これは大事なことだから
前半は咲、後半は蜜柑視点です。
どうしてだろうか?
何故ひまりがあんなことを言ったのか私には分からなかった。
ひまりはこれでお別れと言ったが私はこんなところで終わりにはしたくなかった。まだ私はひまりと一緒にいたい。
それにひまりの話はあまりにも唐突すぎる。もっとひまりの気持ちが知りたかった。
とりあえずひまりはどこかに行ってしまったし一人で霞先生のところへ向かわないと行けなかった。
「咲、こんなところにいたんだね。心配で見に来たけどひまりは?」
私が一人で困っているとそこには蜜柑の姿があった。蜜柑がどうしてここにいるかは分からないがとりあえず助かった。
「蜜柑、私もう分からないよ。どうしたらいいの?」
「何、どうしたの?話なら聞いてあげるからとりあえずどこか行こっか。」
私が蜜柑に泣きつくと蜜柑は優しく相槌しながら私の話をゆっくりと聞いてくれた。やはり蜜柑は優しい。今の私には誰かを頼るしかなかった。私一人では無理だ。
「そっか、ひまりはついに言ったんだね。」
「蜜柑は何か知ってるの?知ってるなら教えてよ。」
明らかに何か知ってそうな蜜柑を私は問い詰める。何か知っているのであれば教えて欲しい。今の私には何も分からないから。
「私から言えることは何もないよ。知りたいのであれば本人に聞くといいよ。」
「何も言えることがないって何?ひまりはずっと苦しんでるように見えたよ。なのに蜜柑は何も教えてくれないの?ひまりのことを何とも思わないの?」
私を少し声を荒げながら蜜柑を見る。
何故蜜柑は何も教えてくれないのか?蜜柑はひまりのことが心配じゃないのか。私はそんな蜜柑に苛立っていた。
「そんなことないよ。私もひまりのことが大切だから。ただ咲には言えないんだよどうしても。」
蜜柑は悲しそうにそっと口にした。
「そっか、じゃあ蜜柑はひまりがこうなることも分かっていたの?分かっていて放置したの?」
「そうだよ。ひまりには悪いけれどこうするしかなかったんだよ。私から言えることなんて何もないから。」
何事もなくさらっと言う蜜柑についに私は怒りが達した。私は蜜柑の服を掴んで睨みつけた。
「何でなの?ひまりは明らかに様子がおかしかった。それなら気づいた時点で止めるべきじゃん。何でそのまま放置したの?」
色々と抱え込んでそうなひまりに気づいてあげられなかった私は最悪だ。それでも蜜柑は気づいた上で放置した。それはひまりを見捨てたいうことと同義ではないか。
「落ち着いてと言うのも変か。正直今の咲がひまりに何を言っても無駄だよ。もう、こうなったからにはそっとしておくしかないよ。」
「分かった、蜜柑はひまりのことがどうでもいいんだ。いいよ、それでも私はひまりを助けるから。じゃあ、私は行くから。」
「待ってよ咲。一旦落ち着いて。」
蜜柑は私を止めようと声をかけるが私は全て無視して教室へと戻った。
蜜柑が助けてくれないのであれば一人でひまりを助けるだけだ。絶対にひまり一人に辛い思いはさせない。
「咲、怒ってたなあ。そりゃそうだよね。」
私の発言で咲を傷つけてしまった。本当に私ってバカだ。
私だってひまりのことは大事だしできることならひまりを助けたかった。ずっとひまりが一人で悩んでいることは知っていた。
でもひまりは咲のことが好きでその恋心を隠している。ひまりは咲のことで悩んでいるのにそれを本人に言えるわけがない。その上、私も咲が好きなのにひまりの相談に何て乗れない。
それにひまりはもうすぐ転校してしまうんだ。今更何かしようとしても意味がない
だけど正直ひまりの別れ方は本当に合ってるのかと思ってしまう。あの別れ方では二人とも傷つくだけだ。
それに私だって寂しい。私が荒れてた時でも椿とひまりは隣にいてくれた。だから私だってひまりの力になりたかった。
ひまりも久々に会った時、どこか生きづらそうで私も辛かった。そんなひまりを変えた咲は本当にすごいと思う。だから私は二人のことが大切だった。
「何で私を頼ってくれないの?」
私は何もないところに一人呟くことしかできない。もうここまできたら誰もひまりを止められないのかもしれない。
柳さんも椿も鏡音凛もそれぞれ個別に行動していることは知っていた。しかし結局誰もひまりは止められなかった。
いつからだろうか。私はどうすればよかったのだろうか?やっぱりひまりの相談に乗ってあげた方がよかったのだろうか?
いや、優しいひまりのことだから結局気持ちを抱え込みそうな気がする。
こんな結末は悲しすぎる。私は今からでも何かしたくて仕方がなかった。
まだ何か私にできることはあるだろうか?
一つあるとすれば。




