78話 悪夢の始まり③
先週は更新出来なくてすみません……。
やっぱりお酒弱いのに、飲みすぎたらいけませんね……。
「…………健……吾?」
いや、健吾なのは間違いがないんだけど、今まで見たことがないような表情をしている健吾を見て僕は思わず聞いてしまったんだ。
だけど、健吾は僕の問いには答えず、健吾に吹き飛ばされた藤林君を呆然と見つめ、僕の足を掴んだままの青木君の方を見て、
「おい、いつまで京の足を掴んでんだ?」
決して大きくない声が健吾の口から発せられたんだ。
青木君の方に健吾が顔を向けたから僕の方からは見えなかったんだけど、健吾の顔を見た青木君はビクッて体を大きく跳ねさせたと思ったらすぐに僕の足から手を離して後ろへと下がっていったんだ。
青木君が下がったのを確認した健吾が僕の方へと振り返り何かを言おうとしていたんだけど、
「お、おい。殴るだけ殴って無視するとか何様じゃんよ!?それに、状況わかってるじゃん!?」
藤林君が頬をさすりながら、どこから取り出したのか、金属バットを片手に持って、ゆっくりと僕たちの方へと近づいてきたんだよね。だけど健吾は
「お前は馬鹿だ馬鹿だとは思っていたが、数か月前に俺が言ったことすら覚えられないとは……」
藤林君の言葉を無視して藤林君に向かってそう言っていたんだ。そのことに藤林君はさらに怒ったみたいで、青筋を立てながら、
「だから無視すんなって言ってるじゃん……よ!!」
持っていた金属バットを振り上げて、そのまま健吾の方へと振り下ろしたんだ。だから思わず
「健……っ!!」
健吾の名前を叫ぼうとしたんだけど、その前に……
「ぐへぇ!?」
健吾が藤林君を裏拳で再び吹き飛ばしたんだ。そして、もう一度僕の方へと振り返り、
「遅れてすまない。京、助けに来た」
と言って、着ていた上着を僕へ掛けてくれたんだ。だけど、
「……どうした?」
僕は咄嗟に視線を逸らしてしまったんだ。その行動に健吾も戸惑った様子で僕に聞いてきたんだけど、今顔を見られるとマズい僕は顔を下へと向け、視線を逸らした理由を答えずにいると、
「何なのですの!?何なのですの!?これからというときにぃぃぃぃ!!それにやっぱりこの場所がバレてしまっているじゃないですの!!」
海老菜さんが癇癪を起しながらそう叫び、その声に反応して顔を上げると、海老菜さんは青木君を睨んでいたんだ。青木君はすぐに何か言おうとしていたんだけど、その前に海老菜さんは青木君のお腹を思いっきり蹴り上げ、うずくまった青木君の頭を踏みつけていたんだ。その光景に思いっきり引いていると、
「……そいつはお前の仲間じゃなかったのか?」
健吾もさすがに海老菜さんの行動は引いていたみたいで、さっきまで表に出ていた怒った表情ではなく、口の端を引きつらせながら海老菜さんに尋ねていたんだ。すると、海老菜さんは青木君の頭の上に足を置いたままこちらへ振り返り、
「えぇっ!えぇっ!!こんな役立たずの屑、仲間でも何でもないですわ!!それよりも中山健吾!またしても邪魔をしてくださいましたわね?あのときはこちらも引き下がりましたが、今回はもう許しませんわよ?」
捲し立てるようにそう言ってきたんだ。そして言葉を言い終わると同時に僕たちを睨みつけてきたんだけど、健吾は全く取り合わず、
「お前らこそ、自分がしたことをわかっているのか?完全に犯罪なんだぞ?」
そう返していたんだ。犯罪という言葉に海老菜さんの周りにいた人たちはビクリとしていたけれど、
「そんなこと十も承知ですわ。ただ、知っていますか?犯罪というものは、誰かにしたことがバレることによって犯罪として成立するんですのよ?このような場所で、どうやって外部にこのことが漏れるのか逆に教えてもらいたいですわ」
海老菜さんは笑みを浮かべながらそう返してきたんだ。それに対して健吾は
「まさかバレないと……「まさかっ!!」……」
言い返そうとしたんだけど、それに被せるように海老菜さんが再び口を開き、
「貴方の言葉を借りるのなら、貴方こそ、わかっていらっしゃるのでしょうか?今、この状況で、貴方1人で、どうすれば外部へと情報が洩れるのでしょう?1人でも問題ないと思ったのでしょうか?そうお思いなのでしたら、私の後ろに控えさせている者どものお相手を願いたいのですが?」
そう健吾に言っていたんだ。その言葉に健吾は露骨な溜息をついてから、
「俺こそ逆に聞きたいが……。どうして俺が1人で来たと思っているんだ?」
海老菜さんに聞き返したんだ。すると、
「まぁ、そうでしょうとも!藤林や青木とは違うでしょうから、貴方1人ではないでしょう!でも、貴方たちのメンバーは10人にも満たないでしょう?それにそもそもこの場所へたどり着けたのは貴方1人のご様子。それでどのようにこの場所を連絡するのか私も気になるますわね」
海老菜さんはワザとらしく肩をすくめながらそう言ってきたんだ。それに対し健吾は
「だ、そうだが?どう思う?」
海老菜さんのさらに奥へと声を掛けたんだ。海老菜さんが振り返るのにつられて、僕もそちらの方に向くと
「まっ、これだけ大勢で群れていたら勘違いしたくなるんじゃないの?」
「まぁ、大勢で群れたところで、こんなけ弱かった意味あらへんけどな」
いつの間にか海老菜さんの取り巻きを無力化していた真琴と小野君の姿があったんだ。
それには海老菜さんもビックリしたみたいで、
「なっ、なっ、なんなんですの、貴方たちは!?いつの間にこいつらを……」
声を震わせながら真琴たちを問いただしていたんだ。すると、
「いつの間にって……。あんたが偉そうに語っていたときに決まっているじゃない」
「せやで。中山もうまいことお前の注意を引いてくれとったから、俺らはこいつらに声をあげさせないように気絶させるだけでよかったから楽やったわ」
真琴と小野君は当然かのようにそう言ってのけたんだよね。その言いように、海老菜さんも口をパクパクさせて何も言えないみたいだったんだ。その様子に真琴は
「で?大人しく投降してくれると助かるのだけど、大人しくしていてくれるのかしら?」
と海老菜さんに問いかけると、海老菜さんは顔を下へと向けたんだ。抵抗はしないのかなって思っていると、
「ヒ……」
海老菜さんの口から小さいけど、何かしらの声が漏れだしたんだ。何事かと思って、みんなの視線が海老菜さんの方へ集中すると、
「ヒ、ヒヒ、ヒヒヒ。まさかこの程度で勝ったと思っているんですの?失礼。余りにもおかしくて笑いを抑えられませんでしたわ」
海老菜さんは口が引き裂けているのではないかと思うくらいの笑みを浮かべながらそう言うや否や、パチンと指を鳴らしたんだ。すると、
どこからともなく、真琴と小野君が制圧した人数の倍以上の人が出てきたんだ。丁度僕たちを囲むように……。
その状況に戸惑っていると、
「それで、大人しく投降していただけると助かるのですが、大人しくしていてくれるのでしょうか?」
恍惚を顔に浮かべた海老菜さんが僕たちにそう言ってきたんだ。
それにしても、海老菜を絡ませると、どうしても文章が長くなってしまっている気がします(・ω・`)




