23話 オリエンテーション④
何と何と、お気に入り件数が100件越えました!!
いつもいつも読者の皆様、ありがとうございます。
これからも精進していきますので、楽しんでいただけると幸いです。
「まぁ、いい機会だし、あたし達以外にもちゃんと話せる人を見つけなさいね」
「私としては少し心配です。京さんは人見知りなところがありますし……」
真琴と優花ちゃんと別れるときにそう言ってきたんだけど、真琴はともかく優花ちゃんも人見知りっぽいし、人のこと言えないと思うんだけどなぁ……。まぁ、人見知りしちゃうのは本当だしね……。よし、これを機に話せる人を増やさないとね!
そう思っているとタイミング良く
「熱海さん」
「はいっ!!」
名前を呼ばれたから、元気よく返事をしながら振り返ってみると
「お、おぅ。元気が有り余ってるのぅ」
男の子がこっちを見ながら苦笑いをしていた。あっ、ちょっと気合入れすぎちゃったかな……。うぅ、恥ずかしい……
「あ、あはは……。えっと……、それで、僕に何か用?」
「いや、同じグループになったみたいじゃからな。それで、1人どうしたらいいのかわかっていないみたいじゃったから、挨拶がてら声を掛けた次第だのぅ」
「べ、別にわからなくなってたわけじゃないんだよ?えっと……」
あれ?名前何だったっけ?同じクラスだし、顔も見たことがあるんだけど……。それでも名前を思い出せない僕のことを察してか
「俺の名前は丘神勇輝じゃ。俺もまだクラス全員は覚え切れてないから気にしなくても大丈夫じゃよ?改めてよろしく頼む」
「う、うん。よろしくね」
丘神君は名前を教えてくれた。あれ?どこっかで聞いたような……って、あ!副委員長だ!!
「うむ。まぁ、熱海さんが篠宮さんと服部さんとは違うグループになるから他の人から護ってくれって2人に頼まれてたしの。颯にい……じゃなくて牧野先生にも、もしグループに入りづらそうにしてたら手助けしてやってくれって頼まれてたしの」
「いや、護るって大げさだなぁ」
「それが、そうでもないみたいなんじゃがのぅ。まぁ、これは余り詳しくは俺もわかっていないんじゃが……」
そう言って丘神君は頬をかいていた。う~ん……、ほんとどういうことなんだろ?
「そ、そうなんだ。あと、今牧野先生のことを違う呼び方で呼んでなかった?」
「い、いや。それは気のせい「おぅ、勇輝。ちゃんとやってるか」……」
僕がふと疑問に思ったことをたずねると、何故か丘神君がはぐらかそうとしたところに牧野先生が話しかけてきた。すると、丘神君は牧野先生を軽く睨みながら
「……先生、学校では苗字で呼んでくださいとお願いしておいたはずなんですが?」
そう言っていたんだけど、牧野先生はどこ吹く風といった様子で
「ははは。まぁ俺とおまえの仲だ。別にいいだろ?それに隠すことでもないと思うんだがなぁ」
って言っていた。えっと、話の内容からして
「えっと?丘神君と牧野先生は昔から知り合いだったの?」
恐らくそうであろうと思い、尋ねてみると、丘神君はため息をつきながら
「残念なことにそうなんじゃよ。俺の兄と『牧野先生』の妹が同じ職場で働いていての。5年ほど前くらいからじゃったかの?そのくらいからの顔見知りじゃ」
って答えてくれた。…………あれ?『丘神』くんのお兄さんと『牧野』先生の妹さんが同じ職場って……、いや、ま、まさかね?
あることを想像してしまった僕は冷や汗を大量にかくくらいにはかなり動揺していた。どのくらい動揺していたかっていうと、「顔見知り程度じゃないだろ、つれないな」って牧野先生が丘神君に言っていたり、他の先生に僕たちと話しているのが見つかって、「サボっていないで仕事をして下さい」って言われて牧野先生が連れて行かれたのが気にならないくらいには動揺していたんだよね。
「え、えっと……さ?違うとは思うんだけどさ?丘神君のお兄さんって病院で働いていたりする?」
「おぉ!当たりじゃ!でもあれ?熱海さんにそのことを教えたかのぅ」
そう答えて丘神君は思い返すような素振りを見せていたけど、僕は心臓がバクバク言っていて、それどころじゃなかった。いやいや、まだ偶然って可能性があるし!
「い、いや。ちょっと気になったことがあってね……。も、もしかしてさ、丘神君のお兄さんの名前って光輝さんだったりする?あと、牧野先生の妹さんの名前が沙耶さんだったりして……?」
そう言って、丘神君の様子を伺ったんだけど、反応がなかった。あっ、よかったぁ~。やっぱり違ったみたいだね。
「あ、あはは……、ごめん何でも「なんでわかったんじゃ!?」……えっ?」
あれ?あれれ?もしかしなくても、やっぱりその通りだったの?
「い、いや。は、春休みの間にちょっと病院に行くことがあってね。そ、そこで2人と知り合って、お、丘神君と牧野先生とそれぞれ同じ苗字だったから、も、もしかしてって思って……」
あまりのことに動揺を隠し切れずに、詰まりながらもそう答えると
「ほぅ。なるほどのぅ。あぁ、沙耶さんが言っていた女の子って熱海さんのことじゃったんじゃな」
丘神君はそう返してきた。え?熱海さんが言っていたってどういうこと?もしかして他の人に僕の秘密を話しちゃったってこと!?
……あれ?これって詰んだ?
そう思って、僕の目の前が真っ暗になりかけていたんだけど……
「あぁ、もちろん熱海さんってことは今知ったんじゃよ?病状とか諸々はさすがに言えないみたいじゃから教えてくれんかったしの。ただ、やたらと可愛い女の子が病院に来たって沙耶さんが騒いでおっただけじゃから、何を心配しているのかは分からんが、安心せい」
ってニカッて笑いながら言ってくれて、僕は我に返った。
そ、そうだよね。よくよく考えたら守秘義務だったっけ?ってのがあって、おいそれと患者のことを誰にも話せないようになってるもんね!
動揺しすぎて挙動不審になっていた僕が、落ち着きを取り戻すまで待ってくれた丘神君は
「落ち着いたかの?ふぅ、これでとりあえずは一安心じゃの。もしここで熱海さんが泣いてしまっていたら、俺も篠宮さんに後で何されていたかわからんかったしの」
って言って、丘神君が見ていた方を見ると、真琴が丘神君のことを睨んでいた。おぅ……。これは僕のいつも通りの悪循環で勝手に落ち込んでただけで、丘神君は関係ないよって後で言っておかないと……
「ま、まぁ熱海さんには悪いが、篠宮さんには後で上手く話しておいてくれると助かる。それじゃあ、そろそろグループの皆とどうするか相談でもするか。皆こっち待ちの状態だしの」
あっ、すっかり頭から抜け落ちてたや……。丘神君の言葉で思い出した僕は丘神君に連れられるようにグループの輪の中に入り、グループの皆と伝言ゲームのやり方について相談するのであった。まぁ、僕はほぼ皆の意見を聞いていただけなんですけどね。
…………
……
「それじゃあ、各グループでどんな感じにするか決まったか?」
グループに分かれてから10分くらい経ったときに牧野先生がマイク越しにそう言ってきた。若干落ち込んでいるように見えるのはなんでだろうね?
あ、僕のところのグループは何桁の数字が来ても全部まとめて次の人に繋げるって方針に決まったんだよね。ちゃんと出来るかすごく不安だなぁ……
「よし、決まったみたいだからぶっつけ本番に……いきたいところだが、ここは1回練習を挟もうか」
そう言って、牧野先生は懐からカードを取り出した。
「ここに15桁の数字が書いてある。これを各グループの先頭の人に見せるから、どれだけ早く出来るかやってみてくれ」
そう言って、先頭の子にカードを渡して、全グループに行き渡ったのが確認出来てから開始したんだけど、それはもうひどかった。
やっぱりね、15桁も一瞬で覚えれるわけないよね!も、もちろん僕だけじゃないよ?僕の前の人もちゃんとおぼえれていなかったみたいで、最後の方の数字が疑問系だったし、語尾が小さくなっちゃって聴き取りづらかったし……。まぁ、僕もそんな感じになっちゃったんだけどね……。
それで、結局最後まで伝言するのに10分くらいかかった挙句、間違えちゃっていたんだよね……
他のグループの様子も見てみたんだけど、他のところもどっこいどっこいって感じっぽかってホッと安心。僕たちのグループだけじゃなくてよかったぁ
そう思っていると、皆の様子を見ていた牧野先生が
「よし、これで全員終わったか?だが、一部のやつらを除いて皆時間が掛かりすぎだ。本当なら、ここでもう1回伝言の仕方について考えてもらうんだが、思っていたより時間が押しているからな……。仕方ない、あくまで一例だが、効率の良い伝達の方法をみんなに教えてやろう」
って言い出していた。
……もう!それを先に教えてよ!!
はい、丘神君はあの時の病院の先生の弟さんでした。
やっと牧野先生の名前のフラグ?を回収できました。
何か誤字脱字報告・意見等々ありましたら、コメント欄に残していっていただけたなら幸いです




