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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第一章 春休み編
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5話 楽しい?買い物

はい、お待たせしました?

それでは続きをお楽しみください

「あぁ、どんな服が京ちゃんに似合うかしら?今から楽しみだわぁ」


車を運転しながらそう言ってくる母さん。僕は全然うれしくないよ!今すぐにでも帰りたいよ!!

あっ、ちなみに今僕達は家から車で30分くらいにあるデパートに向かってるんだよね。ここって、僕の家の周辺じゃ一番色々な物が売ってるからいつも楽しみにしてたんだけど、今日ほどここに行きたくないって思ったことはないよぉ。


「さて、到着したし、早速行くわよ」


そういって、僕の手を掴んだ母さんは一直線にある場所に向かったんだけど、どこに向かってるか分かったとき、僕は何とか母さんの手を振り切れた。いつもは絶対振り切れないのに……、これが火事場の馬鹿力ってやつかぁ~ってそうじゃなくて!!


「か、母さん。こ、こ、ここは行く必要ないって!!は、早くお洋服を見に行こうよ。あぁ、僕もどんなお洋服があるかタノシミダナー」


正直、服も見に行きたくはないんだけど、さすがにこっちは無理!こっちに入るくらいならまだ着せ替え人形になってる方がマシだよ!最後の方は片言になっちゃってた気がしなくもないけど、早くここから脱出しないと!


「あらあら?京ちゃんったらそんなにお洋服を見るのが楽しみなの?でも、これ(・・)も絶対必要なものだし、早く行くわよ」


「いぃぃやぁぁだぁぁぁぁ!!」


そう、僕達が向かっているのはランジェリーショップ……。つまり下着を買いに……。ムリムリムリ、こんなところ入ったら恥ずかしすぎて死んじゃうよぉ。僕は男なのに、こんなところに入ったら変態さんみたいじゃないか


「京ちゃんは女の子なんだから、別にそんなに恥ずかしがることないじゃない。それに、そういやって駄々をこねてる方が目立って恥ずかしいとお母さんは思うわよ?」


「うっ……」


周りを見ると周りにいた人達が僕達の方を見ていた。うぅ、そんなに見ないでよ……。でも、やっぱり入りたくないし、どうやったらこの場を……


「……うわぁ!?」


「ほらほら、早く行くわよ?ここにいたって京ちゃんのせいで目立って仕方ないからね。早く中に入りましょうねぇ」


逃げることは母さんに再びガッチリ手を掴まれてしまって出来なくなってしまい、そのまま僕はお店の中に連れて行かれるのだった……。



………………

…………

……








「か、母さん。僕おかしくないかな?下着売り場に来た変な男の子って見られてないかな?」


もうどうやっても逃げることは諦めた僕。でも、やっぱり僕がこんなところにいるのはおかしい気がするよぅ。他の人に変態さんって思われてないか不安でビクビクしちゃうよ……。


「さっきも言ったけど、京ちゃんはもう誰がどう見ても可愛い女の子なのよ?そんなビクビクしてないで、もっと堂々としていなさい」


うぅ、そんなこと言ったって、いきなりこんなところで堂々とするのは僕には無理だよぅ。


「あ、それと。これからは母さんじゃなくてお母さんって呼ぶように心がけてね?」


「えぇー、お母さんなんて恥ずかしいし、いやd「さもないと……」」


今更お母さんなんて呼ぶのも嫌だし、断ろうと思ったら母さんは言葉を被せてきた。あ、これは何か前に見たパターンな気がする……。デジャヴ……?


「京ちゃんのパンツはこれからこれだけになっちゃいます。それが嫌ならこれからは『お母さん』と呼ぶようにしてね♪」


そう言って母さんはもうほぼスケそうなパンツを持ってきた。何あれ!?もうほとんど意味をなしてないじゃん!?あれを持ってる母さんの顔は笑ってたんだけど、眼が全然笑ってなかった……。ほんと怖すぎるからこの表情はやめてほしいよ……。ほんとは嫌だけど、言わないとほんとにあれを買っちゃいそうだし……


「…………お、お母さん……」


はい、よく出来ましたって言ってすぐに違う下着を取りに行く母さん。あれ?元々あれは買うつもりはなかったんじゃ……?もしかして僕にお母さんって言わせたくて演技したってこと?これは早くなんとかしないと、母さんの言うことを全部聞かなくなっちゃうよ……。これはそんな顔して無駄だからねって言わないと。


「京ちゃんなら、この当たりが妥当かしらね。それじゃ試着してらっしゃい」


そう言って母さんは僕に持ってきた下着を渡して試着室に押し込んだ。


やっぱりこれって着なくちゃダメなんだよね……?

これを着てしまったら、何かを失う気が……


「あら?京ちゃん、着方が分からなかったかしら?それじゃ、お母さんが手取り足取りで「今からすぐ着ます!!」」


モタモタしてたらもっと他の何かを失いそうだ。ほんと母さん、マジ悪魔。


いざ、渡されたブラジャーを見るとホックがついてないタイプだった。これは上から被るように着ければいいんだよね?


そうやってブラジャーの装着が完了したときに、ふと鏡に映った下着姿の僕が眼にとまった。

そこには肘くらいまで伸びた白くて長い髪の毛を持つきれいな女の子がそこにはいた。元から少し弱気な雰囲気だったのと相まって、儚げなお嬢様っぽい雰囲気が醸し出されていた。

……って、何自分に見惚れてるんだよ!?

それに今更だけど、女の子になる前も肩にかかるの長さだったのに、長くなったもんだなぁ。手入れとかしないとダメなんだろうけど、すごくめんどくさそうだし、バッサリ切ってしまいたいなぁ。


「京ちゃん?もう着たのならカーテン開けるわよぉ?」


「あ、ちょ……!?」


まだ返事してないのに母さんはカーテンを開けてきた。僕の姿は当然下着姿なわけで……。

余りの恥ずかしさにカ~ッと赤面する僕。何これ!?すっごい恥ずかしいんだけど!?思わず僕は胸の部分を手で押さえてしゃがみこんでしまった。


「あらあら?そんなに恥ずかしがっちゃって、可愛いんだから♪サイズはそれで合ってるみたいだから他にも持ってくるわね?」


そういってそのまま違う下着を探しに行く母さん。

せめてカーテンは閉めてよ!!





………………

…………

……









「ありがとうございました~」


あれから何だかんだあって、計10着の下着を購入して僕達はランジェリーショップを出た。そんなに買ったもんだから、出費はやっぱりそれなりしたもんで……


「母さ……お母さん、そんなにお金使っちゃっても大丈夫なの?父さんに怒られたりしないかな?」


お父さんはそれはもう厳格な人で、僕や兄さんは今までしっかりした人に育って欲しいと厳しく育てられてきた。そんな父さんにこのことが知られたら雷が落ちるんじゃないかと心配になってきたよ……。あ、母さんの名前を言い直したのは母さんって言おうとしたら睨まれたのが怖かったからじゃないからね、ほんとだよ?


「あぁ、それは昨日開いた家族会議でのことなんだけどね?今の京ちゃんの写真を見せたら涙を流しながらOKを出してたわよ?むしろこれも使ってくれってどこに隠してたのかは知らないけど、へそくりまで渡してきたしね」


「え?な、なんで!?」


「そりゃお父さんは昔から娘が欲しいって言ってたからに決まってるじゃない。しかもこんなにかわいらしい娘が出来たのよ?感激するくらい当たり前じゃない」


そ、そうなのか……。

父さん、そんなに娘が欲しかったのか……。何かそれって僕が男の子だったってのは何だかんだショックだったのかな?もちろん厳しくはあったけど、男の子のときでも愛されてるのはわかってたから恨む気は全然ないんだけどね~。


「……あ、でもそれだと兄さんは怒ってたんじゃない?僕ばっかりズルいって」


「確かに修矢(しゅうや)も最初は怒ったんだけどね、あなたの上目遣いの写真を見せたらむしろ親指を立ててグッジョブって言ってたわよ?」


……あれ?何か家の中に僕の味方がいない気がするんだけど、キノセイカナー。


「さぁ、それじゃ次はお洋服を見に行きましょうか。京ちゃんも楽しみって言ってたし、張り切っていきましょうね♪」


ランジェリーショップから逃げ出すために使った言い訳がこうやって自分に戻ってくるとは……。これが身から出たなんちゃらってやつなのかな……?

ハァ~っというため息をつきながら僕はもはや抵抗する気もなくなって、母さんの後をついていくのであった。


まだまだこの買い物地獄は続きそうだ……。

まだまだ続くお買い物

京ちゃんの安息の場所はどこへいったのやら……


ご意見ご感想があれば言っていただけると作者が喜びます


【追記】京ちゃんの兄の名前の漢字を勘違いしていましたので、少し修正

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