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はなかご  作者: 和音
第二章 みんなと一緒なら
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なのは

「うーん、よく寝た。今日も一日頑張ろう。」

私はいつも通りの時間に目を覚ますと窓を開けて外の空気を吸う。やはり田舎の空気はとても美味しく今日も一日気持ちよく過ごせるような気がする。

「ほら、蜜柑も早く起きて。」

私はまだぐっすりと眠っている蜜柑の布団を剥いでいつも通り起こす。

「うにゅ、もう少しだけ眠らせてよ。」

私が何度起こしても蜜柑は起きようとしない。場所が違えど蜜柑は蜜柑なんだな。

「二人とも、ご飯ができたわよ。早く食べに来てね。」

私が蜜柑を起こそうと奮闘しているとちょうど朝ごはんが出来上がる。お母さんの掛け声と共に蜜柑は目を覚ました。

「うーん、まだ眠いけどご飯食べに行こっか。お母様を困らせたらいけないしね。」

蜜柑はそう言って顔を洗い、ダイニングルームへと向かった。普段は全然起きないくせにこういう時だけ起きるなんてさすが蜜柑だ。

とりあえず私は蜜柑と一緒に朝ごはんを食べに向かった。

「あら、二人ともおはよう。朝ごはんはできてるからたくさん食べてね。」

「おはよう。今日のご飯もとっても美味しそうだね。」

私と蜜柑はお父さんとお母さんに挨拶をして席につく。席にはたくさんの料理が並んでおりどれも美味しそうだった。しかし明らかに量が多く、お母さんの気合いが入ってることが分かる。

「気合いを入れてちょっと作りすぎちゃったけど食べれそう?」

「はい。私も咲もたくさん食べますので。」

蜜柑はそう言って片っ端から料理を取っていく。蜜柑は体格の割にたくさん食べるからびっくりする。

うん、お母さんのご飯はどれも美味しいかは量が多くても全然いける。

「はっはっは、二人ともいっぱい食べるね。育ち盛りだからもっと食べるといいよ。」

お父さんはすでにご飯を食べ終えており、コーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。

「さてと、じゃあそろそろ出勤の準備でもしようかな。」

「お父様はどんな仕事をされているんですか?」

「おや、気になるかい?僕は普段工場で製造業をしているよ。暇なら見に来るかい?」

お父さんは普段は優しいが仕事中はとても真剣で真面目な人になる。

「こら、工場は危ないんですから誘わないでください。」

その会話を来ていたお母さんが注意する。お父さんはいつもお母さんに弱く、尻に敷かれている。

「それもそうか、じゃあ二人は別の場所で楽しんでね。」

お父さんはそう言って家を出ていった。

「お父様はとても面白い人だね。」

蜜柑はそう言って笑っている。蜜柑は私の親と話している時、本当に楽しそうな顔をする。私はもっと蜜柑の家のことが知りたくて仕方ない。

「それで二人は今日どこにいく予定なの?あまり遠くには行かないようにね。」

私達がご飯を食べ終わり休んでいると片付けが終わったお母さんも席に着く。

「うん。今日は島風中学校に行こうと思ってる。」

島風中学は私の通っていた中学だ。私は先生に会うのが楽しみで仕方なかった。

「あら、いいじゃない。それじゃあ熱中症と不審者には気をつけるのよ。」

お母さんはそう言うと私と蜜柑に水筒とお弁当を渡してくれる。

「ありがとう。それじゃあ行ってくるね。」

私達はお母さんにお礼を行って外に出るのだった。私はワクワクしながら中学へと向かった。











「ここが咲の通ってた中学なんだね。というか私がいてもいいのかな?」

「まあ、大丈夫なんじゃない?とりあえず中に入ろっか。」

私達は中学校に着くととりあえず校舎まで向かうことにした。外見は相変わらず古くてこの古さが懐かしい。

「それにしてもこの学校すごいね。貫禄があるというか。」

「まあ、この学校はかなり昔からあったみたいだし大分ボロボロだよ。」

半年ぶりくらいに来たがそこまで変わってるところはなくて安心する。

私は玄関に入り職員室へと向かう相変わらず廊下はかなり年季が入っておりギシギシと音が鳴る。校内には生徒が誰もおらずとても静かだった。

「あっ、咲っちだ。咲っちも帰って来てたんだね。」

私達が職員室の前までたどり着くとそこには中学の頃の友達の水瀬なのはがいた。

「久しぶり、なのちゃんもこっちに帰って来てたんだね。」

なのちゃんは私を見つけるとすぐさま飛んできて私に抱きついてくる。なのちゃんは中学の頃から元気な子でよく私に抱きついていた。なんか蜜柑が増えたみたいだ。

「そうだね、お盆だしもしかしたら咲っちも帰ってるんじゃないかなと思って。」

なのちゃんも私と同じく高校で別の場所へ旅立ったからこうやって久しぶりに会えるととても嬉しい。

「そうだね。なのちゃんも元気そうで良かったよ。でも少し離れてくれないかな。」

蜜柑がものすごい目でなのちゃんを睨んでるから。

「あはは、久しぶりだからつい。それで後ろの子は?」

なのちゃんは蜜柑に興味深々だった。

「私は浅野蜜柑。咲とは寮の同じ部屋でいっつも一緒にいるんだ。」

蜜柑はそう言って私の手を握った。するとなのちゃんも私の手を握って蜜柑の方を見つめる。

「私は小さい頃から咲っちと一緒にいて咲のいろんなこと知ってるもんね。」

蜜柑となのちゃんはお互いに睨み合っておりとても仲良くなれる雰囲気ではない。

「と、とりあえず三人で校舎を回ろうよ。ほら行くよ。」

このまま二人を放置しておくと大変なことになりそうだったからとりあえず間に入ることにした。蜜柑が敵意を向ける基準がいまいち分からなかった。蜜柑は西園寺さんや楓には優しいのに柳さんや空ちゃんには明らかに敵意を向けてる。みんな優しくていい子なんだけどね。

「へえ、咲っちの街はそんなに都会なんだ。私もいつか行ってみたいな。」

「いつでも来ていいよ。すごい都会だからびっくりすると思うよ。」

とりあえず私達は学校を回ることにし今は体育館にいた。

「この体育館は懐かしいなあ。でも咲っちはあまり体育にも参加していなかったね。」

この体育館も懐かしい。昔は体が弱く運動もしてなかったけどそれでもたまにみんなで遊んでいた。

「でも今は私とバスケ部をやってるよ。今まで運動をやっていなかったとは思えないくらい上手なんだから。」

「えっ、嘘でしょ?」

蜜柑の言葉にななちゃんは言葉を失う。

「本当だよ。最近はかなり動けるようになってきたし今度大会もあるんだ。」

「まじか、あの咲っちがバスケ部だなんて。私、感動しちゃったよ。」

ななちゃんはそう言って私に抱きつく。なのちゃんは昔からスキンシップが多くよく私に抱きついていた。

「むっ、あまり咲にベタベタしないでよ。」

二人はそう言ってまた睨み合う。そしてそのたびに私が間に入らないければならない。もっと仲良くはしてくれないのだろうか。

「そういえば咲っち、彼氏と出来ちゃったりした?中学の頃から咲っちモテてたし。」

「いやいや、彼氏はまだいないしなのちゃんの方がモテてたじゃん。」

ななちゃんは明るくて誰にでも優しいから周りにいつも人がいてよく告白もされていた。それに対して私は中学で一度も告白されてないしそういったそぶりもなかった。

「分かってないなあ。咲っちは大人しくて優しくて可愛から密かに人気があったんだよ。咲っちが鈍感すぎるのと私が牽制してただけだよ。」

「分かる。咲ってば本当に鈍感で困っちゃうよ。まあ、そこが可愛いところでもあるんだけどね。」

「やっぱり貴方も苦労してたんだね。どうか高校では貴方が咲っちを守ってね。」

そう言って二人は握手を交わす。初めて二人が喧嘩せずに話し合ってくれて私は嬉しい。内容はともかく。

それに私はよく鈍感って言われるけどそんなことない。

「ああ、そういえば咲っちは私以外の子と会った?」

「空ちゃんとは向こうで会ったよ。今は向こうで仕事をしてるみたい。」 

空ちゃんは今回帰る予定ではあるが仕事が立て込んでて無理かもしれないと言ってた。

「へえ、そう言えば空ちゃんはテレビで活躍してるって言ってたね。私も会えたらいいんだけど忙しいらしいんだよね。」

どうせなら今回昔よくいた四人で集まりたかったが空ちゃんも鈴ちゃんも忙しそうだし今回は無理かもしれない。

「私も鈴っちとは会ったよ。鈴っちが私のとこまで来てくれてさ。いつも通りの優雅さで可愛かったなあ。」

鈴ちゃんとも会いたいが彼女も遠い上に色々と事情があるらしい。

「あれ、でも鈴ちゃんとなのちゃんって結構場所離れてなかった?」

「うん、でも用事があって来たっていってたよ。わざわざ忙しい中来てくれるなんて鈴っちも優しいねえ。」

私達四人はそれぞれ別の場所に行ってしまったがいつかこの四人で会いたい。それがいつになっても。

「それで、咲っちは今の学校生活大丈夫そう?辛いこととかあったら聞くよ。」

懐かしい、なのちゃんは私が嫌なことあったらいつも話を聞いてくれた。

「今は楽しいよ。蜜柑達が私を守ってくれるし、だから私も頑張らないとって気持ちに慣れるから。」

柳さんもひまりも蜜柑もみんなが私に話しかけてくれる。だから私は学校に行くのが楽しみで仕方なかった。

「水瀬さん、私は咲のことが好きだよ。だから私がいる限り咲は絶対に守ってみせる。」

蜜柑は真剣な眼差しでなのちゃんを見つめる。

「うん、その目は本気みたいだね。それなら私も負けないから。」

なのちゃんはそう言いって蜜柑を見つめる。最初は喧嘩ばかりしてたが今はなんというかお互いが認め合ってるような気がする。とりあえず仲良くできそうで良かった。

「本当はもっと学校を回りたかったけど時間がないから私は先に帰るね。それじゃあまたね。」

「えっ、そんな急に。」

「まあ、明日とかでも会えるから。それじゃあね。」

なのちゃんはそう言って手を振るとすぐにどこかに行ってしまった。

なのちゃんは本当に嵐のような子だ。

「はあ、なんかすごい子だね。私も疲れたよ。」

「確かにね。でもなのちゃんとひまりってちょっと似てるような。」

「いやいや、全然違いますけど?」

いや、スキンシップが多くて、結構唐突なところとか蜜柑に似てる気がする。

「まあ、いいや。それで学校探索も終わったし後は先生に挨拶だけして家に帰ろう。」

「ちょっと納得いかないけどいっか。それじゃあ家に帰ったら咲といっぱい遊ぶぞ。」

咲はそう言って私に抱きついてくる。

私は暑苦しいと思いながらもこの暖かさが嫌いではなかった。

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