36話 GW【後半】
ここからGWの後半戦です。
え?まだGWが続くのかって?
すいません、もう暫くお付き合いください(・ω・`)
ピピピピッ。ピピピピッ。
「ん……」
目覚ましの音で起きた僕はすぐに目覚ましを止めた。
「はぁ……。ついに朝が来ちゃったかぁ……」
お母さんにも話を通されちゃっているし、やっぱり真琴と優花ちゃんが選んだ服を着ないと行けないよね……。一番怖いのが、まだお母さんに教えてもらえてなくて、どんな服を着ないといけないのかわからないってことなんだ。スカートは自分からじゃまず穿かないしって思って、全然気にも留めていなかったことがここに来て自分に返ってくるとは……。把握していれば、ここに無い服が着ないといけない服っていう風に予想出来たのに……、って言っても後の祭りだよね……。ハァ……。
「……とりあえず、朝ごはんの用意でもって、ん?」
朝ごはんの用意をしようと思って立ち上がると、ふと携帯にメールが届いているのに気がついたんだよね。それで、メールの中身を確認すると、健吾からメールが届いていたんだ。メールが届いていたのが時間的に僕が寝てすぐ後くらいで、内容が
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件名:明日のことなんだが
~本文~
伝え忘れていたんだが、明日は10時の駅前に集合で頼む
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って内容だったんだよね。
集合時間はともかく、何で場所まで指定したんだろうね?
いままで遊びに行くときは日にちだけは事前に決めて、健吾が僕の家に来て、寝てる僕を構わず叩き起こしてくるって感じだったんだけどなぁ。
どういう心境の変化なんだろ……?う~ん…………
急に律儀に連絡を入れてきた理由について悩んでいるときに、ふと時計が視界に入ったんだよね。それで、時計が示していた時間が、いつも朝ごはんの準備を始める時間から20分くらい経っていたんだよね。
「あっ、やばっ!?急いで準備しなくちゃ!!」
だから僕は急いで朝ごはんの準備を始めたのであった。
…………
……
「あら?今日はいつもよりシンプルなのね?何かあったの?」
「え~っとね?朝は普段通り起きたんだけど、ちょっと考え事をしてたら時間が経っちゃってて……」
健吾と遊ぶだけなはずなのに、今までと違うことがあって、そのことで悩んでいたなんて言えるはずもない僕がそう答えると
「なるほどね……。そんなに健吾君とのデートが楽しみだったのかしら?」
「ちょっ!?だからデートなんかじゃ「デートって何だよ!?」……」
お母さんがそんなことを言ってくるもんだから、すかさず否定しようとしたところで修兄が突っかかってきたんだよね。
「俺の大事な京がどこぞの馬の骨とも「修矢は黙ってなさい」……はい」
でも、お母さんがたしなめようとしたところで、すぐに言うのをやめて、お母さんの手の届かないところまで下がったんだよね。そこを学習するなら余計なことを言うのを止めたらいいのにね。あと、俺のとか……、冗談なんだろうけど、僕は誰のものでもないんだし、そういう表現は止めてほしいんだけどなぁ。お母さんに言ったらやめてくれ……いや、むしろ便乗するよね、絶対。
「そ、そんなことより、本当にデートなんかじゃないんだからね?今まで通り、健吾と一緒に遊ぶだけなんだし」
やっと反論できる雰囲気になったから、改めてそう口にすると
「あら?男と女が2人だけで出かけるのよ?これをデートと言わずして、何をデートと言うのかしらねぇ」
「だ・か・らっ!!僕は男だから!!」
そう言ってきたから、僕もキッチリとそう返しておいたんだ。何で皆すぐデートってことにしたがるんだろうね?ただ見た目が変わっちゃっただけ……まぁ、それが一番の問題で、出来るだけ早く元に戻したいことなんだけどね……。
「そうは言ってもね?こんな服を着る子が本当に男の子なのかしらね?」
そう言って、どこから取り出したのか、昨日優花ちゃんたちが選んだのであろう服が入ってある紙袋を手に持ちながらお母さんがそう言ってきたんだよね……。
「うっ……。それはそうだけどさ……。っていうより、そろそろその服がどういうものなのか気になるんだけど……」
着るにもね、やっぱり心構えというか覚悟がいるしね。出来れば昨日中には知っておきたかったけど、どれだけ頼んでも見せてもらえなかったんだよね……。
「……ハァ。クローゼットの中のお洋服を確認したらわかるはずなのにねぇ。自分が着る服くらい把握しておきなさいよ?」
「そ、そうなんだけどさぁ……。これからは気をつけるからさ、出来れば早く教えてくれると助かるんだけど……」
「まぁ、今教えてもいいけど……。とりあえずは朝ごはんの片付けが終わったら教えるわ」
「うんっ、わかった!約束だからね!!」
「まぁ、その時間には渡さないと間に合わないようになるかも……って、もう聞いてないみたいね」
お母さんが何か言っていた気がしなくもないけど、そんなことより早く片付けをしないとね!!
まだご飯を食べている途中であった修兄には悪いと思いながらも僕は片付けの準備を始めたのであった。
それで余談なんだけど、片付けをしている最中に修兄が近寄ってきたんだ。何事かと思ったら
「京、いいか。デートなんか俺が絶対に認めな「修矢もしつこいわね?」ブヘェ!?」
って言ってきたんだけど、お母さんの耳にも届いたみたいで、キッチリ殴られていたんだよね。
少しは学習したのかなって思ったけど、やっぱり修兄は修兄だったよ……。余計なことを言えばお母さんに咎められるってわかっているはずなのに、何で言うのかなぁ?
後、どれだけ違うって言っても皆はデートとしかとらえてくれないのは本当にどうにかならないかなぁ。
そんなこと思いながら僕は朝ごはんの片付けを再開したのであった。
…………
……
「京ちゃん、忘れ物はない?」
「うん……。大丈夫だよ……」
しっかりと帽子も被ったし、日焼け止めもしっかり塗ったし……、荷物も……うん、大丈夫。大丈夫……なんだけど……
「……ハァ」
「さっきから全然元気がないけど、今の格好の京ちゃんはいつも以上に可愛いから大丈夫よ?」
「そうは言ってもね……」
僕からしたら全然嬉しくないんだけどね……。そう思いながら今着ている服の裾をヒラヒラさせていると
「あら、はしたない。そういうところも教育したつもりだったけど、再教育が必要かしらね?」
って、眼をギラリしさせながらお母さんが言ってきたんだ。だから僕は慌てて
「だ、大丈夫だよ!!家の中だから気が抜けちゃって思わずしちゃっただけで、外では絶対しないから!!」
って、言うと
「……本当でしょうね?」
「もちろん!!」
お母さんがこちらを疑うような眼をしながら言ってきたから僕はすぐに肯定したんだ。あの教育は出来ればもう二度と受けたくないからね。あれは本当に地獄だったしね……。
「まぁ……。今はその言葉を信じてあげるわね。でも、次にそんなことをしていたのを見つけたら問答無用で再教育するからね?」
「はい……。肝に銘じておきます……」
「よろしい。それじゃあ、気をつけていってらっしゃい。知らない人にはついていってはダメだからね?」
「それくらいさすがにわかってるよ!それじゃあ、いっています!」
そうお母さんに言ってから、僕は集合場所に向かったのであった。
区切りがいいので、今回はここまでです。
健吾君は次の話から出てきます。
あと、京ちゃんの父親も一緒に朝ごはんは食べていました。ただ、いつもは服を着替えている京ちゃんが寝巻きの姿で朝ごはんを食べていたことが逆に新鮮で涙を流し、家族全員からスルーされていただけで……。
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