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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第二章 一学期編
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38話 GW【後半】③

【追記】指摘のあったところを修正

「はぁ……っ!!はぁ……っ!!」


「がんばれ!後その角を曲がれば大丈夫だから!」


「はぁ……っ、んっ、わかったっ!!」


健吾の言葉を聞いて、最後の気力を振り絞った僕は(ほとんど引っ張られていただけだけど……)曲がり角を曲がってすぐの建物の中に入ったんだ。


「桝岡さん庇ってください!!」


「あれ?健吾君またなの?ってその子は……」


「後で説明しますから、今はお願いします!!」


「仕方ないわねぇ……。早くこっちにいらっしゃい」


「あざっす!ほら、京もこっちに」


「う、うん……」


健吾に促されるようにカウンターの奥に言ってから少し時間が経ったころ


「すいません。あの、少しよろしいでしょうか?」


って誰かがこの建物の中に入ってきたんだよね。この声からしてたぶん真琴かな?


「いらっしゃい。何か御用かしら?もしかして迷子になっちゃったとか?確かにメイン通りからは外れてるけど迷うほどのところではないと思っていたんだけど……?」


「いえ……。そういうわけではないんですけど……っ!!男の子と女の子のカップルを見ませんでしたか?男の子の方は万人受けしそうな活発そうな子で、女の子の方は白くて長い髪をしたとっても可愛い子なんですけど……?」


「ふむ……。男の子の方は少し曖昧だから特定はし辛いけど、女の子の方はとても特徴的だから見かけたらすぐにわかりそうね。でも、残念だけど、今日は()()()()は見てないかなぁ?」


「そうですか……。すいません。ありがとうございました」


「あら?折角来たのに、もう帰っちゃうの?ここは一杯くらいどう?」


「すいません。人を探しているので……」


「ふふ、そんな申し訳なさそうな顔をしなくても大丈夫よ。道を聞きにこのお店に入ってくる人もよくいるから、これもそれと似たようなものだしね。まぁ、ここは喫茶店であって、道案内場所ではないんだけどね」


「本当にすいません。それでは失礼します」


って会話が聞こえて、ドアの開いた音がしたっていうことは真琴たちが出て行ったのかな?

そう思ったところで


「もう行ったから大丈夫よ?」


って声をかけられて、僕たちはカウンターの奥から出てきたんだ。


「えっと……。ありがとうございます。でも、よかったんですか?」


「うん?何がかな?」


「えっと……。何も買っていかなかったとはいえ、お客だった真琴に嘘をついちゃって?」


「え?私は嘘をついたつもりはなかったけど……?」


「えっ……?」


お店の人……え~っと、桝岡さんだったっけ?の人の言葉に戸惑っていると


「ほら、桝岡さんの言葉を思い出してみろよ?今日は()()()()は見てないって言っていただろ?」


「あっ……」


そう言えば真琴の質問に対して直接じゃなくてそんな感じに返していたね……。でも


「どうして僕たちがカップルじゃないってわかったんだろ?」


ふと頭に浮かんだ疑問をそのまま口に出したんだ。だって……、僕としては嬉しいんだけど、『見た目』は男の子と女の子が2人でいるんだから大体は勘違いされると思っていたんだけどね……。

僕の疑問は桝岡さんの耳にも届いたみたいで


「まぁ、もちろん最初はそうかなぁって思ったんだけどね。でもすぐにそうじゃないっていうのはわかったよ?どっちかっていうと友達って感じだよね?」


「あっ、はい。そうですけど……」


「だよね?よかったぁ。健吾君もこうなることになる可能性があるなら事前に連絡しておいてって言ってあったんだけどなぁ」


「うっ……。今回はこうなる可能性がかなり低いと思っていたんで……」


「まぁ……、いつものことだからいいけどね。君もそう思うでしょ?えっと……、京ちゃんであってるかな?」


「えっ?何で僕の名前を……?」


桝岡さんが僕の名前を言い当ててきたから、僕は思わずビックリしながらそう返すと


「まぁ、君の事は前から健吾君から聞いていたしね。見た目の特徴もあってるからすぐわったよ?あっ、それで私の名前は桝岡(ますおか)(めぐみ)って言うの。改めて宜しくね」


「は、はい!!こちらこそ宜しくお願いしましゅ!!」


うわぁ……。桝岡さんが自己紹介してくれたから、すぐに返そうとしたら噛んじゃったよぅ……。うぅ、恥ずかしすぎる……。穴があったら入りたい……。

あまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら俯いていると


「本当に聞いたままの可愛らしい子ね」


ってニコニコしながら言ってきたんだ。


「コホン。えっと……、少し前から気になっていたんですが、前から僕のことを知っていたんですか?」


少し前の会話から僕のことを以前から知っているような口ぶりが気になった僕は話を変えるという意味合いを兼ねて聞いてみたんだ。たぶんまだ顔から赤みが抜けてないと思うけど、そこは気にしない、キニシナイ……


「えぇ。って言っても健吾君から聞いただけなんだけどね?」


「そ、そうなんですか……。っということはやっぱり健吾とは以前からの知り合いなんですか?」


「えぇ、健吾君は以前から知ってるわ。……ところで君は健吾君と私の関係について気になったりしてるのかな?」


「えっ!?そ、それは少し気にはなりますけど……。も、もしかして健吾の彼女さんだったりするんですか?」


健吾って僕と違って中学のときからかなりモテていたからね。でも、皆断ったっていうのは聞いていたんだけど、その理由がもうすでに彼女がいるからっていうならある意味納得できるもんね。それに、桝岡さんが彼女だったらからこそ僕たちがカップルじゃないってわかったって考えれば僕の中で色々と繋がるしね。

そう自分なりの結論に辿りつこうとしていると


「あら?よくわかったね?その通「んなわけあるかっ!」……もう少し粘ってもよくない?」


桝岡さんが僕の予想通り肯定したって思った瞬間健吾が否定してきたんだよね。

それで、健吾の方を向くと


「いや、違うから。本当に桝岡さんとはそういうのじゃないから」


ってすごい必死に否定していたんだ。


「……そこまで必死だと、逆に怪しいんだけど?」


あまりに必死だから、思わずそう聞くと


「いやいやいや!!本当に違うから!桝岡さんは俺の従姉なんだよ!!」


「え?従姉?」


予想外な答えに桝岡さんの方を見ると、桝岡さんは頬をポリポリかきながら


「あちゃあ……。バレちゃったかー。もうちょっと引っ張れると思ったんだけどねー」


って言ってきたんだ。それからさすがに僕をからかったのは悪いと思ったのか


「コホン。まぁ健吾君の言う通り、私は健吾君の従姉なのでしたー」


少し間を取るようにワザとらしくコホンと咳払いしてから健吾が言ったことを認めたんだよね。何で皆僕をからかおうと思うんだろうね?最近少しでも仲良くなった人からは大体からかわれていることを思い出して溜息をついていると、桝岡さんが僕の方に近寄ってきて


「本当に彼女じゃないから安心していいよ?」


って耳打ちしてきたんだ。僕はすぐに桝岡さんから距離をとってから


「だから健吾とはそうことじゃないんですって!!」


って否定したんだ。すると健吾が


「どうした?顔が赤いが……?また桝岡さんにからかわれたのか?」


って聞いてきて


「何でもないよ!!ほらっ!もう真琴たちも何処かに行ったみたいだし、早く目的の場所に行こうよ!!桝岡さん、匿ってくれてありがとうございました」


ここに居たらずっと桝岡さんに弄られそうだからね……。そう思った僕は健吾の背中を押して外に出ようと思ったんだよね。健吾もそれを察してくれたのか


「まぁ、確かにずっとここにいるのもアレだしな。それじゃあ桝岡さん、今日は助かったよ。お礼はまた今度にするから」


って言ってくれて、僕たちは店の外に出たのであった。


…………

……


「それで、どこ向かってるの?」


店から出て少し歩いたところで、どこに向かっているかを聞いていなかったことを思い出した僕が健吾にそう尋ねると、健吾からこう帰ってきたんだ。


「あぁ、すまん。言ってなかったな。今向かっている場所は中学最後のリベンジさ」


「……はい?」


どういうこと?

京ちゃんの服装については次の話でふれる予定です。

断じて忘れているわけではないので、安心?してください。


何か誤字脱字報告・意見等々ありましたら、コメント欄に残していっていただけたなら幸いです。

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