105話 実力テスト結果
20日に割り込みで番外編④を投稿していたのですが、番外編を投稿するときでも、一度最新話として投稿して、次の話の更新のときに順番を入れ替える方が読者の皆様的には読みやすかったりするのでしょうか……?
最近割り込み投稿をした場合、更新日付が変わらないことに不安を覚え始めた作者です。
「うわぁ……」
実力テストの答案用紙を受け取った僕は、国語の点数を確認して思わず声を出してしまったんだ。国語の担当は牧野先生じゃないけど、思わず恨めしそうな目線を牧野先生にぶつけてしまったんだよね。すると、
「俺も抗議したんだぞ? 前説明も無くそんな採点方式をするのはどうなのかとか、するとしてもそういったミスをしないようによくある間違い例を問題用紙に書いておくべきだったのではないのかとかな? ただ、補講はするし、補講を受ければ少なくても赤点以上の点数は与えるから問題無いの一点張りでこっちの意見を聞いてくれなくてな……」
と気まずそうにそう言ってきたんだ。僕は1つ溜息をついて、
「いえ……。牧野先生に文句を言うのはお門違いということはわかっていますから……。そもそもこんな初歩的な間違いをしてしまった僕が悪いですし……」
と力無く頭を振ってそう言うと、
「力になれなくてすまんな。補講さえ受ければ赤点ではなくなるらしいから、文化祭の準備もあるから忙しくなると思うが頑張ってくれ」
「……はい」
牧野先生は悪くないのに、一言謝って励ましてくれたんだ。僕はそれに頷いて返して席に戻ったのであった。
…………
……
「で? 何やらかしたのよ?」
放課後、このときを待っていたんだとばかりに真琴と優花ちゃんが僕の席へ駆け寄ってきてそう尋ねてきたんだよね。
「いや、まぁ……、あはは……」
さすがに周りにクラスのみんながいるときに言うことにはためらいを覚えた僕は笑って誤魔化そうとしたんだけど、
「別に点数まで言えとは言ってないわよ。牧野先生と京の会話で例の作文のテストでやらかしたってのはわかってるし」
やっぱり答案用紙が返却されたときの牧野先生との会話でバレちゃっていたんだよね。
「あはは……。だよね……」
みんなの前であんな会話しちゃったらそりゃバレるよねと肩を落としていると、
「牧野先生までが抗議するまでって、一体何をどれだけ間違えたのよ」
真琴が早く見せなさいと態度で示すかのように、手を差し伸べながらそう言ってきたんだ。僕は他の人には見せないでねと言ってから答案用紙を真琴に渡すと、真琴は作文のところを見て、
「あー……」
大幅減点の理由に納得したような声を出していたんだよね。そしてそのまま優花ちゃんへ僕の答案用紙を渡し、
「あー……」
と優花ちゃんも同じ反応をしていたんだ。優花ちゃんはそっと答案用紙を僕に返してきたから、僕は受け取ってから鞄の中へ入れ直していると、
「確かに作文で英数字を使ってしまうミスはふとした拍子にしてしまう間違いではありますね……」
「まぁねぇ。それにしてもひどかったわね……。同じミスなんだから1つのミスとしてあげてもいいのに」
2人がそう言ってくれたんだ。
「それは確かにそう思ったけど……。でも牧野先生が抗議しても駄目だったってことはもう何を言いにいっても駄目そうだしね……。2人ともありがとう」
だけど、何も手の尽くしようがないだろうと思った僕は首を左右に振りながらそう2人にお礼を言ったんだ。2人はまだ納得していないみたいだったけど、僕がそう言ったのを聞いてようやく諦めがついたみたいで、1つ溜息をついてから
「京がそう言うならあたしたちからは強くは言わないけど……。補講の内容次第ではただでは済まさないんだから」
「まぁ……、牧野先生へ補講を受ければ赤点ではなくなると言っていたみたいですから大丈夫だとは思いますが……、今回のテスト直前での採点方法の変更という前科がありますからね。もし今回の補講でも同じようなことをしてきたならば教えてくださいね? 然るべき処理をさせていただきます。もちろん言い間違いではありませんよ?」
と黒い笑みを浮かべながらそう言ってきたんだ。……うん。全然諦めてなかったね。それに僕は
「あ、あはは……。お手柔らかにね? それにたぶん大丈夫だとは思うよ? 今回のことは他のクラスでも話題にはなっているだろうし、そこでさらに補講でまでそんなことをしちゃったら、それこそ保護者が来ちゃうよ」
引きつった笑みを浮かべながらそう返したんだよね。
「そこよ! そこもまた怪しいところなのよ!」
すると真琴がそう指を突き立てながらそう言っていたんだけど、
「……そこ?」
そことは一体どこのことなのかがわからなかった僕は聞き返すと、
「どうやら今回の補講を受ける対象の人たちにはまだ答案用紙の内容は親には言わないようにとそれぞれの担任の先生経由であの先生が頼んでいるらしいですね。しかも答案用紙も渡さずに点数だけを伝えるようにと各担当の先生に頼んでいるようです。ただ、もし保護者にバレないようにする対抗策だとしても、それは余りに稚拙ですしから、一体何を企んでいるのかがわからないんですよ」
と優花ちゃんが補足してくれたんだ。だけど、
「……僕そんな説明受けてないし、答案用紙も手元にあるんだけど」
牧野先生からそんな話をされた覚えがない僕は思わずそう呟くと、
「それは……、恐らく牧野先生のミスですね。京さんに謝らないとという思いが強すぎて頭から抜けてしまっていたんでしょう」
優花ちゃんはそういえばそうでしたねと言いながら僕が説明を受けていない理由を教えてくれたんだ。
「……はぁ」
本当に牧野先生って所々で抜けているよね。まぁ、だからこそ生徒からも好かれているんだろうけど。ただ、今回はそのうっかりをしてほしくなかったなぁと思わずため息をついていると、
「とりあえずあれよ。過ぎてしまったものは仕方がないとして、補講を頑張りなさい? さっきあたしも優花も言ったけど、またテストのときのようなことをしてきたのならこっちからも出るとこ出てあげればいいだけの話だし。それよりも、他のはどうだったのよ? 他まで補講になったとかなったらさすがに文化祭の練習に支障をきたしかねないわよ?」
真琴が再び物騒なことを言いながらも、僕が他のテストでも補講になっていないか聞いてきたんだよね。確かに国語の点数は壊滅的だったけど、
「他は大丈夫だったよ? あのノートのおかげで社会や理科も大丈夫だったし、数学も問題なかったしね」
他の教科は勇輝のおかげでむしろ点数は高かったんだよね。国語も減点さえなければそうだったんだけど、それを言っても仕方がないよね……。そ、それはともかく、嘘をついていないことを証明するために、他の教科の答案用紙も真琴たちに見せると、
「おぉー、点数が上がってるじゃない。これもあのノートのおかげかしらね?」
「覚える方法としての相性は良いみたいですね? 後は作る方ですが……。これは実際に作ってみてから判断してくださいね?」
という反応が返ってきたんだよね。そしてその後、勇輝のおかげで点数が上がったことを改めて真琴にからかわれたり、牧野先生が戻ってきて点数のことや答案用紙の回収することの説明があったりしたけど、無事にその日を終えたんだ。
そして特に範囲についての補足がなかったために、もう一度テスト範囲を見直したり、作文で間違えたところを真琴や優花ちゃん、それに勇輝にも教えてもらいながら準備して迎えた補講当日、なるようになると自分に言い聞かせながらも教室の扉を開けるとそこには
「……健吾」
健吾がいたんだ。
この作文での減点の話は作者の知人の話を元にしていたりしていなかったり。
さすがにテスト当日ではなく、その採点方式にするとは前から言われていたようです。
何が間違いかについては一度作文を作って提出しないと教えてもらえなかったみたいですが。
余談ですが、零点以下を叩きだした知人はそれ以降その先生の前では作文関連のことになると一度も鉛筆を持たなかったらしいのですが、もし読者の中で学生の方がいらっしゃいましたら、決してマネはしては駄目ですよ?
そのような態度でどのようにして無事?に切り抜けたのかは私も知りたかったです。色々な意味で。




