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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第二章 一学期編
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25話 オリエンテーション⑥

「そ、それで?その眼はどうしたの?」


「え、えっと……」


どうしよう、どうしよう!やっぱりこんな眼だと気持ち悪いよね……。って、このまま黙ってても、もうバレちゃってるから意味ないし……。うぅ、どうしよう…………


「ん……?どうしたんですか?朝から真琴が騒いでいるのですか?」


あっ、どう答えたらいいのかわからなくて戸惑っていたら、優花ちゃんまで起きちゃった……。ほんとどうしよう……


「何よその反応?まぁいいわ。優花も京の眼を見てみたら理由がわかるわよ」


「眼……ですか?……あぁ、やっぱり(・・・・)そうでしたか?」


…………え?やっぱり……?


「あぁ、もしかしたらって思っていた程度で、知っていたわけではないですよ?」


「え……?えっと……?どういうこと?」


「えっとですね?アルビノという病気は肌と髪が白くなる以外にも、眼が紅くなるということは文献で知っていたんですよ。ですが、京さんの眼は黒かったので、実際は文献とは違うんだ程度に思っていたのですが、カラーコンタクトをしていたんですね」


未だにつけられていないカラーコンタクトを見ながら優花ちゃんがそう言ってきた。


「えっ……、いやっ……、その……」


だけど、隠し事がばれて、どうすればいいかわからなくなった僕はどんな言葉も上手く出すことが出来なかった。でも、そんな僕の様子を見ていた優花ちゃんはふっと顔の表情を穏やかなものに変えて


「あっ、すいません。責めているというわけではないんですよ?ただ、その綺麗な紅い眼を今まで見れなかったことがもったいないなと思っていただけなんです」


って言っていたんだけど、一瞬、何を言っているのか理解出来ずに


「ふ、ふぇ?」


結局言葉にならない言葉しか出なかったんだよね……。


「ふふ、本当に冗談抜きで綺麗ですよ?ねぇ、真琴」


未だにテンパっている僕の方を見ながら優花ちゃんは真琴の方に声を掛けていた。すると真琴は


「えぇ、思わず見とれちゃって、普通の言葉しか出てこなかったくらいですもの。あたしとしたことが一生の不覚……っ!!」


って、本気で悔しがってい(るように見え)た。

2人の様子を見ても、僕のことを気持ち悪く思っているように見えないってことはつまり……


「え、えっと……?2人とも気持ち悪くないの?」


ってことなのかな?そう思って2人に問いかけたんだけど、2人ともまるで何言ってんだこいつって感じで首を傾げていた


「だ、だって紅い眼だよ?気持ち悪くない?吸血鬼みたいでさ……」


このままでは埒が明かなそうだと思った僕は、僕が思っていたことを2人に聞いてみたんだ。そしたら2人は一瞬ポカンって顔をしてから


「ふふ、そんなことないですよ?本当に吸い込まれるようくらい綺麗な瞳をしていると思いますよ?」


「そうよ!吸血鬼ってよりはお人形さんって感じよ?今まで以上に可愛いから、皆に見せびらかしたいくらいだもの」


って笑いながら言ってくれた。そのときの2人は全然嘘をついてるようには全然感じられないってことは……


「え……と……、えとえと……、全然この眼が怖くないってこ……と……?」


恐る恐る聞いてみると


「「だからそう言ってるじゃない(ですか)」」


2人とも即答してくれた。


「そ、そうなんだ!!2人ともありがとう」


僕は嬉しくなって、今まで以上の笑顔でお礼を言ったんだけど……


「……え、えっと?何で2人とも僕を抱きしめてるのかな?」


色々と柔らかいのが僕に当たってるから出来れば今すぐに止めて欲しいんだけど……


「ハッ!?京の笑顔を見たと思ったら身体が勝手に動いていたぁ!?」

「京さん、今の笑顔は異性の方には出来るだけ見せない方がいいと思いますよ?」


って2人は言ってるんだけど……


「わ、わかったから!よくわからないけど、わかったからっ!!2人とも離れてよぉ~!!」


全然離れてくれない2人から僕は何とか身を捩って抜け出したのであった。


…………

……


「それで?これからどうするつもりなの?」


「どうするって?」


2人から逃げ出した僕の息が整ったのを見た真琴がそう尋ねてきたんだけど、どうするってどういう意味なんだろうね?


「いやぁ、あたし達にはその紅い眼がバレちゃったっていうのかしらね?そうなったけど、これからもカラーコンタクトをつけてるの?」


「あっ……」


そう言えばそうだよね……。僕としては、最初から誰にも言うつもりがなかったからそのことについて頭からすっかり抜けちゃってたや……。


「うん、そのつもり。真琴と優花ちゃんは大丈夫だったけど、他の人だと怖がる人がいると思うからね」


真琴も優花ちゃんも「そんなことはないと思うけど」って言ってくれてるけど、少なくても今はまだ他の人に紅い眼を見せる勇気はないかなぁ


「そっかぁ。それじゃあ、その綺麗な眼はまた見れなくなるのかぁ……」


って言って、真琴は少し悩むような仕草をしてから


「それじゃあさ?休日にあたし達と遊ぶときだけでもいいから、またカラーコンタクトを外してくれないかなぁってお願いしてみたりして?」


そう言って僕にお願いしてきたんだけど


「で、でも、外だと他の人が一杯いるし、いつどこで知り合いに会うかもわからないいし……」


やっぱり、他の人にこの眼のことがバレることを危惧して渋っていると


「それじゃあ、あれだ!京の家かあたしの家、それか優花の家の中だったらどう?それだったら他の人にはまず見られることはないし……」


う~ん、確かに家の中だったら他の人に見られることは滅多にない……よね?


「そ、それだったらいいかなぁ……?」


って僕がボソって言うと


「よしっ、じゃあ約束よ!!また皆の予定が会うときに誰かの家に集合ということで!」


って感じで真琴が決定してしまった。あれ?もしかして僕、早まっちゃった?

そう思っているうちに真琴は優花ちゃんにも了承を取ってるし……。あっ、もうこれは逃げられないやつだ……。まぁ、別にいいんだけど……ってあれ?もしそうなったら女の子の部屋に入るってことだよね!?あれ?やっぱりこれってマズいんじゃ……


「ちょ、ちょっと2人とも……、や、やっぱりこの話は……「よし、それじゃあ話もまとまったし、朝食に行くわよ!」」

「出来たらなか……「そうですね。それでは行きましょうか」」


2人に言葉を被せられて、結局断れなかった僕は肩を落としながら2人と一緒に朝食をとるために大広間に向かったのであった。




………………

…………

……







「よし、それでは最終日のイベントについてなんだが……」


朝食を取った後、再び部屋に戻った後、出発の陣日をおえてホテルの大広間に集まった僕たちに向けて牧野先生は説明を始めた。


どうやら最終日はほぼフリープランみたいなんだよね。

ほぼっっていう理由は2つあって、

1つ目は場所で、場所は地元の商店街の中限定なんだよね。この前の休日に行ったデパートも商店街の中にあるから、1日2日くらいなら全然遊べるから問題ないんだけどね……。

それで、2つ目としては計3回、確認のために、ある時間にある場所で自分のクラスの担任に点呼を取ってもらわないといけないんだよね。そうやって時間を区切られるのは僕はあんまり好きじゃないんだけど、ちゃんと安全かどうか確認するためには必要なことらしいし、仕方ないことなんだけど、う~ん……。


やっぱり釈然としない気持ちにもやもやしていると


「まぁ、少しめんどくさいけど、要はそれさえ守れば後は自由ってことよね!」

「そうですね。今からでも楽しみです」


って真琴と優花ちゃんがかなり上機嫌で会話していた。


「あれ?そんなに楽しみなの?今までも何回も行ったことあるでしょ?」


上機嫌の理由がわからずに2人に尋ねてみると


「そりゃあ、商店街に行くこと自体はそこまで楽しみってわけじゃないわよ?楽しくないってわけではもちろんないけど」


「そうですね。やはり一番の楽しみは京さんのお洋服を買いに行けるってことですね」


って言う言葉に僕はピシッて固まって


「え?ど、どういうこと……?」


なんとかその言葉を出したんだけど


「どういうことって聞いてないの?都さんから頼まれたのよ」

「京1人じゃ絶対にお洋服を買わないから一緒に買ってあげてって頼まれたんですよ。ほら、これが京さん用のお洋服を買うためって言って渡されたお金です」


……あれ?お母さん何してくれちゃってるの?また僕のあずかり知らぬところで話を進められてるんだけど……。ってそれよりも僕よりもオリエンテーションの予定を把握している母親ってどうなの?まぁ、僕が把握しなさ過ぎなのかもしれないけどさ……


「え、えとえと……。僕は1人でお洋服を買えるから大丈夫だよ?それよりも他のことを……「「すると思う?」」……」


はい、すごくいい笑顔で返されました。

これはもう絶対に逃げられないやつだ……。


こうしてなんとも言えない気分のまま商店街に向かうバスに乗った僕は商店街に着いた途端、真琴と優花ちゃんの着せ替え人形になったのであった。


どれくらいすごかったかって言うと、お母さんと一緒にお洋服の買い物に行ったときと同等か、それ以上に精神的に疲れたって言っておくよ……。

もうね、開始1時間くらいですぐに心が折れた僕は真琴と優花ちゃんのなすがままに持ってきた服に着替えたんだよね。それで、ハッて我に返った時にはもう解散の時だったんだよね……。2人はすごい満足したみたいな顔をしていたんだけど、怖くて詳細はとてもじゃないけど聞けなかったよ……。あっ、牧野先生に点呼はちゃんと取ったのかって確認したんだけど、ちゃんと取ってたみたい。いつ取ったのか全然把握していないんだけど、本当にいつ取ったんだろ?


そうしてオリエンテーションが終了し、真琴たちが買った大量の僕の服をどうやって持って帰ろうか迷っていたんだけど、どこからともなく現れた健吾が持ってくれて、無事?に家に帰ったのであった。

自分でも飛ばしすぎじゃないかってくらい飛ばしました。

2日目の内容の無さがひどすぎる……(・ω・`)


あっ、もちろん真琴たちに頼まれて健吾が京の荷物を持ちにきました。

まぁ、頼まれなくても健吾ならしていたでしょうが……。



何か誤字脱字報告・意見等々ありましたら、コメント欄に残していっていただけたなら幸いです。

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