章間⑨ 中間テスト前勉強
中間テストがあったという事実を作りたかっただけ回
最近、さすがにストーリーが進まなすぎている気がするので、中間テストの部分はササっと終わらせちゃいました。
中間テストがあったという事実が大切なんです……。
GWが明け、中間テストが迫ったとある日の放課後の教室の一角にて……
「さぁ、それじゃあテスト勉強を始めるわよ!」
「うん、そうだね。でも何でテスト勉強をするのにそんなにテンション高いの?」
真琴がかなりハイテンションでそう宣言したから僕がそう突っ込むと
「そりゃあ、こんな面白くもないものは無理矢理にでもテンションをあげていかないと何も始められないからに決まってるでしょ?」
「そ、そうなんだ……。そういえばGWの宿題のときもそう言ってたね……」
なんでそこまで勉強をするのが嫌なんだろ?まぁ、確かに勉強は好きにはなれないけどさ?
そんなことを考えていると
「そんなことよりも、真琴の気が変わらないうちに始めませんか?」
「そうやな。早く重要なところだけでも教えてもらわんと赤点取ってしまいかねんからな」
優花ちゃんがそう言ってきて、小野君がそれに賛同していた。って小野君?
「それはあんただけでしょうが。っていうかそもそもなんでいるのよ?」
「そりゃあ、試験の1週間前から部活は休みやからな。今しか勉強するタイミングがないからに決まっとるやんけ」
「……で?あんたがここにいる理由を聞いているんだけど?」
「そりゃあ、俺より賢いお前らに教えてもらおうと……」
「あたしたちも試験勉強するって言ってるでしょ……。それに、教えるとしてもただで教えると思っているのかしらね?」
何で小野君がいるのかは真琴も気になっていたらしく、真琴が聞いてくれたところ、完全におこぼれをもらうつもりだったみたい。そうだとしても、そこまでハッキリと言わなくてもいいと思うんだけどなぁ。まぁ、僕もこのメンバーだと教えることの方が圧倒的に少ないだろうから、僕は何も言わないけどね。
僕はそのまま成り行きを見守っていると
「ぐっ……。それやったら昼食3日分でどうや?」
「その程度じゃ話にもならないわ。7日分ってところかしらね」
「さすがにそれは多すぎやないか!?」
「何よ?何か文句あるわけ?」
「どうにか日にち減らしてもらえへんか?」
「嫌よ」
「ぐっ……。そこをなんとか。この通りや」
小野君がすごい勢いで頭を下げて真琴に頼み込んでいたんだよね。真琴もそこまでされたからか
「……仕方ないわね。じゃあ間を取って5日にしてあげるわ」
妥協案を出したんだ。すると小野君は
「マジか!これで少しは金の消費を抑えられるわ」
少しでも日数が減ったことが嬉しかったのか、かなり喜んでいたんだんだけど
「ただし、あたし達3人分全員奢ってもらうから。そういうことでよろしく♪」
「えっ!?」
「さぁ、さっさと始めるわよ!テストなんて先生の好きな傾向さえ抑えてしまえば楽勝なんだから、すぐに終わらせましょう」
最後にさらって爆弾発言をしてから真琴は試験勉強を始めちゃったんだよね。上げてから落とすとは……。小野君に対して真琴マジで容赦なさ過ぎるよ……。
まぁ、小野君は自分で解くつもりはなかったみたいだから自業自得のところがあるから仕方ないよね。真琴はともかく、いつの間にか優花ちゃんまで試験勉強し始めているし、僕も始めないとね。
僕はそう思いながら教科書を開いたのであった。
…………
……
「ねぇ、ここ何だけど、どうやって解くかわかる?」
「えっと、これはですね。ここの公式をこのように応用すれば……」
そう言って、優花ちゃんは実際に数式を書いてくれてから
「このように解くことが出来ますよ」
「あぁ、なるほど!優華ちゃんありがとう」
解き方を教えてくれた優花ちゃんに僕はお礼を言ってから再び問題に取り組もうとしたところで
「だぁぁ!!こんなん覚え切れるかい!!」
急に小野君が頭をぐしゃぐしゃとかきながら騒ぎ出したんだ。そしたら
「うっさい!」
案の定、真琴が小野君を殴っていたんだ。
「いってぇ!?篠宮てめぇ!なにしやがる!」
「うっさいのよ!!ギャーギャー騒ぐならどこか違うところでしてきなさいよ!!」
「ぐっ……。やけど、社会といい、理科といい覚えること多すぎやねん!こんなん覚えきれるわけないやろ!!」
確かに全部は覚えきれないよね……。僕も基本的にヤマを張ってテストには挑んでいるし。まぁ、そのおかげでいつも成績はよくはないけど……。
「無視してもいいんだけど、このまま騒がれると面倒くさいし……。はぁ~……。仕方ない。小野。まさかとは思うけど、そのまま覚えようとしてるわけじゃないわよね?」
って真琴が面倒そうに小野君に対してそう言っていた。え?もしかして覚え方にもコツがあるの?小野君もそう思ったのか
「なんや?最初のところが少し気にならんでもないが……。それよりも、そのままってどういう意味や?こんなん1つずつ覚えていくしかあらへんやろ?」
「やっぱりか……。あんな量を1つずつなんて覚えれるわけがないでしょうに」
「せやろ?ん?でも篠宮は社会とかの成績もよかったよな。なんかコツでもあるんか?」
真琴に対してそう聞いていたんだけど
「まぁコツはあるにはあるけど。教えないわよ?」
「なんでや!?」
「そりゃあ教えるのが面倒くさいからよ。それにあたしも教えれるほど暗記は得意じゃないし。詳しくは空元君にでも聞きなさい」
真琴はそう言ってから視線をズラした先を目で追うと、そこには黙々と勉強をしている空元君がいたんだ……。また気付けなかったよ……。僕でもすぐに気付けるように出来れば会話には参加してほしいんだけど……。
っと、それよりも覚えるコツだよね。僕もそんなのがあるなら教えてほしいから空元君が言ってくれるだろう言葉に耳を傾けると
「今まで散々ボクのことをスルーしておいて、こういうときだけボクに話しかけるんスね……。いいッスよ。どうせボクなんてそんな役割ッスから……」
ってブツブツ文句を言っていた。あはは……。言い返せないや……」
「ア、アハハ……。出来たら僕からもお願いしたいな……なんて?」
って僕が空元君に向かって手を合わせてお願いのポーズを取ると
「まぁ、いいッスよ。ただ今度から出来るだけ早くボクのことに気付けるようにしてくれれば……。だから篠宮さんもワザワザ熱海さんに教えようと思わなくてもいいッス」
「ちっ……。気付いていたか」
って空元君から指摘を受けた真琴が椅子に座りなおしていた。それを確認した空元君が
「それじゃあ、コツってよりもボクがいつも使っている方法ってなだけなんスけど。それと、あともう1つ知っている方法についていうッスよ。まずは……」
そう言って空元君が説明してくれた方法は
1つ目はとにかく単語と単語を関連つけていく方法なんだって。まず大元となる単語を一番下において、そこから関連していく単語を繋げていって、まるで木のような関係図を作ることで、まとめて覚えてしまう方法みたい。昔、今まで余り勉強してこなかった高校生を国立の一流大学に合格させようするっていう漫画にこの方法が紹介されていたらしくて、試してみたところ成果が出たからずっとしてるんだって。
もう1つは、1つ目とほぼ同じだったんだけど、とにかく自分の好きなことに無理矢理にでも関連つけていくんだって。そうすれば、覚えるときの抵抗も少なくなるし、覚えた後はすぐに思い出せるようになるから便利なんだって。
ちなみに、折角この2つは似ているんだし、両方を同時にすればもっと早く覚えられるんじゃない?って聞いたんだけど、それをするにはスペースが足らなくなってしまって物理的に無理だったんだって、空元君が少し遠い目をしながら答えてくれたんだ。あっ、やっぱり試してみてはいたのね……。
あと、問題点としてはそれを作るのに時間がかかるから、前もって準備しておく必要があるんだって。
ってことは今回はもう間に合わないっぽいね……。
期末のときには頑張ってみようかな、うん。
その後、国語とか英語とかの勉強の仕方の話にもなったんだけど、真琴があんなもの先生のテスト出題傾向を見切ってするだけのものだって言ったり、優華ちゃんがそれに対して、文章の読み方とか色々教えてくれたんだけど、まぁそれは別にいいよね。っていうよりは僕が結局その教えてくれた方法を実戦出来そうにもなかったしね……。
その後、結局数学の見直しの続きをしていると、下校の時間に来てしまった僕たちはそのまま帰路について、各自で最後の追い上げをしたのであった。
あっ、ちなみにちゃんと真琴も優花ちゃんも小野君に勉強を教えていたんだよ?公式の使い方とか、英語の文法とかさ。僕も一応教えられそうなところは教えようと思ったんだけど、小野君がわからなかったところはほぼ僕もわからなかったんだよね……。精進が必要だと思ったよ……、うん。
まぁ、そんなこんなで無事?にテスト対策が出来た僕たちは何とか中間テストを乗り切ったのであった。これでもう少ししたら体育祭なんだよね。楽しみだなぁ。
え?僕の結果だって?
平均点はあったよ?平均点は……ね……。
皆からテスト勉強の仕方は色々と聞いたんだし、期末では挽回してやるんだから!!
<中間テスト前勉強 END>
ほんの一瞬でしたが、小野君と空元君の久し振りの登場でした。
この2人も当初はもっと絡ませようとしていたのですが、4人とか5人で同時に会話をさせようと思うと作者の文章力では中々に難しかったんです……(・ω・`)
今後は出来るだけ絡ませていこうとは思っていますが、出来なかったらすいません。




