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はなかご  作者: 和音
第二章 みんなと一緒なら
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いつもの日常

「いやー、それにしても帰省もあっという間だった

ね。もう少しここにいたかったよ。」

帰省してから色々と楽しかったが気がつけばあっという間で今は歩いて駅に向かう途中だった。私も少し寂しいがそれでも帰らないとみんな心配してしまう。

「そうだけどそろそろ帰らないと親に迷惑かけちゃうし、向こうのみんなも心配するから。それにまだ宿題だって終わってないでしょ。」

私が睨むと蜜柑は目を逸らした。絶対にやってないじゃん。

「まあ、宿題なんて最終日にやればいいんだから。それまでは現実逃避させてよ。夏休みはまだあるんだから。」

いや、蜜柑はそう言ってやらないタイプな気がする。今度みんなで勉強会を開いた方がいいかもしれない。

「そうだよ、私も咲っちと入れるのは今日が最後なんだから。」

私達が歩いてるとなのちゃんが後ろから抱きついてくる。

「チッ。せっかく二人だと思ったのに。」

「なのちゃん、今日はどうしたの?」

突然後ろからくるから私はびっくりしてしまう。私が驚くとなのちゃんは大笑いする。それに蜜柑は今日もなのちゃんを睨んでいる。結局二人が仲良くすることはなかったか。

「咲っち、今日で帰っちゃうんでしょ?だから最後に咲っちを見送りたいなと思って。」

なのちゃんはそう言ってずっと私に抱きついて来る。

「うん、私ももっとなのちゃんといたかったから嬉しいよ。だけどあまりくっつかないでもらえるかな。」

「えー、いいじゃん。咲ちゃんのケチ。」

いや、私がなのちゃんと近すぎると私が鈴ちゃんに殺されるんだよ。だから、私は一定の距離を取るしかなかった。

「ほらほら、そう言って咲っちも本当は私とくっつきたいんじゃないの?」

「いやいや、咲は私の事が好きなんだよ。ほら、私と一緒にいようね。」

二人がそう言って私の両腕を掴んで歩くせいで私は歩きづらくてしかたない。私はふらつきながらもなんとか目的地に向かうのだった。






私達は駅に着くと電車が来るまでの暇な間でお話をしていた。

「はあ、本当に寂しいよ。もう咲っちと会えなくなるなんて。」

「大丈夫だよ。また、今度会えるよ。今度の文化祭に来てもいいし。」

私がそう言うとなのちゃんは目を輝かせる。夏休みが終われば次は文化祭が始まる。文化祭にはぜひみんなに来てもらいたかった。

「えっ、私も行っていいの?絶対にいくよ!」

「うん、楽しみにしてるね。」

なのちゃんはとてもはしゃいでてとても可愛い。

次の文化祭の時はみんなで集まれるといいな。

「むー、そんな事より私ともっと話そうよ。」

「いやだ、貴方はいつでも咲っちと話せるんだから今くらい私に譲ってよ。」

そう言って二人はまた喧嘩を始める。結局この二人は仲が悪いままだった。私はため息を吐くしかなかった。

「やあ、みんな仲良くしてて何よりだよ。今日で咲が帰っちゃうから僕は悲しくて仕方ないよ。」

「あら、なのはちゃんも来てくれてたのね。本当に咲は愛されてるわね。」

私達がお話ししているとお父さんもお母さんも駅までやって来た。別に駅まで来なくていいって言ったのに私の親は本当に優しい。

「二人ともありがとうね。わざわざここまで見送りしてくれて。」

「そりゃあするわよ。咲がわざわざ来てくれたんだもの。私達だって咲を見送りたいわ。」

「二人ともお久しぶりです。私も咲っちと会えてとっても嬉しいです。」

なのちゃんはそう言って二人に挨拶をした。なのちゃんもこう言う時だけは礼儀正しい。

「もう、そうやってまた咲にくっついて。咲は私とくっつくんだから。」

親の前でも喧嘩する二人には私は呆れて声も出ない。

「はっはっは、咲はモテモテだなあ。向こうに帰っても浅野さんと仲良くするんだよ。」

「もちろんだよ、蜜柑は私の友達だし。」

私達がお話しているとあっという間に時間が過ぎ、すでに電車が到達していた。

「ふふふ、それじゃあ二人とも向こうでも元気でね。」

「寂しいけど今度は私がそっちに行くからね。またねー。」

親もなのちゃんも手を振って見送りしてくれる。

私も手を振り返しながら蜜柑と電車に乗るのだった。

「みんなありがとう、それじゃあまたね。」

こうして私の帰省は終わりを迎えたが本当にとても楽しい帰省だった。

「いやー、本当に楽しかったよ。その分すごい疲れたけど。」

「うん、帰ったら早くベットで眠りたいかな。」

私達は電車の中でお話ししていた。しかし花坂町まで時間があるから途中で眠ってしまう可能性がある。

「咲のアルバムも貰えたいしいい収穫だったよ。」

蜜柑はそう言って鞄から私の過去の写真だらけのアルバムを取り出す。

「待って、蜜柑がなんでそれを。」

「ふっ、お母様に咲の昔の写真が欲しいって言ったらアルバムをくれたんだよ。この頃の咲も本当に可愛いね。」

お母さんってば私に何も言わずによくもそんなことを。

「恥ずかしいから返してよ。」

「いやだよ、だってこんなに可愛いんだよ?私はこれを家宝にするんだ。」

蜜柑はそう言って全然アルバムを返してくれず、私をため息は吐く。

「まあ、いいや。それにしても帰ったらみんなに会うのも楽しみだね。」

お土産もたくさん買ったし早くみんなと会いたかった。

「咲、また二人で一緒に行こうね。」

「うん。」

蜜柑はそう言って私の手を握る。来年も再来年も私達はこうやって一緒にいたい。本当に蜜柑といると楽しくて仕方ない。帰ったらみんなに会って帰省の話をしよう。そう考えると楽しみで仕方なかった。

気づけば私と蜜柑は手を繋いだまま、ぐっすりと眠っていた。









「ふー、本当に長い旅だったよ。早く家に帰ってシャワーを浴びたいや。」

私達は長い旅を終えて寮に戻った。私達は寮について深呼吸をする。

「本当に楽しくて疲れる帰省だったよ。」

私達が自分の部屋に戻ろうとするとちょうど西園寺さんと鉢合わせる。西園寺さんもどこかに出かけていたみたいでとてもおしゃれな格好をしていた。

「あら、日野さん達じゃないですか。そんなに大きな荷物を持ってどこに行っていたんですか。」

「蜜柑と一緒に私の実家に行っていたんだ。ちょうどお土産持って行こうとしてたから良かった。」

私は西園寺さんと影山さんの分のお土産を渡した。

「わざわざありがとうございます。二人で帰省だなんて本当に仲がいいんですね。」

「まあ、蜜柑がどうしてもって聞かなかったからね。」

「だって一人なんて寂しいもん。」

「ふふっ、浅野さんらしいですね。」

「西園寺さんこそどこか出かけてたの?」

私が質問すると西園寺さんは嬉しそうに語る。

「ええ、実は今日影山さんと二人でお出かけしてたんです。ゲームを二人で買ったりして本当に楽しかったです。」

影山さんとの思い出を語る西園寺さんはとても楽しそうだ。だから服もいつもより気合が入ってたのか。

「そういえば二人は実家に帰ったりしないの?」

「私の場合、親とはいつでも会えますから特に実家に帰ったりはしませんね。影山さんはどうでしょう?彼女から一度も家の話は聞いたことないのでよく分かりませんが帰る気はなさそうでしたよ。」

意外とみんな夏休みに帰省したりはしないものなのだろうか?

「そっか、それじゃあまた今度ね。」

「そうですね。ああ、一つだけ言いたいことがありました。」

「どうしたの?」

「今度暇な時があれば日野さんと二人きりでお話がしたいのですが宜しいでしょうか?」

「全然大丈夫だけどどうしたの?」

改まって二人で話したいこととはなんなのだろうか。

「まあ、相談事というか何というか。」

そう言って西園寺さんはもじもじとする。

「まあ、そういうことなのでまた今度。」

西園寺さんはそう言って自分の部屋に戻って行った。

私達も早く自分の部屋に戻ることにした。

「はあ、やっぱり自分の部屋は落ち着くなあ。咲、一緒にお風呂入ろうよ。」

「そうだね、私も疲れたし。」

色々あったけどこれでいつもの日常が戻ってくる。まだ夏休みはあるし私は思う存分夏休みを楽しむことにする。


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