18話 休日【1】②
【追記】誤字脱字修正しました。
「それで、何から買うか決めているのですか?」
どんどん先に進もうとする真琴に優花ちゃんが言葉を投げ掛けると、真琴はピタッって止まって
「う~ん……。どうしようかしら?手当たり次第って感じなのも面白いって思ったんだけど」
って感じで腕を組んで悩み始めた。あ、このときにやっと手を離してくれて開放されたんだよね。やっぱり女の子と手を繋ぐのは恥ずかしかったしね。あぁ、よかった。っとと、そうじゃなくて、予想通り?の真琴の行動に優花ちゃんがいつも通り呆れながら
「はぁ……。やはり行き当たりばったりでしたか……。それでしたら、まずは各自で何が必要かリストアップしてからにしませんか?その方がすぐに必要なものが揃えられると思いますし」
って、提案していたんだよね。まぁ、確かにその方がお店の中にいる時間が少なくて済むもんね。真琴もそう思ったのか
「そうね。早く買い物を済ませれば、その分遊べるものね。よし、それじゃあ、そこの喫茶店にでも入って作戦会議と行きましょうか」
っと言うやいなや、喫茶店に入っていく真琴。真琴の行動力に呆れながらも僕たちは真琴の後について喫茶店に入ったのであった。
あ、ちなみに喫茶店ではもちろんモンブランを頼んだんだけど……。も、もちろんリストアップが終わった後だよ?それでね?食べ終わってふと我に返ったときに、周りの女性客も皆モンブランを頼んでいたんだよね。真琴と優花ちゃんに至っては、その前にも違うケーキを食べていたはずなのに、モンブランを食べてたし……。何でなんだろうね?
………………
…………
……
「よし、それじゃあ腹ごしらえも終わったし、買い物をしましょうか」
「そうですね。予想外の出費をしてしまいましたが、後悔はしていませんし、張り切っていきましょう」
何か、真琴と優花ちゃんはすごいやる気だし、健吾たちは顔が赤いような気が……。まぁ、気にしたらダメだよね?
そんなことよりも、折角皆とお買い物に来ているんだし、楽しまないとね!
…………
……
「まぁ、このくらいで十分かしら?」
「そうですね、リストアップしたときから思っていたのですが、買う必要があるもの自体が少なかったですしね」
「そうね……」
って言いながら真琴は後ろに振り返って
「まぁ、男性陣にも良かったんじゃない?持つ荷物が少なくて」
僕たちの荷物も持たされている男性陣に声を掛けた
「何で俺らも誘ったんやろって思っとったけど、荷物持ちのためかいな」
そしたら、案の定小野君が抗議してたんだけど、健吾が
「まぁ……、そんな気はしてたけどな」
って、荷物を持ちながらやれやれってポーズを取っていた。それに対して、小野君は納得がいかないみたいで
「じゃあ、何で言ってくれんかったんや!?」
って健吾に突っ込みを入れていたんだけど
「……俺だけが荷物持ちするってのはさすがに勘弁してほしかったからな」
その言葉に小野君は唖然としていた。いや、気付いたのなら教えてあげようよ……。それにしても、荷物持ちさせられるのがわかってるのに何で参加しようと思ったんだろう?僕ならきっと……って、まぁ気付かなかっただろうから結局一緒だったんだろうけどね
「……まぁ、ついて来たんだし、これくらいはいいだろ?それに、別に何も得なかったわけじゃないだろ?」
そう言って健吾は僕のほうにチラって視線をよこしてきた。健吾が見てきた意図がわからず首をかしげていると、小野君は何か納得した様子で
「確かに、あれを見ることが出来たんやし、荷物持ちくらいはしてもバチがあたらんかもな。よし、それじゃあ、折角時間が余ったんやし、ゲーセンでも覗かん?」
いや、だからあれって何なの?喫茶店に出た後に聞いても誰も答えてくれなかったし……
「あぁ、俺はいいが……、皆はどうする?」
「そうね……、たまにはいいかもね?あたしも行くわ」
「新しい商品が入荷されているかもしれませんし、私も行きます」
「ボクはうるさ過ぎるところはあんまり好きじゃないから適当にブラついてくるッス」
皆行くのかなって思ってたら空元君は行かないんだ。っと、僕も早く答えないとね。皆僕を待ってるみたいだし
「うーん、僕も止めとこうかな。少し疲れちゃったし、そこらへんの椅子に座って待ってるよ」
「そうか……。それじゃあ行ってくる。知らないやつにはついて行ったらダメだからな?」
「もう!それくらい僕でもわかってるもん!何で子供扱いするの!?」
ははは、スマンスマンって言ってきても許さないんだからね!!
っとと、あんまり長引かせちゃうとみんなに悪いよね
「ふぅ……。まぁ、僕は休憩しているから気にせず遊んできてね。それと、健吾には来週はお弁当作らないから」
僕がそう言うと、健吾は膝を突いていた。いや、そこまでショックなこと?逆に僕がどうしたらいいかわからずに戸惑っていると、自業自得やって声を掛けながら小野君が健吾を引っ張ってゲーセンに入っていった。他の皆もそれぞれ行きたい場所に行ったのを確認した僕は椅子に座ったのであった。
あ、ちなみに健吾には仮入部体験をしているときに色々助けてもらって、そのときのお礼ってことでお弁当を作ることになったんだけど、まぁそんなことはどうでもいいよね
………………
…………
……
「さて、これからどうしようかな……」
健吾たちがゲーセンに入って10分くらい経過して、僕の体力も大分回復したんだけど、今更ゲーセンに入ろうとは思わないし、どうしようか考えていると
「あれ?京ちゃんじゃん?」
って声を掛けられて、ふと声の方向に顔を向けた僕は、思わず心の中でうわって思っちゃったんだよね。そこには
「あ、やっぱ京ちゃんじゃん。こんなところで会うなんて奇遇じゃん」
藤林君がこっちに向かって歩いてきていた。その左右に男の子がいたんだけど、藤林君の友達なのかな?こういうタイプの人が苦手な僕が対応に困っていると
「へぇ~、この子が藤林が言ってた子か、ほんとにちっさくて可愛いな」
「だな!しかもこの見た目で高校生なんだろ?これが合法ロリってやつか」
って、いきなり左右の男の子が言ってきた。小さいって人が気にしていることを……。
それに、この2人、藤林君以上にねっとりした視線でこっちを見てきているし……。そういう視線って本当に気持ち悪いからやめてほしいんだけど……
「おまえらがっつき過ぎじゃね?京ちゃん怖がっちゃってるじゃん。京ちゃんごめんね?それはそうと、今って1人?もしそうなら俺らと一緒に遊ばね?」
藤林君が止めてくれたと思ったらそうじゃなかった!そういや前のときに言うのを忘れてたけど、京ちゃんってなれなれしく呼ぶの止めてほしいんだけどなぁ……。っと、それよりもちゃんと断らないと
「いや、僕は友達と来てて、ちょっと休憩してるだけだから間に合ってます」
ふぅ、これで諦めてく
「まぁまぁ、そう言わずにさ。ちょっとくらいいいじゃん?それに、京ちゃんを1人で残してどっかに行くなんて薄情なやつをほっといてさ」
れなかったよ……。しかもどこかで聞いたことあるような、ないようなセリフだし……。っと、そんなことより、今真琴達のことを馬鹿にしたよね?
「薄情な奴って……。僕が僕の勝手で今ここで1人でいるだけなの。僕の友達のことを悪く言うのはやめてくれないかな?それに仮に僕が1人だったとしても、藤林君達にはついていくつもりはないから、僕のことは放っておいてくれないかな?」
そう言って僕は座ったまま頭をペコリと下げてお引取りを願った。本当は殴り飛ばしたかったけど、僕じゃ勝てないのは分かってるしね……。でも、やっぱりそんな都合良くはいかないわけで……。僕の言葉で頭にきた(っぽい)藤林君が顔を真っ赤にしながら
「おい、ちょっと調子に乗りすぎじゃね?こっちが下手に出てるからっていい気になりすぎじゃね?」
って言ってきたけど、あれ?いつ下手に出たっけ?そんなことを思っていると、シビレを切らしたのか
「もうこのままじゃ埒が明かないし、連れて行こうぜ」
「そうだな、藤林、任せた!」
「えー、何その人任せなの?まぁ、別にいいけどさ。それじゃ京ちゃん。俺達と一緒に楽しいことしようぜ」
3人がそんなやり取りをした後、藤林君は僕の腕をいきなり掴んできた。
「いっ……!?」
掴んできたのも全然良くないんだけど、かなり強く握られたみたいで、すごく痛い。これは痣になるかもって思ったくらい痛い。痛すぎて泣きそうなくらいだよ……。それでも何とか堪えるために目をきつく瞑って、そのまま連れて行かれないように力を入れたんだけど
「へぇ?結構力あるじゃん?でも、俺と比べたらまだまだじゃん」
そう言って僕の抵抗をものともせずに歩き始める藤林君。それでも僕は諦めずに懸命にふんばっていると
「いい加減大人しく一緒について来てほしいんだけど?あんまり俺らを怒らせると「怒らせるとなんだって?」……なんだごばぁ!?」
藤林君の手が僕の腕から離れて、僕は解放されていた。
…………え?何が起こったの?
この展開がしたかっただけです、はい(・ω・`)
反省も後悔もしていないです(キリッ
あと、恐らくですが、後(出来れば)1・2話くらい投稿した後、中々執筆?出来なくなりますので、昔々に行ったとおり週一更新になると思います。
何か誤字脱字報告・意見等々ありましたら、コメント欄に残していっていただけたなら幸いです




