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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第三章 夏休み編
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83話 変わる心④

読者の皆様、あけましておめでとうございます。(遅い)

「京!これからはお兄ちゃんが護ってやるからな!!」


玄関から出てきてすぐにそんなことを叫びながら修矢さんは京へ近づいたんだ。すると京は、


「もう!そんな大声を出したらまたご近所さんに迷惑を掛けることになりますよ?それにこれからはって、今まででも十分過ぎると思いますけど……」


抗議するかのように口を尖らせながら修矢さんにそう言い返したんだ。それに対して修矢さんは、


「ははは、そこはあれだ、俺の気持ちの問題ってやつだ。何にせよまぁ、退院したばっかりで京も疲れただろ?早く家に入ったらどうだ?」


京にそう言っていたんだ。京も京で早く家へ入りたかったみたいで、「兄さん(・・・)が家に入るのを邪魔していたからじゃないですか」と言ってから家へと入っていったんだ。京が家へ入っていくのを見届けていると、修矢さんがさっきまで京に向けていた顔とはまるで別人のような表情をしながら


「ん?何だ中山、まだいたのか。もういいぞ?帰った帰った」


俺に向かって、シッシッと手を払いながら言ってきたんだ。その動作にムッと来た俺は


「そんな言い方はあんまりじゃないですか?」


と言い返したんだ。すると、


「あぁん?何言ってんだ?本当は京の近くに男なんて誰も近寄せたくないところを、京の意思を尊重して友達だったお前が傍にいることを黙って見逃していたんだぞ?だがしかぁしっ!!今の京とお前は友達でも何でもない、ただの他人だ、他人!!つまり、今この瞬間はお前に気を使う必要はないのだはぁ!?」


修矢さんは俺に指を指しながらそう言ってきたんだ。まぁ、言い終わるかどうかのタイミングで都さんに殴り飛ばされていたが……。


「健吾君、本当にごめんなさいね。ただでさえひどいブラコンだったのに、京が女の子に(こう)なってからはそれ以上にひどいシスコンを拗らせちゃってね……。これでもある程度抑えていたんだけど、今回の旅行での出来事を丘神先生と話しているところを聞かれちゃってね。それでたがが外れちゃって……「ふんぬぅ!」ってあら?」


都さんは都さんで、殴り飛ばした修矢さん(自分の息子)のことを気にも留めずに俺へ修矢さんがどうしてこんなテンションになってしまっているかについて説明してくれていたんだが、その途中で修矢さんが復活したんだ。復活した修矢さんは鼻息を荒くしながら俺たちの方へと近づいてきて、


「今の俺はこの程度では負けん!いいか中山!お前の学校の連中にも言っておけ!京に近づくやつはこの俺が許さないとぉ!?」


もう一度俺へ指を突きつけてからそう宣言してきたんだ。最後に都さんに裏拳でまた吹き飛ばされていたが……。都さん本当に容赦ないな……。

そんなことを思いながら修矢さんが吹き飛んだ方を見ると、かなりすごい吹き飛び方をしたのにもう立ち上がっていたんだ。人を拳1つで殴り飛ばせる都さんも都さんだが、修矢さんの身体も頑丈過ぎないか……?

修矢さんの身体の頑丈さを改めて思い知り、思わず目を見開いていると、


「……はぁ。とりあえず止められるけど、抑えることは難しそうね。本当に頑丈さだけはあの人譲りなんだから……。健吾君、申し訳ないんだけど、今日は一度家へ戻ってもらえるかしら?この馬鹿は後で私がしっかりと教育(説得)しておくから」


都さんがそう言ってきたんだ。都さんまで俺を追い返すのかと、都さんに言おうと思って都さんの方を向いたんだが、都さんが申し訳なさそうな表情をしながら俺に向かって頭を下げていたんだ。都さんの様子に、言おうとしていた言葉が引っ込んでしまった俺は、頭の後ろをかきながら、


「……わかりました。今日はこれで失礼します」


とだけ言い、都さんに頭を下げてから俺は帰路に着いたのであった。


…………

……


「ん……?」


家へ帰り、何とも言えないやるせなさに暫く何にも手がつかないでいると、机の上に投げ出していた携帯が震えたんだ。こんな時間に誰だと思って携帯を開くとそこには、


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

件名:今日は本当にごめんなさい


~本文~

今日はわざわざ付き合ってもらったのに、追い返すようにしてしまって、本

当にごめんなさい。

修矢にはあの後、しっかりと話しをしておいたから、今日のようなことには

ならないから安心してね。


P.S.

明日都合がよければでいいのだけど、京を連れてどこかに連れていってもら

えないかしら?

入院していたといえど、身体は健康そのものだから元気が有り余っているよ

うだし、家の中にいると修矢が鬱陶しくて気が休まらないと思うから。

健吾君さえよければ、ぜひ連れ出してあげてね。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――


都さんからそんなメールが届いたんだ。都さんが大丈夫って言っているんだし、修矢さんと出くわしても、多少何かはありそうだが、今日のような露骨な態度はとられないだろう。

それよりも、京を連れ出してほしい……か。俺としても願ってもないことなので、すぐに「京さえよければ全然大丈夫ですよ。何時ごろに行けばいいですか?」と返信したんだ。するとすぐに返事が返ってきて、


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

件名:ありがとう


~本文~

京にはすでに話を通してあるから大丈夫よ。

時間も健吾君が都合の良い時間に来てくれれば大丈夫。

明日は健吾君1人に任せてしまうことになるけど、お願いね。


P.S.

記憶の矛盾が起きて戸惑うこともあるかもしれないけど、それでも明日の

デートは楽しめるようにしっかりリードしてあげてね。

がんばってね、男の子♪

――――――――――――――――――――――――――――――――――――


そのような内容だった。無事京とのデートの約束を都さん経由とはいえ、取り付けることが出来たが、どうしようか。自分の気持ちのままにすぐに了承の返事を出したが、京と上手くコミュニケーションを取れるのだろうか。会話をしようにも、今の京は俺と微妙に距離を取ろうから中々会話を弾ませることが出来ないし、近づこうと思って少し踏み込むとその分下がられてしまったしな……。今の京にはゴールデンウィークのときのような話題も振ることが出来ないし……。雰囲気もはつらつとしたものからおっとりと言えばいいのか?大人しめの雰囲気になったから、行くところも今までのところに行ってもきっと面白くないだろうしな……。俺は京を楽しませることが出来るのだろうか……?


……やばい、不安になってきた。

今年はこっちは月に4回は更新することを目標に頑張りたいと思います。

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