ビッチヒロインの1日のスケジュール
スペック高い男性を独占するヒロインて、時間管理しっかりしてないとできないよね。と思い書きました。
卑猥?な言葉が出ます。何でも許せる方向けです。
今日も、この国の第一王子は、色恋宿でイチャイチャしている。
相手は、最近平民から男爵令嬢になった、ピンク頭。もとい、サキュ・バース男爵令嬢。
この令嬢が学園に編入してから、学園内の空気が変わってしまった。
歴史ある由緒正しき学園。貴族が多く通い、お互いに切磋琢磨しながら、あるものは勉学を極る為、あるものは人脈作りの為。誰しも目標をもって生活していた学園に異物が混入したのは、半年前。
良く言えば天真爛漫。悪く言えば無作法なピンク頭が入学してきて、どんどん男子生徒が、フェロモンに落とされていく。
それと同時に、婚約者達や女子生徒の目が吊り上がり、眉間に皺が増え、学園内は底冷えする空気に変わってしまった。彼女達が何も言わないのは証拠を集めているのだろう。
このままでは、第一王子の婚約者を筆頭に、大きな爆弾(婚約破棄)が次々と落とされるのも時間の問題。
そんなことになったら、たまったもんじゃない。
ほとんどの婚約は利害の一致や、業務提携関連の政略的婚約。これが一気に壊れたら、派閥が崩壊する。
他国に隙を与える。最悪、国が滅ぶ。安定した俺の未来も滅ぶ。
俺は侯爵家の長男。跡取りではない。子爵令嬢だった母の連れ子だ、本当の父は平民だった。
母と父は駆け落ちし、俺が生まれてから、父は病気で亡くなったらしい。
母は子爵家に戻り、その後、年配の侯爵様(儀父)と再婚した。
だから俺に侯爵家の血は一滴も入っていない。
3歳年下の弟が侯爵家を継ぐ。
侯爵様(儀父)は母を大切にし、他人の俺にも十分な教育と、周りを見通す目を育ててくれた。その一環として、城下町に足を運んだり、時には、ちょい悪仲間とやんちゃな経験もしてきた。
俺は学園を卒業した後は、恩を返す為、弟を支え侯爵家が持っている領地を管理していくだろう。
俺にとっては、この学園に通わせてもらっている事も、努力次第で未来が開ける事も本当にありがたい。侯爵様(儀父)には、感謝しかない。
そんな俺の未来を壊そうとしているのが、ピンク頭だ。
ピンク頭は、あろうことか、俺の弟にまで手を出して来た。
要領が悪いが努力家で素直だった弟は、ピンク頭に夢中で、やれ、美味しい紅茶だの、やれ、流行りの化粧品だの、個人資産で買いあさり、貢いでいる。
ピンク頭の、どこがいいんだ。
やっぱり胸か、胸なのか。ボデイータッチでやられたのか弟よ。チョロいぞ、目を覚ませ。
何度か、弟にピンク頭はやめろ、あいつはビッチだ。と進言したが弟は逆上。
「サキュは、そんな子じゃない。両親を亡くして悲しみの中で、慣れない環境に放り込まれても、めげずに頑張る。笑顔の絶えない、寂しがり屋だ」
と、訴える。
うっそー。そんな風に見えてるの。あのピンク頭が、目を覚ませ弟よ。
そこで、俺は強硬手段に出た。
ピンク頭と、学園でイチャイチャが目撃されている男子生徒は推定4人。
1人目は第一王子。2人目は宰相の息子。3人目は騎士団の息子。4人目は侯爵家跡取り(俺の弟)だ。
ピンク頭は、同時にこの4人と付き合っている。4股だ。
弟にそのことを話しても信じてもらえなかった。
じゃあ、他の奴がイチャイチャしている所を弟に見せればいい。
俺は、城下町の色恋宿に弟を連れて来て隠し部屋の隙間から、実際に第一王子とイチャイチャしている場面を見せてみた。
第一王子は、ピンク頭のあらぬところに手を入れ、ピンク頭は気持ちよさそうにあえいでいる。
「・・・うそだ」弟、絶句。
いつも放課後は侯爵家の後を継ぐため、すぐに帰って勉強していた弟には刺激が強すぎたようだ。
「事実だ。認めろ」
俺は弟の肩に手を置いた。
すん。
弟は、感情のない冷めた目で、ピンク頭を見た。
「・・・もう、いいや」
そう言うと、弟は隠し部屋を出て、第一王子とピンク頭がいる色恋部屋へ走り出した。
色恋部屋の前で、平民姿の近衛兵に止められている。
「おい、おい、待て、待て、相手は腐っても第一王子だぞ」
「だとしても、だからこそ、ここではっきりさせた方が良い」
「だとしてもだ、証拠がない、俺たちの証言だけでは不十分だ」
「近衛兵がいる。ここの色恋宿の亭主もいる、証言は十分だ」
「いや、近衛兵は守秘義務がある話せない。色恋宿の亭主は金と権力で動く俺達に勝ち目はない」
「じゃあ、どうするのさ、このままでいいの」
「今、第一王子の婚約者が証拠を集めてるはずだ。それを待て・・・。いや、待っちゃいけない。身の破滅だ」
俺と弟が色恋部屋の前で、大声で言い争っていると。
「何を騒いでる!誰の許可を得て、ここまで入った」
第一王子が、色恋部屋から出てきて叫んだ。
その隙に、近衛の手をはらい、弟は色恋部屋へと、するりと侵入。
「「おい、待て」」
第一王子と俺の静止も聞かず、ピンク頭へ一直線。
「ねえ、サキュ。手帳出して、スケジュール帳。いつも持ち歩いてるよね。俺と合う前も後も、いつも確認してるじゃん。次の予定。今までは几帳面な子だと思ってたけど、どんな事かいてあるのか気になって。ねえ、出して、ほら早く」
弟の目が据わっている。やばい、激怒だ。
俺が必死で制止している、第一王子の怒鳴り声も聞こえてない。
「ひっ!これは誤解なの。信じて、そんなつもりじゃなかったの」
ピンク頭は、涙+上目づかいで交戦。
「だから何。早くスケジュール帳出して」「やめて、やめて、持ってないわ」
弟は、ピンク頭のバックから、手帳をもぎ取った。
ピンク頭は抵抗するが、近衛にベッドに抑えつけられた。
弟は、ピンク頭のスケジュール帳を見る。
俺も、第一王子も、スケジュール帳をのぞき込む。
今日の予定
7:00 男爵家のイアン(庭師)と××。短時間で終わらせる。
9:00 学園にて、隣の席のジャン(同級生)にかまう。次の獲物。
12:00 スチュワート(宰相息子)と生徒会室でBまで。次の予定を決める。
15:00 数学の授業でお腹を壊したふりをして、シャイン(数学教師)と保健室でAまで。次回のテストの答案用紙をもらう。
放課後 色恋宿でハイン(第一王子)と××。宝石をねだる。
帰宅後 男爵家のヨハン(執事)を今日こそ落とす。男爵家の実権を握る。
3人は顔を見合わせた。
「離して、暴れないわ。バック取って、タバコ吸っていい」
近衛兵を押しやり、足を組んでタバコを吸い始めたピンク頭。
「ハハハハハハハ。何これうける。マジで実行してるの?スゴ!ある意味スゴ!」
弟は腹を抱えて笑っている。
「・・・・。」
第一王子は絶句している。
「おお、本性表しやがった。前のページも、その前のページも、人の名前が変わってるだけで、似たよな内容だ。お前なん股してんの?」
俺は、スケジュール帳を隅から隅まで眺めた。
「ん~。21股かな」
「マジで、人ってそんなに股ぐ事可能なの?」
「できるよ」
「凄いね。ねえ、人の名前の横についている数字は何?」
「好意順」
「弟よ、お前16番だって、ちなみに第一王子は10番」
「じゃあ、名前の横に『金』てあるのは、金ずる?」
「そうよ」
「この16の横の『健』てなに?」
「メンタルケヤー枠」
「ハハハ、弟よお前、いい子で良かったな」
「ハハハハ、そうだね」
「ハハハハ、そうだな」
俺達兄弟は、すん。
「もういいや、帰ろうぜ」
「ああ、帰ろう」
ピンク頭のスケジュール帳を、茫然とする第一王子に握らせ、色恋部屋を後にした。
その後、ピンク頭は学園には来ていない。
どうなったかも知らない。怖いので聞かない。
何人かの生徒や、教師も謹慎や、辞職に追いやられたが、詳しくは知りたくない。
触らぬ神にたたりなし。
第一王子は、まだ、婚約解消されていない。処分も受けていない。
だが、謹慎や辞職に追いやったのは、第一王子ではない婚約者だ。
第一王子の今後も時間の問題だと感じる。
あれから、学園の空気は、底冷えから、寒さが和らぎ、何とか凍えずに生活で出来るようになった。
このまま、春を迎えれる事を祈っている。
一度すん。となった弟は、良い方に化けます。努力家そのままで要領よくなります。
兄と二人三脚、侯爵家の領地を盛り上げていきます。
読んで頂きありがとうございました。




