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はなかご  作者: 和音
第二章 みんなと一緒なら
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水族館デート

「咲ー、早く起きてよー。今日は私と水族館にデートに行く日だよ。」

私がぐっすり眠っていると突然蜜柑が私の布団を剥がして抱きついてくる。朝から蜜柑はうるさくて仕方ない。後、別にデートではなく二人で水族館にお出かけするだけだ。

「ん、まだ全然時間あるじゃん。もう少し寝かせてよ。」

時計を見てみるとまだ朝早く、いつも起きる時間よりもかなり早い時間だった。まだ眠くて仕方ない私は布団に被り二度寝することにした。

「あっ、また寝ないでよ!私楽しみで仕方ないんだから。」

「別に早く起きたところで出発する時間は変わらないよ?」

「それはそうだけど、楽しみすぎて眠れないんだもん。早く起きて一緒にお話ししようよー。」

蜜柑は私の腕を掴むと、そのままリビングへと向かった。うるさくてしょうがないから私は渋々起きることにする。

「じゃあ今から朝ごはん作るから蜜柑は先に座ってまってて。」

私は顔を洗ってスッキリした後すぐに朝ごはんを作ることにした。最近は二人で交代制で料理をしているけど頻度は私のほうが多く大体は私が作ることになっている。

「咲の朝ごはん楽しみだなー。私もうお腹ぺこぺこだよ。」

蜜柑は椅子に座りテレビをつける。

「蜜柑ももっとご飯を作って欲しいんだけどね。私の負担が大きいよ。」

「だって咲のほうが料理できるじゃん。私のご飯美味しくないし。」

「それはそうだけど回数こなしたら料理も上手くなると思うよ。」

「うーん、それはそうだけどさあ。そんなことより今日の予定に着いて話し合おうよ。」

蜜柑は私の話を逸らして別の会話をする。今度蜜柑に料理のコツを叩き込んでやろう。

「なんか話、晒された気がするけどまあいいや。まずは電車に乗って水族館に行くんだよね。」

「うん。それでその後はご飯を食べて、後は近くのお店に寄り道する感じだよ。」

私も今日の水族館はずっと楽しみだった。私は海の生物が大好きだし、何より蜜柑と二人のお出かけは久々だからだ。

「了解。じゃあ朝ごはんを食べたら出かける準備でもしよっか。」

私はごはんをテーブルの上に置き、私も椅子に座り朝ごはんを食べ始める。

「やっぱり咲の作る料理は美味しいなあ。咲はいいお嫁さんになれるよ。」

「もう冗談はいいから早くご飯を食べて。」

私の好きな人は目の前にいるんだけどなあ。蜜柑は鈍感だからどうせ気づかないだろうけど。

ご飯を食べつつ、テレビを見てみるとそこには空ちゃんとひまりの姿があった。

「今日は最近話題の鏡音空と南雲ひまりに着いて取材したいと思います。」

テレビに映る二人はとてもキラキラしていて、さすが芸能人という感じだった。

「うわー二人とも綺麗だなー。それにしても空ちゃんって本当にかっこいいよね。」

空ちゃんは身長の高さや見た目も相まって女性人気がとても高いようだ。確かに中学の頃もよく女子に告白されてたっけ。

「むー。私は鏡音空より咲のほうが綺麗だと思うけどねー。というか二人って中学の時どんな関係だったのさ。」

蜜柑は空ちゃんの話をすると機嫌が悪くなる。というか蜜柑って空ちゃんや柳さんに対して当たり強い気がするけど何かあるのだろうか。二人ともとても優しくていい人なんだけどな。

「まあまあ、そんな機嫌悪くしないでよ。私と空ちゃんは本当にただの友達だからさ。そんなことよりご飯を食べ終えたんだしお出かけの準備するよ。」

私は話を逸らしてお出かけの準備へと取り掛かる。今日は蜜柑とのお出かけということでいつもよりおしゃれしよう。





「うわー、今日の咲いつも以上に可愛いよー。」

準備が終わり蜜柑に見せると蜜柑は目を輝かせ私に抱きつく。

「そんなこと言って蜜柑だっていつもよりオシャレじゃん。」

「そりゃあ咲と二人でお出かけだからいつもよりオシャレしたくなっちゃうよ。」

私が指摘すると蜜柑は少し顔を赤くする。蜜柑も私とのお出かけをすごく楽しみにしてるみたいでよかった。

「それじゃあ準備も終わったしそろそろ出発しよう!」

蜜柑はそう言って扉を開ける。私は水族館に行くのを楽しみにしながら蜜柑と手を繋ぎ、駅へ向かうのだった。








「うわー、人が多くて混みそうだよ。」

私は駅に着くと、とても大きくてびっくりする。私の知ってる駅はもっと小さくて駅員さんが一人いるくらいだった。

「そうだね。離れないように私の手を握っていてね。」

蜜柑はそう言うと切符売り場まで向かった。本当に人が多くて迷いそうなので私は蜜柑の手をぎゅっと握って蜜柑についていく。

私達は切符を買うとすぐに水族館行きの電車へと向かう。

「いやー、それにしても楽しみだな。早くペンギンさんに会いたいよー。」

私と蜜柑はベンチに座って電車が来るのを待っていた。

「蜜柑は可愛い生き物が大好きだもんね。」

「そうだよ。ペンギンさんはとっても可愛いんだよ。咲は何が一番楽しみなの?」

蜜柑は可愛い生き物が大好きで実に女の子らしい。

「うーん、私はやっぱりクラゲかなー。あの浮遊感が好きなんだよ。」

私は小さい頃からずっとクラゲになりたいと思っていた。自由にゆらゆらと生きるクラゲはとても綺麗で小さい頃から大好きだった。

「そっか。確かに咲らしいかも。水族館っていいよね。まるで自分が海の中にいるような気分に浸れるから。」

「そうなんだよ!とても神秘的で楽しいんだよ。」

私は蜜柑の話に食い気味で答える。私はずっと海の中で暮らしたいと思ってたくらいだ。

「えへへ、そんなに水族館が好きなんだね。咲が楽しそうで私も嬉しいよ。」

私達が海の話で盛り上がっていると目的の場所へと着く。割と時間がかかると思っていたが蜜柑と話していたら案外すぐだった。

「それじゃあ水族館に行こっか。」

私は蜜柑と電車を降りて水族館へ向かった。

「うわー、風が気持ちいいねえ。」

水族館へ向かう途中に海沿いを歩いていると大きな風が吹きずさんでとても心地よかった。ただしせっかく整えた髪の毛がボサボサになってしまう。

「そういえば蜜柑はこの水族館に来たことはあるの?」

「うん。昔はよく椿と二人で行ってたなあ。私と椿は昔は荒れてたから水族館に行ってよく心を安らいでいたもんだよ。」

蜜柑はとてもしみじみとした表情をする。

「そういえば二人は幼馴染なんだっけ。仲も相当よかったんだね。」

私の発言に蜜柑はそうでもなさそうな顔をする。

「いや、あの頃は私も椿もまだまだ幼かったから、二人でいろんな人に迷惑かけるは二人でよく喧嘩するわでそんなに綺麗なものでもなかったよ。」

「そっか、それでも椿のことは大切なんだよね。」

「うん。あの頃も楽しかったし、椿がいないと私は壊れてとかもしれないから。」

蜜柑はなんとも言えない表情でそんなことを言う。昔の蜜柑の話を聞くに相当辛かったんだろうな。それを支えていた椿は本当にすごい。だからこれからは私も蜜柑を支えて行きたい。



「はあはあ、やっぱり夏は暑いね。もう疲れたよー。」

あれからかなり歩き残り半分のところまで来た。周りを見ると向日葵畑が咲いており、思わず寄り道してしまう。

「すごい、とっても綺麗。」

「本当だ。夏って感じがするねー。」

私は常に太陽に向かって凛と咲く向日葵が大好きだった。ちなみにひまわりの花言葉は情熱や元気など前向きの言葉が多い。

「咲って花にも詳しいよね。」

「うん。向こうではいろんな花がたくさん咲いてたからね。」

自然豊かな場所で育ったからか私はずっと花を見るのが大好きだった。また実家に帰ったらいろんな花を見ようかな。

「それじゃあ気を取り直して水族館へ向かいますかー。」

寄り道を終えた私達はそろそろ目的地へ向かうことにした。











「うわー、ここが水族館か。こんな大きい水族館初めて来たよ。」 

私は初めてきてこんなに大きい水族館に来たので興奮が止まらない。

「驚くのはまだ早いよ。中身がもっとすごいんだから。」

蜜柑は私の手を引いて中へと進む。真っ暗な場所に入るとそこには大きな水槽にたくさんの魚がおり、まるで神秘の宝箱だった。

「うわあ。すごい神秘的で綺麗だ。」

まるで私が海にいるような感覚になれてとても気分が良かった。

「ねえ、蜜柑。ここの水族館すごいよ!早く次の場所行こうよ。」

「おっけー。じゃあ次はこっちだね。」

私は興奮が抑えられなくて仕方なかった。こんなに綺麗な水族館は初めてだからしょうがないよね。

次に来たのは深海生物のエリアだった。

「うわー、深海生物ってなんでこんなに怖いんだろうね。」

確かにアンコウやダイオウグソクムシなど変な見た目の生き物も多いがクリオネみたいに可愛い生き物もいる。

「それにしても深海生物って生態も見た目も変だし不思議だよね。」

私もそういった未知の生物は大好きだった。よく分からない生態ほど気になってしまうものだ。

「いやー、それにしてもクリオネは可愛いなあ。」

「いやいや、クリオネって怖くない?内臓が見えてるし頭割れるしで。」

「いや、そこがいいんだよ。あの透明感と未知の生態。クリオネは流氷の天使って言われててね。その姿はまさに天使なんだよ。」

「咲って少し変わってるところあるよね。それじゃあ次のエリアに行こっか。」

私がクリオネについて熱く語っていたのに蜜柑はあっさり流してしまう。絶対クリオネは可愛いのに。

次のエリアはお待ちかねのクラゲのいるエリアだった。

「カラフルでとっても綺麗。」

やっぱり何度見てもクラゲは神秘的でいい。いろんな種類のクラゲがゆらゆらと動いていてとても心が癒される。小さい頃は本当にクラゲになりたいと思ったものだ。

「どう、蜜柑も綺麗だと思わない?」

「うん。さっきのクリオネよりは可愛いし、透明感もあって私は好きかな。」

蜜柑もクラゲは好きなようだ。まあ、クリオネも可愛いですけどね。

また、クラゲも奇妙な生態をしており、一生のうちに色々な姿に変わっていくのだ。私はそう言うところも大好きだった。

「はいはい、それじゃあ次はこっちだよー。」

少し惜しかったが私はクラゲのエリアを離れて大型生物のエリアへと向かう。

「うへえ、やっぱりイルカは可愛いなあ。」

蜜柑はイルカを泳ぐ姿を夢中になって見る。可愛い物が好きな蜜柑は実に女の子らしい。

「見て見て、もう少ししたらイルカショーが始まるみたいだよ。楽しみだね。」

私達はイルカショーが始まるまで次のエリアで時間を潰すことにした。

「待って。ペンギンさんがいるよ。きゃわいいよー。」

蜜柑は念願のペンギンに会えて興奮状態だった。

「良かったね。やっとペンギンに会えて。」

「見てよこの可愛いさ。よちよちしてて可愛いよ。一匹くらい持って帰ってもバレないよね。」

好きなものに夢中になっている蜜柑はとても可愛いらしかった。でもペンギンを持って帰ったら犯罪だからね。

「私、咲と一緒にデートできて良かった。好きな人と一緒にいるとより楽しめるからね。」 

蜜柑に好きって言われると本当に心臓に悪い。私は思いきって蜜柑に好きの意味を聞くことにした。

「ねえ、その好きって言うのは恋愛として?」

「それでは今からイルカショーを始めます。」

私が蜜柑に質問しようとした瞬間、突然大きなアナウンスが流れて全てがかき消されてしまう。

「ん?何か言った?」

蜜柑に聞かれて私は顔を真っ赤にする。

「いや、別に何も言ってないけど。」

「でも顔が真っ赤だよ?」

「大丈夫だから。それより早くイルカショーに行こう。」

私は誤魔化すために蜜柑の手を握ってイルカショーへと向かった。恥ずかしすぎて死にそうだ。

「あれ、咲ちゃん?」

私がイルカショーに向かうとするとそこには空ちゃんとひまりの姿があった。

「二人ともなんでここに。」

後ろにカメラマンがいるし、撮影か何かだろうか?」

「やあ、奇遇だね。」

「チッ、お前がなんでここに。」

この後、一悶着ありそうで私は覚悟を決めるのだった。

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