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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第二章 一学期編
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章間⑦ 副委員長の願い

お風呂回だと思った?残念副委員長こと丘神勇輝君回です。

遊んでいたらギリギリになってしまいました……(・ω・`)


【追記】指摘して頂いた箇所を修正しました。

さて、どうしたもんかの……。


今は伝言ゲーム開始前にグループごとに集まって、どのように伝達するかを決めている最中なんじゃが、どうやって熱海さんに話しかけるか迷っておるんじゃ。


なぜそのようになったかというと、きっかけは颯兄、もとい牧野先生にそれとなくでいいから熱海さんをフォローしてくれって頼まれたことじゃ。俺が昔からの顔馴染みで、副委員長じゃからってのが理由なだけじゃろうから、最初は放っておこうって思ったんじゃ。実際、話が合う奴らと話している方が断然楽しいしの。

じゃが、いざ自分のグループに行こうとしたときに篠宮さんと服部さんに呼び止められてな、他のやつらから守ってほしいと頼まれたのじゃ。最初は何を言っておるのかよくわからなかったんじゃが、どうやらおかしな動きをしているやつがいるらしい。じゃからそいつらが熱海さんに手を出さないように守ってほしいらしいんじゃ。ぶっちゃけ、俺には関係の無いことだし、冗談じゃと思って断ろうと思ったんじゃが、2人の顔を見たときに、とてもじゃないが冗談を言っているような顔じゃなかったんじゃ。その表情に気負わされた俺は思わず頷いてしまったんじゃ……。

それで、熱海さんに話しかけようとしたんじゃが、如何せん俺と熱海さんは今までほとんど接点が無かったのが問題じゃった……。どうやって話しかけたいいのか全くわからんかったんじゃ。じゃから、いきなり話しかけても警戒されて終わるのがオチじゃろうから、とりあえずは様子を見ようと、熱海さんを見たんじゃ。そしたら熱海さんはどうやってグループの輪に入ったらいいのかわからないのか、グループから少し離れたところでおろおろしておるんじゃ。

熱海さんには悪いんじゃが、これはシメた!って思ったんじゃ。話しかけるきっかけとしては十分じゃしの。じゃが、おいしい展開に鼻を掛けてほくそ笑みながら話しかけてしまったら警戒されてしまうからの。そのことを出来るだけ顔に出さないようにして熱海さんに話しかけたんじゃ。





………………

…………

……







「ふぅ……」


一応警戒していたんじゃが、特に何も問題が起こるわけでもなく、無事に伝言ゲームが終わったことを確認した俺は思わず一息ついていた。


いやぁ、取り越し苦労でよかったわい。まぁ、俺らのグループは全戦全敗じゃったから、後で皆にそのことで弄られるんじゃろうけどの……。


まぁ、今はそのことは置いておこうかの。それよりも、熱海さんと話をしたことについてなんじゃが……

最初はすごい元気じゃったんじゃが、その後すぐにこっちを警戒した態度に変わっていったんじゃ。なんて言ったらいいかのぅ……。本人に自覚があったかどうかは知らんが、こっちがおかしな行動をしたらすぐにでも逃げれるようにしていたっという表現が一番近いかもしれん。

じゃが、最初の勢いの手前かどうかはわからんが、逃げるに逃げられないみたいな感じになっておってのぅ。それで、どうにかして会話をしようとしたのか、俺の名前を言おうとしておったみたいなんじゃが、どうやら俺の名前を覚えておらんかったみたいでな……。

熱海さんは気まずそうにしておったが、こっちからしたら話を始めるキッカケとして使えたからむしろ助かったって気分が強かったんじゃ。まぁ、もちろん顔には出さんかったが……。


まぁ、そこから颯兄の乱入という誤算があったんじゃが、そのおかげで兄貴と沙耶さんの病院の患者じゃったっていう情報を入手出来たから沙耶さんにチクるのは止めておいてあげようかの。一体どんな用件で病院に行ったのか気になるところじゃが、絶対に教えてくれんだろうのぅ。あの2人は基本的に特殊(・・)な案件にしか関わらないためかは知らんが、携わった患者の病状に関してはどんな手段を用いても口を開かせることが出来ん。それ以外のことなら、沙耶さんはかなり口が軽いからすぐに聞き出せるじゃがなぁ。本人に何でそうメリハリをキッチリつけれるのか聞いたことがあるんじゃが、スイッチのON-OFFと似たようなもんだと返されて結局よくわからんかったしの。


まぁ、そんなことは置いといて、俺が病状のことは何も知らないって伝えるとかなり安心しておったから、やっぱり兄貴達とはその口(・・・)で知り合ったんじゃろう。まぁ、だからと言って、どんな病気だったのかを聞き出そうと思う気は全然無いがの……。


まぁ、色々あったけども、無事に熱海さんをグループの輪の中に連れて行くことに成功したんじゃが、会話に参加し辛そうにしていた熱海さんをフォローしていたら、こっちへの警戒を解いてくれたんじゃ。ただ出来るだけ皆が会話に参加出来るようにってしておっただけじゃったのじゃが、結果オーライってやつじゃな。


それで、伝言ゲームが終わった後に少しの間だけじゃが、話をすることが出来たんじゃ。こっちへの警戒を解いてくれた、素の熱海さんと話をして思ったことが、『すごく話しやすい』ってことなんじゃ。実はの……、俺はあんまり女子と話をするのが得意じゃないんじゃ。表面上は誤魔化せるから傍から見れば普通に話しているように見えるかもしれんが、内心はドキドキしてとてもじゃないが平常心を保てておらんかったんじゃ。じゃが、熱海さんには失礼かもしれんが、話したときには不思議とドキドキすることがなかったんじゃ。自分でも不思議に思って色々理由を考えたんじゃが、一番しっくりきたのが……、なんていうか、『同性と話している感覚』じゃったんじゃ……。もちろん熱海さんには口が裂けても言えん内容なんじゃがな。


コホン。ま、まぁ、そのことは置いといて、結局何が言いたかったのかっていうと、あれじゃ。もっと話がしてみたいっていうことじゃな。これだけ気持ちを落ち着かせて話すことが出来る異性は熱海さんが初めてじゃしの。そういう意味では熱海さんと話すキッカケを作ってくれた颯兄にはある意味感謝じゃの。


まぁ、まずは熱海さんが篠宮さんの俺に対する誤解を無事に解いてくれることを祈ることじゃな。俺が熱海さんを泣かせようとした奴みないな認識になってしまったら、滅多な事が無い限り話すことも叶わなくなってしまうかもしれんからの。


そう思って俺は説得の成功を切に願うのであった。



<副委員長の願い END>

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