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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第二章 一学期編
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9話 入学式

ここから2章開始です

「よし、これで後は日焼け止めを塗るだけかな?」


鏡の前でおかしいところがないかチェックしていた僕はそう呟いた。

今の僕はブラウスの上に、後ろにリボンがついたカーディガンを羽織っており、プリッツスカート、そして胸に大きなリボンをつけた格好を……つまり、制服を着ている。そして前髪には母さんがくれたヘアピンもキッチリ着けてる。髪も跳ねてるところがないし、カラーコンタクトもちゃんとつけてあるし。うん、バッチリ。

何でこんなに確認しているのかって?そう、今日は入学式です。


「よし、それじゃあ、さっさと朝食の準備しないとだね」


鬼コーチ母さんによる2週間の特訓の成果で、僕は朝食の簡単なメニューくらいなら1人で作れるようになったんだ。まぁ、卵焼きはまだ上手くいかないから、卵料理はもうしばらくは目玉焼きかスクランブルエッグだけどね……


あ、そういえば母さんなんだけどさ、もう朝ごはんは僕に任せていいわねとか言って最近は朝ごはんが出来上がるくらいの時間にしか起きてこなくなったんだ。僕にだけ任せて自分だけゆっくり寝てるなんてヒドイよね!まぁ、料理をするのは楽しいから別にいいんだけどさ……



…………

……



「今日はこんな感じでいいかな?」


今日は服装とかのチェックを入念にしちゃったから、少し時間が足らなくなっちゃって少し手を抜いちゃったけど、まぁいっか。明日から本気だす!

あ、ちなみに今日のメニューは揚げを沢山入れたお味噌汁と目玉焼き、それだけじゃ味気ないってことでウィンナーをつけてみたっていう風になってるよ。やっぱりお味噌汁には揚げだよね、揚げは正義。


あとは、皆が起きてくるのを待つだけかな



…………

……



「やっぱり京矢の制服姿は可愛いなぁ。あぁ、エプロンつけた姿も見たかった」


「…………そう思うなら、もう少し早く起きて手伝ってよ」


朝ごはんを食べながらそんなことを呟く修兄に僕は思わずジト目でにらめつけた。っと、それよりも


「修兄、僕のことをまだ京矢って呼んでくれるのはうれしいんだけど、万が一に外で出ちゃったら困るから家の中でも京って呼んでくれないかな?」


「おっと、そうだな。すまん。万が一にそれで京が京矢だってことが誰かにバレたらマズいものな……。うん、次からは気をつける」


「うん。ありがとう。修兄の気持ちはわかってるから大丈夫だよ」


修兄は僕が男の子だったときのことを忘れないために京矢って呼んでくれているのは嬉しいんだけど、そのせいで誰かにバレちゃったときのペナルティが怖すぎるからね……


「俺の気持ちがわかってるだって!?それじゃあ俺の溢れんばかりの京を愛する気持ちをぉ!?」


「修矢は少し黙りなさい。京ちゃんも早く食べないともう時間がないわよ?今日は特別にお母さんが後片付けをしておくから、さっさと食べておしまい」


「え?もうそんな時間!?お母さんごめん!それじゃあ後片付けはお願いね!」


思ったより時間が経っていて僕は急いで朝ごはんの残りを食べ始めた。

あ、ちなみに父さんは未だに僕が作った料理に感動して涙を流しながら食べてるんだよね……。そろそろ普通に食べてほしいんだけど……


「って、京でその時間なら俺はもっとやばいじゃん!?まだ制服にすら着替えてないし」


「だからいつも余裕を持って行動しろって言ってるでしょ?」


そういって母さんはため息をついていた。いつも夜更かしばっかしてるから遅くなってるんだし、もっと早く寝ればいいのに……。一体何をしているんだろう


「ふっ……。余裕を持って行動するために何かを犠牲にするくらいなら俺は常にギリギリで行動するぜ!!」


いや?格好良く言ってるつもりなのかもしれないけど、全然格好良くないからね?っと、そんなことより僕も早く仕度しないと時間がなくなっちゃうや


「それにしても、俺が京と同じ学校だったら行き帰りだけじゃなくて学校の中でも京を護ってやれたのになぁ」


「いやいや、行きも帰りも一緒に行かないからね?それに僕じゃ修兄と同じ高校に行くにはレベルが高すぎて無理だよ」


修兄は性格こそ残念だけど、頭はすごくいいんだよね……。それで運動神経も抜群という……。このハイスペックめ。何かショックを受けた顔をしている気がしなくもないけど、本当にそろそろ時間がなくなってきたから僕は無視して残りのご飯を食べたのであった。





………………

…………

……








「よし、日焼け止めも塗ったし、これで準備万端かな?」


朝ごはんの後片付けを母さんにお願いして、忘れないものが無いかもう一度チェックしたけど、うん、全部ちゃんとある。


あ、修兄はもう学校に行くために家を出てるんだよね。僕の行く学校よりも遠いところにある学校に行ってるんだからどうやっても僕と一緒に学校に行くのは無理なのに、何で僕と一緒に学校に行くとか言ってたんだろうね?


「京ちゃん!帽子忘れてるわよ?」


「あ、そういえば!お母さんありがと~」


そういって母さんからお気に入りの広い鍔のついたコットンハットを受け取った僕は頭に被った。いつもは絶対忘れないのに……、やっぱり僕も緊張してるのかな?


うん。これで本当にバッチリって思ってたらインターホンが鳴った。丁度健吾が来たみたい。健吾も修兄みたいに絶対に学校の行きは一緒に行くって言ってきたんだよね。まぁ同じ学校だし、僕の家は丁度健吾の家と学校の間にあるからってことでOKを出したんだけど、そのときになぜか健吾がガッツポーズをしてたんだよね……。別にそこまで喜ぶ必要はないと思うんだけど……

っと、これ以上待たしたらインターホンを連打しかねないし、早くいかないとね

そう思って僕は健吾にインターホンを連打される前に玄関に向かうのであった。



…………

……



「健吾!お待たせ!!」


「おっ、やっと出てきたって、そんなに走ったら危な「うわっ!?」……遅かったか……」


「いてて……」


「相変わらず芸術的なまでに何もないところでキレイにコケ……あー……」


そう言ってから一瞬こっちに視線を向けたと思ったらすぐに視線を逸らした健吾に何事かと思ったけど、そのときの視線を辿ってみると……


「!?」


急いで僕はスカートを手で抑えた。たぶん今のコケ方だとほぼ丸見えになっちゃってたと思う。ナニがとは言わないけど


「………………見た?」


恥ずかしさに顔を赤くしながら健吾に問いただしたんだけど、視線を逸らしたってことは見えてたってことだよね……。ハァ……


「…………とりあえず京が女の子になったことを再確認出来てよかイテェ!?」


無駄に律儀に返答してきたから僕は急いで立ち上がって健吾に脛を全力で蹴っておいた。これくらいは許されるよね!



…………

……



「別にそんなに怒らなくてもいいじゃないか、元々京は男だったんだし、別に見られても恥ずか……イエ、ナンデモナイデス」


健吾がよくわからない言い訳してきたから、とりあえず僕は睨んでおいた。


「本当に悪かったって。なぁ、許してくれよ」


「ふん!」


プイって顔を横に向けた。謝ったくらいでは許してあげないんだからね!


「そんなに機嫌を損なわなくてもいいじゃないか……。入学式が終わった後にモンブランを奢ってやるからさ、それで機嫌を直してくれよ」


「………………今回だけなんだからね」


まぁ、今回は健吾の目の前でコケちゃった僕が悪いし、健吾もしっかり謝ってくれたし、今回だけは許しちゃおうかな。べ、別にモンブランに釣られたわけじゃないんだからね!


「ハァ……とりあえずは機嫌を直してくれたか……。よし、じゃあ初日から遅刻するのも何だし、さっさと行くか」


「うん!」


こうして僕と健吾は僕達が入学する高校である聖香(せいか)高校に向かうのであった。

ついに高校に入学します。

先にいっておきますが、入学式の話が長いかもです。

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