になってしまった気がする(・ω・;`)




