35話 GW【前半】⑦
10日に投稿するつもりだったんですが、間に合わなかった……(・ω・`)
【追記】多少の誤字を修正・及び文章を少しだけ付け足しました。内容的には全く変わっていませんので、大丈夫?です。
「ん……」
ふと気がつくと、そこには見たことがない天井が……じゃなくて、
「もしかして寝ちゃってた……?」
真琴に奇跡的に勝てたのは覚えているんだけど、そこから記憶が無いんだよね……。
それなのに、今はベッドの上で寝ているってことは、もしかして真琴と優花ちゃんに運んでもらっちゃった?
うわぁ……。想像しただけでもそのシチュエーション恥ずかしいんだけど……っ!!それに、ゲームで疲れ果てて寝るとか子供か僕は!!
って、あれ?でも僕がベッドで寝てるなら、優花ちゃんと真琴は……?って思って、2人の姿を探そうと思って身体を起そうとしたんだけど……
「……あれ?動けない……?」
金縛り!?って思ったけど、身体を動かそうとすると、縛られて動けないっていうよりは、何か両腕を掴まれてるから動けないような……。
そう思い、視線を横に向けると
「なっ……!?」
優花ちゃんが寝ていたんだよね、僕の腕を抱くような形で……。
優花ちゃんがあまりにも無防備に寝ているから、見ているのはマズいと思った僕は反対側に顔を背けたんだけど……
「っ!?」
反対側には真琴が僕の腕を抱いたまま寝ていたんだ。
「なっ!?ななななななななっ!?」
「ん……。何ようるわいわねぇ……って、あぁ、どうだった?ビックリし「きゅう……」た……?ってあれ?」
僕の声に起きたのであろう真琴が何か言っていた気がするけど、状況が整理しきれなかった僕は気を失ったのであった……。
………………
…………
……
「ん……」
あれ?僕さっき起きなかったっけ?それで、僕の左右に……って、いやっ、あれは夢なはずっ!!うん!あれは夢だったんだっ!!僕の両隣で優花ちゃんと真琴が寝ていたなんて現実ではありえないもんね!!今僕の頭の後ろが妙に柔らかいのも夢……
「って、柔らか……い……?」
「あっ、おはようございます、京さん」
そう言いながら、優花ちゃんは僕の顔を上から覗き込んできたんだ。
あれ!?この体勢って完全に……。ってことは今僕の頭の下にあるのは優花ちゃんの……!?
「ふ、ふぇっ!?なっ!?ななな「はい、ストォップッ!!」な……な……?」
頭の中がパニックになって、目の前が真っ白になりそうだったんだけど、その前に真琴に両方の頬に手をパチンって当てられたんだよね。地味に痛かった……。けど、それのおかげで目の前が真っ白になることはなくなったんだけど、それでも状況が理解できずに目をパチクリさせていると……
「はいはい、少しは落ち着きなさい?もう、ビックリしたわよ。折角悪巧みが成功して、いざからかおうと思ったら気絶しちゃうんだもの」
って、真琴が言ってきたんだ。けど、それは
「ってことは……。真琴と優花ちゃんが僕の腕に抱きついていたのは……」
夢じゃなくて現実だったってことだよね?思わずそう呟くと
「えぇ、もちろん夢じゃなくて現実よ?それにしても、まさか腕に抱きついただけで気絶するとはねぇ……。さすがにアレは予想外だったわ」
しっかりと耳に届いていたみたいで、真琴が呆れながらそう僕の考えを肯定しちゃってくれたんだよね。
「いや、朝起きたら女の子が両隣に、しかも腕に抱きついた形で寝てるんだよ?普通ビックリすると思うんだけど?」
「……なんで?」
「……なんで?ってなんで?」
「…………ハァ。前から思っていたけど、京、あなた、同性への耐性っていうべきなのかしらね?低すぎない?」
「えっ?ど、どうして?」
「いや、だって……ねぇ」
そう言って真琴が優花ちゃんの方に視線を投げると
「どうしてそこで私に振るのですか……。ですが、そこは確かに気になるところですよね。過去のことを掘り起こしたりするつもりはないのですが、寝起きとはいえ、同性に抱きつかれただけですのに気絶までするのは……」
優花ちゃんが溜息をつきながらそう言ったんだよね。いや、確かに気絶までしたのはおかしいかもしれないけどさ?それでも普通に考えたらビックリするじゃない?逆に男だったら……、うん、想像するだけでもヒドいからやめておこう、うん。
でも、本当のことは言えないしね……。まぁ、言えたとしても信じてもらえないとは思うけどね……。
「た、確かに気絶までしたのは悪かったと思うけどさ……。友達の家にお泊りとか初めてだったし……」
なんとか頑張ってそれっぽい言い訳を言ってみたんだけど、さすがに苦しいかな?でも友達の家に泊まるっていうのは実際今まで健吾を除いたらなかったんだよね……。家にはよく呼ばれたんだけど、どれだけ盛り上がっても何でか泊まるっていう流れにはまずならなかったんだよね。今思えば少しおかしい気がしなくもないけど……、まぁ今更どうでもいいよね。
「そ、そうなんだ……。あっ、そうだ!!これから予定なんだけど……」
「とりあえず、昼食をどこかでとってから京さんの家に行かさせてもらいましょうか」
お泊りが初めてっていうのを聞いて、何かを感じたんだろうけど、露骨に話を変えてきたんだよね。たぶん、僕がほとんど友達いなかったとか思ったんだろうけど、否定しちゃうとまた話が難しくなるからもうそれでいいやってことでその流れに乗ることにしたんだ。
「わかった。それじゃあ、とりあえず準備をしようか」
まだ起きたときの姿のままだった僕たちは外に出るための準備をし始めたのであった。
………………
…………
……
「いらっしゃい。真琴ちゃんに優花ちゃんね。それじゃあ、京ちゃんのコーディネートは任せたわ。おばさんの言うことじゃ、京ちゃんが全然聞いてくれないからねぇ……。あなた達2人が頼りなのよ」
「おじゃまします。えぇ、任せて下さい」
「おじゃましまーす。もちろん!あたし達に任せてもらえたら完璧に仕上げますよ!」
「ふふっ。ありがとうね。ほら、京ちゃんもお礼を言いなさい」
「いや、お礼を言う意味がわからないし、お母さんと2人が普通に話しているのも理解出来ないんだけど、一応初対面だったよね?」
「えぇ、そうよ?でも2人とは前からメールでやり取りはしていたからねぇ……」
「そうですね。どのような人なのかはわかっていましたので、初対面ですが、気が楽って言えばいいんでしょうか?緊張することはなかったです」
「そうね。まぁ、あたしから言わせれば初対面だからって遠慮している方がおかしいのよ」
「うっ……」
そ、そんなこと言ったって無理なものは無理だって……。僕から言わせてもらえば、初対面の人といきなり話せる方がおかしいと思うんだけどなぁ……。何を考えているのかわからないし……。僕が普通と思っていることが、相手にとっては嫌なことだったりして嫌な顔をされたりしちゃったらもうね……。やっぱり初対面の人とはまずは様子見だよね、うん!
「そ、それより、早く僕の部屋に行かない?」
「あれ?何だかんだ言って、実は積極的だったり?」
「いや、もうさっさと決めるだけ決めて、折角僕の家に来てもらったんだし、2人と遊びたいしね」
「そ、そうですか……。では、京さんのお部屋に案内してもらってもよろしいでしょうか?」
「うん!お母さんは絶対に入ってこないでよね」
「さすがに入り浸ったりはしないわよ。それじゃあ2人とも、何もないところだけどゆっくりして言ってね」
そう言ってお母さんはリビングに戻っていった。ふぅ、これで僕の部屋には……って、あれ?今入り浸りはしないって言ってなかった?ってことはもしかして僕の部屋に来る気なんじゃ……。まぁ、そんなことはない……よね……?うん、きっとそうだよね。
「そ、それじゃあ。行こうか」
そう2人を促して、僕の部屋へと案内したのであった……。
…………
……
「ここが京さんの部屋ですか」
扉を開けて、2人を部屋に招きいれたんだけど、2人は何か納得したような顔をしていたんだけど、どうしたんだろ?
「なんていうか……」
「予想通りしていた通り、男子みたいな部屋ねぇ……」
「そ、そんなことないと思うんだけどなぁ?あっ、でも、修兄の影響を受けちゃっているからかも?」
まぁ、実際つい1・2ヶ月前まで男の子だったし、それくらい普通だと思うけど、まぁ女の子にとったら普通じゃないんだろうね……。まぁ、修兄の影響ってことにしておけばいいかな。修兄、ごめんね!
「……だからどうして疑問系なのよ?まぁ、いいわ。それで?肝心の服はどこなのかしら?」
「…………あのクローゼットの中に入ってあるよ」
「あら、そう?それじゃあ、オープン!って、うわぁ……。優花、ちょっと来て」
「はい?何ですか?呼ばれなくても……って、これはある意味凄いですね」
クローゼットの中をのぞいた2人がそう言ってきたんだけど、別におかしいところがあるとは思っていなかった僕は
「え?別におかしいところとかないと思うんだけど……」
そう呟いたんだ。そしたら
「いやいや、おかしいからっ!!」
「ここまでスカートが無いっていうの逆におかしいと思いますよ?それに、あると言っても、ほとんどがあのときに私達が買ったものじゃないですか。それ以外にも少しありますが、これは京さんのお母さんが購入なさったものでしょう?」
「えっ、いや……、まぁ……」
って、2人が言ってきて、どう反論したらいいかわからずに、しどろもどろしていると
「それにしても……、スカートの類は全然使われた形跡がないわねぇ……」
「そうですね……。ですが、だからこそ選びがいがあるというものです」
「そうね、あたし達が買ったもの以外のものとの組み合わせと色々出来そうですものね」
「えぇ。それでは、京さん、始めましょうか」
「えっと……、それじゃあ、お手柔らかにお願いしま……す……?」
僕を置いて盛り上がる2人に僕はそう返すしか出来ないのであった……。
………………
…………
……
コンコン
「皆、調子はど……ってあら?」
「あっ、京のお母さん!この組み合わせはどう思います?」
「5つくらいまでは絞れたんですが、そこから中々進まなくて……。良ければ意見を頂けませんか?」
「そうねぇ。とりあえず、残りの4つの組み合わせも見せてもらおうかしらね?それよりも京ちゃんは大丈……あぁ、またこの状態に入っているのね」
「えぇ、そうなんですよ。この状態になっちゃったら、聞き分けはすごくよくなるんだけど、反応が無くなっちゃうから面白くないんですよ」
「そうねぇ……。でも、今回は京ちゃんの意見は聞くつもりなかったんでしょ?この状態の方が都合がいいんじゃないのかしら?」
「そうですね。それでは、お願いします」
…………
……
「ふむふむ。この5つで悩んでるなら……。これをこうして……、それをこうすれば……。どうかしら?」
「あぁっ!!なるほど!!これなら確かに!!優花はどう思う?」
「そうですね……。それなら、ここをこうするのどうでしょう?」
「あぁ、それもアリね。真琴ちゃんはどう?」
「そうですね……。あたしとしては京のお母さんの方が好みかな」
「だっ、そうだけど?」
「まぁ、私もこっちもいいかもって思っただけで、京さんのお母さんの案も良いと思っていましたので、私もそれで構いませんよ」
「それじゃあ、決定ね。私がこの部屋にいると京ちゃんが怒っちゃうから、おばさんは退場しておくわね」
「あっ、ちょっと待って下さい」
「ん?何かしら?」
「えっとですね……。少しお願いが……」
………………
…………
……
「…………ハッ!?」
「あっ、やっと戻ってきたわね」
「京さん、おかえりなさい」
「えっと……?もう終わったの?」
「えぇ、とっくの昔に終わってたわよ?京が全然戻ってこないから、悪いと思っていたけど、勝手に読ませてもらっているわよ?」
そう言って、本棚の中においてあった漫画を持ちながら真琴が言ってきたんだ。
「えっと……。それは全然いいんだけど……。それで、僕の明日着る服は……?」
「あぁ、それは、京のお母さんに託したわ」
「えっ!?どういうこと!?」
「この部屋に置いておいてあったら、京さんが中身を変えてしまうかもしれませんから、京さんのお母さんにお願いしたんですよ」
「それに、楽しみは後にとっておいた方がいいでしょう?」って優花ちゃんが言ってきたんだけど
「いや、さすがにそこまではしないから」
それより、そういう発想に辿りついた2人にビックリだよ。さすがにそこまでは……ねぇ。
「さて、それじゃあ、そろそろ帰ろうかしらね」
「えっ?もう帰っちゃうの?」
「もうって言いますが、今回のあの諦めモードなんですかね?こちら側の言われるがままの状態になった京さんが元に戻るまでかなり時間が経ってしまっていたんですよ?」
2人がそう言うから時計を見ると、確かに家に帰ってきてから、かなりの時間が経過してしまっていた。
「で、でも……、少しくらいなら……」
「いや、京とゲームしたら少しじゃ終わらないのは眼に見えているから止めておくわ。さすがに2日連続お泊りってなっちゃったら、あたしも怒られるからね」
優花ちゃんならって思って、優花ちゃんの方を見たんだけど、顔を横に振られちゃったんだよね。
「そ、そう……」
結局遊べなかくて、肩を落としていると……
「あっ、でも、もう1つ決めないといけないことがあったわ!」
って、真琴が何か思いついたかのように言い出して、何かと思ったら
「あたしとしたことが、すっかり頭から抜けてたわ。折角のデートなんだから、しっかりと決めておかないといけないわね?京の勝負した「そういうのはいいからっ!!!」……ちぇー」
いきなりすごいことを言い出してきたんだよね。だから僕が声を真っ赤にして抗議すると、2人は僕から逃げるように帰っていったんだよね。もちろん、お母さんにはきっちり挨拶してたけど……。
そうして、高校生始めてのGWの2日目が終わったのであった。
目上の人との会話のときに、全員を敬語にすると、区別がかなり難しい……(・ω・`)




