104話 実力テスト開始
書き溜められると思ったのですが、やっぱり無理でした……。(訳:遅れてすみません)
「京? 調子はどうかしら?」
テスト当日、教室に入るとそう真琴が声を掛けてきたんだ。もちろん勇輝にはお礼と一緒にノートは返したよ? ただ、勇輝のノートのおかげで今回の暗記科目に関してはいつもより自信がある僕は
「ふふん。いつもよりは自信あるよ」
と荷物を机に降ろしながらそう答えたんだ。すると、
「ほうほう。やっぱりそれはあのノートのおかげかしら?」
真琴はニヤニヤと笑みを浮かべながらチラリと勇輝の方へ向けながらそう言ってきたんだよね。だけど、どうして勇輝の方を見たのかがわからなかった僕は
「うん、そうだよ? あっ、そうだ。ごめんね? ここ最近ずっと放課後すぐに帰っちゃって。今回はテスト対策を忘れていたから、その分をしっかり取り戻したかったんだよね」
そのことが気になったけど、それよりも勇輝からノートを借りた日からテスト当日まで、放課後になると真っ直ぐに家に帰ってしまっていたことを謝ろうと思っていた僕は真琴にそう謝ったんだ。すると真琴は少しの間ポカンとした表情を浮かべたかと思うと、
「……やっぱり京は京よね」
真琴は口元を手で押さえながら何かを呟いたんだよね。しかも若干肩を落としているような……? さっきまで僕をからかおうとしていたのにどうしたんだろうと思っていると、真琴は何かに気付いたみたいで、ハッと顔をあげて僕の方を改めて見て来たんだよね。
「……?」
僕の方を見てきて何も言ってこない真琴が何を言いたいのかがわからずに首を傾げていると、
「今さっき、京は放課後すぐに家に帰っていたっていったわよね? それって言葉の通りそのまま誰とも話すこともなく家まで帰っていたってことかしら?」
真琴は確認するかのように僕にそう聞いてきたんだ。何でそんな確認をしてきたのかがわからなかった僕はとりあえず聞いてきたことに答えようと頷いて返すと、
「はぁ……。そういうことね」
真琴は1つ溜息をついて何かに納得したようなだったんだ。そしてその後に
「最近、中山君の様子がおかしいのに気付いているかしら?」
僕にそう問いかけてきたんだよね。
「そうなの? 久川さんと2人で仲良くしているだけじゃないの?」
だけど、急に健吾の話題が出てきて僕は思わずムッと表情を少しだけしかめながらそう返したんだ。あのときも久川さんと仲良さそうにしていたし、このテスト期間中はずっと一緒にテスト勉強していたんじゃないかな? まぁ、僕の知ったことじゃないけどね。そんなことを考えていると、
「本当にこの2人は……。とりあえず今すぐじゃなくてもいいけど、中山君の話を聞いてあげなさい? 今回はちゃんと説明しなかった中山君が悪いからこれ以上あたしからは何も言わないけどね」
真琴は肩をすくめながらそう言ってきたんだ。そして僕が何か口を挟む前に
「さてと、こんな話題は終わりにして話を戻すわよ。丘神君のノートのおかげで暗記がいつもより自信があるみたいだけど、どんなことが書かれていたのかしら?」
真琴が続けてそう言ってきたんだ。健吾の話題を振ってきたのは真琴だけどねと心の中で毒づきながらも
「とある方法でテスト範囲の内容がまとめられていただけだよ? メモリーツリーって方法なんだけど、真琴は知ってる?」
そのことには触れずにそう返したんだよね。すると真琴は
「あぁ。あの中心に一番重要なことを書いて、そのことに関連することをどんどん書いていく方法だったかしら? たしか昔に優花に教えてもらったことがあるわね」
そんなのもあったわねぇと言いながらそう言ってきたんだ。そんな方法があったのかと興味を持ってくれると思っていたのに、違う反応が返ってきた僕は当てが外れて戸惑っていると、名前が出てきたからか、優花ちゃんが僕たちの方へと寄ってきて、
「どうしたのですか? 私の名前が出たような気がしましたが?」
僕たちにそう聞いてきたんだよね。
「今京と話していたんだけど、暗記方法でメモリーツリーの話が出てきたのよ。それでそういえば昔そんな暗記方法を優花に教えてもらったような気がするって話をしていたのよ」
すると真琴がすぐにそう返したんだ。そうしたら優花ちゃんは納得した表情を浮かべ、
「そういえば教えたことはありましたね。ただ、真琴はこんなの一々作るのが面倒くさいと言ってすぐにやめてしまいましたが……」
そう言い終わると同時にジト目で真琴を見たんだよね。僕もそうなのかという意味を込めて真琴を見ると、
「あんなのは一々作らなくてもしっかり授業を聞いて復習していればある程度頭に残っているんだから、少し気合を入れて覚えれば全部覚えられるわよ。それに一度優花に無理矢理作らされたけど、結局作る時間も入れればほとんど時間が変わらなかったし。むしろ時間が掛かったんじゃなかったかしら?」
真琴は腰に手を当て、うんざりとした表情をしながらそう返していたんだ。それに優花ちゃんは呆れた表情を浮かべて、
「だからあの方法は慣れるまで時間が掛かるとも最初に言ったじゃないですか。それを全く慣れていない状態で一度作っただけで判断をされましても……。まぁ、作ったものを見せていただきましたが、全くもって合ってなさそうでしたので私も強くは薦めませんでしたが……」
そう言っていたんだ。確かに真琴はすれば絶対出来るのに、自分が面倒くさいと思ったことに関しては中々してくれないもんね……。そんなことを考えていると優花ちゃんが僕の方を向いて
「今の話にも出ましたが、メモリーツリーにも向き不向きがありまして、ある程度これはここに関連付けると決めておかないと非常に見辛いものが出来上がってしまうんですよ。それでテスト範囲としてされているだけあって、大括りをしてしまえばテスト範囲の内容はすべてが何かと関係があるじゃないですか? だから真琴に試させたときはテスト範囲の内容を1ページにまとめようとしてしまいまして……」
と言って、そのときのことを思い出したみたいで少し遠い目をしていたんだよね。
「あー……」
その様子から、頑張って色々な方法でアドバイスをしたのにも関わらず、これでいいんだの一点張りで1ページに詰め込んだ挙句見辛いと文句を言われた図まで見えてしまった僕はそんなことを思わず漏らしていると、
「なによ? そんなことしなくても覚えられてるんだからいいじゃない」
真琴は口を尖らせながら僕たちにそう言ってきたんだよね。不貞腐れている真琴に僕たちは思わず見合わせて、苦笑してから
「ふふ……、そうだね。やっぱり万能な方法なんてないってことはよくわかったし」
「ですから京さんもご自分にあった方法を見つけてください。丘神さんのノートで今回のテスト勉強をしたみたいですので、さすがに真琴のようなことはしないと思いますが、合わないと思ったら素直に別の方法を探すのも手だと思いますよ」
と露骨にチラチラと真琴の方を見ながら2人で話し合っていると、
「もう! それはいいでしょ!! それより、暗記は大丈夫だとして他は大丈夫なの?」
真琴が声を荒げながら割り込んできて、その後に僕に向かってそう言ってきたんだよね。
「えっと……、数学ももう大丈夫だし……。少なくても前までよりは大丈夫だと思うよ、うん」
真琴が割り込んできたところで、示し合わしたように優花ちゃんとの会話をやめて、僕は勇輝に教えてもらった内容や、改めて勉強し直した内容を思いなおしながらそう答えると、
「ほうほう。なら期待しておくわね?」
「でも、油断は禁物ですよ? 特に今回の国語のテストの中の作文は減点方式だそうですし」
優花ちゃんが何やら不穏な単語を出して来たんだよね。どういうことかと思って、
「減点方式?」
優花ちゃんに聞き返すと、
「あくまで噂ですから本当かどうかはわかりませんが、今回の国語のテストの1つの作文では間違えた言葉や文法を使ったりしてしまう度に減点されていくとかどうとか……。ですので、大きく間違えてしまうとマイナス点にもなりかねないそうですよ」
と優花ちゃんが教えてくれたんだけど、
「え? でもそれって、下手をしたら何も書かない方が良いこともあるってことになるんじゃ……」
何も書かなかったら0点になるだけでマイナス点にはならないもんね。折角頑張ったのにマイナス点とかつけられちゃったらその頑張りを馬鹿にされているとしか思えないし。そんなことを思いながら優花ちゃんにそう返すと、
「えぇ。さすがに噂だけで本当のことではないとは思うのですが……。噂が本当だという可能性も少なからずありますので、お気を付けください」
優花ちゃんはそう言ってきたんだ。優花ちゃんもそんなことはないと思っているみたいだね。まぁ、そんなことをしてしまったら横暴の何者でもないものね。でも根も葉もないところからは噂は生まれないわけで……。まさか本当ってことはないよね? と少し不安になっていると、
「おう、おまえらー。そろそろ席につけよー」
と言いながら牧野先生が入ってきたんだ。その言葉を合図に僕たちは席に戻ったんだけど、優花ちゃんの言っていたことが妙に頭から離れなかった僕は不安を残したままテストを受けることになったのであった。
テストのことが続きそうですが、本編的には次回にはテストの結果が出ます。




