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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第四章 二学期編
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124話 状況把握

最近、少しずつ更新が遅れてしまってすみません……。

「はぁ……」


僕が何度目かもわからない溜息をついていると、


「そう何度も溜息をつくくらいなら、早く健吾君にメールなり電話なりすればいいでしょ?」


呆れた表情を浮かべながらお母さんがそう言ってきたんだよね。


今、僕は家のリビングに居るんだよね。あの後、健吾が出るのと入れ替わりで真琴や勇輝たちが来て、倒れたんだから早退しろって話になったんだ。だけど、健吾と久川さんのことが気になって頭から離れない僕は大丈夫だって言い張ったんだけど、もうすでに先生の許可は取られてしまっていたことや、みんなの前で倒れたことになってしまっていることから、押し切られてしまって早退することになったんだよね。それからも健吾と久川さんの関係についてを考えていると、気が付くと家まで帰ってきていたんだ。


学校までの道のりも長いのに、よくも無事に帰れたものだと、また溜息をついていると、


「……そんなに溜息をつき続けられると、こっちまで気が滅入ってきちゃうわ。健吾君のことを考えるのはいいけど、丘神君に明日にでもお礼を言っておきなさいよ? 上の空だった貴女を家まで連れ帰ってくれたんだから」


お母さんがそう言ってきたんだよね。………偶々無事に家まで戻ってこれたってわけじゃなかったんだね…………。また勇輝には助けてもらっちゃったけど、本当に勇輝は何でこんなに僕を助けてくれるんだろうと、そのことが気になりかけたんだけど、


「それで? どうしたの? 健吾君と喧嘩でもしたの?」


考え始める前にお母さんが僕と対面の椅子に座りながら僕にそう聞いてきたんだよね。


「えっ!? い、いや、そういうわけじゃないんだけど……」


お母さんに健吾のことを聞かれたせいで、今考えようとしていたことがすっかり頭から抜け落ちちゃったんだ。それでもお母さんに聞かれたことを返そうとしたんだけど、健吾と久川さんのことが気になるなんてことをお母さんに言ってしまったら、何を言われるかわかったものじゃないと思った僕は、上手く言葉にすることが出来ずにお母さんから視線を逸らしていると


「はぁ……。とりあえずそれは後で聞くとして、またペナルティをもらったんでしょ? どんな内容だったの?」


お母さんは溜め息をついてからだけど話を変えてくれたんだよね。だけど、変えた内容がペナルティのことについてだったんだ。健吾ならまだしも、お母さんがそのことを知っているとなると彩矢が言っていたことがいよいよ本当のことだと疑う余地がなくなってきちゃったんだよね。まぁ、こうして思っている間にも彩矢からはそんなことで嘘をつく必要はないでしょうと言われているけど……。ま、まぁそれよりも今は家だし、お母さん相手だから誤魔化す必要もない僕は


「えっとね……」


と前置きをしてから今僕の中にもう1つの人格が宿っていること、その人格は僕が記憶を失っていたときの人格で、今は彩矢と名乗っていることを説明したんだ。するとお母さんは目を瞑ってから椅子の背もたれに体を預けたんだよね。それからしばらくの間そうしたかと思うと、お母さんは目を開けて


「なるほどね。ちなみに、私と彩矢ちゃんと話をすることは出来るのかしら?」


僕にそう聞いてきたんだ。だけど、僕自身も彩矢が僕以外と会話を出来るのかを知らなかったから、


『えっと……、どうなの……?』


と彩矢に聞いてみたんだ。すると


『出来なくはないですよ。そうですね、方法としては2つあります。まずは1つ目ですが……、鏡を用意してもらえますか?』


彩矢はそう返して来たんだよね。だから僕はお母さんに


「出来るみたいだよ? 鏡を用意してほしいって」


彩矢に言われたことを伝えたんだ。そうしたらお母さんはすぐに鏡を出してくれたんだよね。すると彩矢が


『それでは、京、貴方が鏡に映るように鏡の位置を調整してください』


って言ってきたんだ。だから言われた通りに鏡に僕が移るようにすると、


『はい、ありがとうございます。それでは……』


と言うと、何て言えばいいのかな。僕の中から何かが抜けるような感覚があったんだよね。何だろうとその感覚の正体を探っていると


「おか……、都さんお久しぶりです」


と目の前の鏡からそんな声が聞こえてきたんだ。僕そっくりの声が目の前から聞こえて来たこともあり、僕はビクリと体を震わせてから目の前を見ると、鏡の中の僕が僕とは全く違う動きをしていたんだよね。


「えっと……、彩矢……なの……?」


今の感覚の正体が何だったのかがわかった僕は、それが正しいことを確かめるためにそう尋ねると、


「えぇ、そうです。これが1つ目の方法ですね。貴方が鏡に映っているときに私がそうしたいと思えばこのように鏡の中の貴方の姿を借りることが出来るのです」


彩矢は僕にそう返して来たんだ。思っていた以上に簡単に彩矢とまた向かって話せるようになったことにも驚いたけど、鏡に映った僕が僕とは違う動きをするということを目の当たりにして、何とも言えない感覚に陥っていると、


「こうすると私でも京……いえ、もう彩矢と呼んだ方がいいわね。彩矢の声が私にも聞こえるのね」


お母さんがそう彩矢に話しかけていたんだ。


「はい。お……都さん、これからは私のことで彩矢でお願いします」


それに彩矢がそう返していると、


「そんなわざわざ私のことを名前で呼ばなくても、あのときみたいにお母さんと呼んでいいのよ? 彩矢も私の子供なのだから、貴女が私をお母さんと呼んでも可笑しいことなんて何もないわよ?」


お母さんは苦笑しながら彩矢にそう言ったんだよね。すると


「っ……。は、はいっ!! ありがとうございます……」


彩矢はすごい勢いで頭を下げながらそう言ったんだ。そして彩矢が顔をあげたときに、今度は僕の中に何かが入ってくる感覚に襲われたんだよね。


「えっと……」


鏡を見ると鏡の中の僕が僕と全く同じ動きをしていたことから、今の感覚は彩矢が僕の中に戻ってきたものだってことはわかったんだけど、


『彩矢、どうしたの……?』


どうして急に戻ってきたのかがわからずにそう尋ねたんだよね。だけど


『……すいません。少し待ってください』


彩矢はそうとだけ返事して、その後何を聞いても返事をしてくれなかったんだよね。どうしたものかと思っていると、


「彩矢は京の中に戻ったのね」


お母さんがそう聞いてきたんだよね。僕はそれに頷いてから


「だけど、何を言っても返事をしてくれたんだ」


と今の彩矢の状態をお母さんに伝えると、


「そう……。なら、少し待ちましょうか。そうすれば大丈夫でしょ」


お母さんはそう返して来て、「飲み物を取ってくるわ」と言って席を外したんだよね。彩矢はこんな状態だし、お母さんも席を外してしまって話す相手が居なくなってしまった僕はただただお母さんが戻ってくるのを待っていたのであった。

土日中にはあげれるようにがんばりたいです(・ω・`)

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