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はなかご  作者: 和音
第二章 みんなと一緒なら
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ハッピーサマーデイズ

「それでは、これでホームルームを終わりたいと思います。」

霞先生の話が終わるとクラスメイトは一斉に騒ぎ出す。

「よっしゃーこれで夏休みだー。早く帰って遊ぼうぜ。」

「今度みんなで海行かね?」

「遊ぶのはいいですが課題もちゃんと提出してくださいね。それと怪我しないように気をつけてください。」

霞先生はそう口にするがクラスメイトは誰一人として聞いてはいなかった。霞先生も大変だな。

チャイムが鳴るとみんな教室を出て行った。みんな夏休みが楽しみなんだろう。

かく言う私も夏休みが楽しみで仕方なかった。私は今から何をしようか思いにはぜていた。

「咲ちゃん、一緒帰ろうよ。」

私が教科書をまとめているとひまりがいつものように後ろから抱きつく。

「そうだね。今から準備するから待ってて。」

「そういえば咲ちゃんは夏休み予定とかあるの?」

「うーん。実家に帰る予定はあるけど他は特にないかな。」

夏はお母さんに実家に帰ってこいと言われてるからお盆の日辺りに帰るつもりだ。

「それなら夏休みはアタシ達みんなで遊びまくろうよ!海に行ったり夏祭り行ったりしてさ。」

「それいいわね。とっても楽しそう。」

私とひまりが話していると柳さん達もやって来る。

「せやけど海なんか行ったら咲ちゃんの水着姿で柳ちゃんが倒れるんやないか?」

「そ、そんなことないもん。日野さんの水着姿絶対可愛いけど倒れないと思う。」

柳さんは私をチラッと見た後顔を真っ赤にする。

その前に柳さんは体力をもっとつけておいた方がいいと思う。真夏の太陽で溶けてしまう恐れがある。

「海に行くなら水着がないといけないわね。みんな持ってるの?」

その言葉にみんな黙る。よく考えたら私は水着を持ってなかった。

「スク水なるあるけど?」

柳さんの発言に綾乃はギョッとする。

「いいわけないでしょ。高校生なんだからもっと可愛いの着なさいよ。」

「それなら明日にでもみんなで水着買いに行こうよ。ショッピングモールに行ってついでにいろんなところ回ったりしてさ。」

誰も水着を持ってないからちょうどよかった。

「うん。そうしよっか。」

私達は明日水着を買いに行く約束をして今日は解散することにした。


   




「じゃあ咲ちゃんまたねー。」

ひまりとも寮の前で別れ私は自分の部屋のドアを開ける。

私が寮へ戻るとすでに蜜柑がいて、明らかに不機嫌だった。

「ただいま蜜柑。もう帰ってたんだね。」

「もう、遅いよ!どうせまたひまりや柳さんとイチャイチャしてたんでしょ。」

「ごめんってば。みんなで夏休みの予定を立ててたんだ。」

私が楽しそうに話すと蜜柑は頬を膨らませる。蜜柑は可愛いんだけど少し嫉妬深いからなあ。

「いいなー。私も咲と夏休みいっぱい遊ぶんだから。」

「そうだね。それなら明日みんなで水着買いに行くんだけど蜜柑も来る?」

「え、絶対行く!やったー、咲とお出かけだ。それなら私が咲に一番似合う水着を選んであげるから。」

蜜柑は今までの不機嫌具合が嘘みたいに一気に元気を取り戻した。

「うん、楽しみにしてるね。そういえば言ってなかったんだけど私お盆くらいに実家に帰省するから。」

その言葉に蜜柑は顔が真っ白になる。

「嘘でしょ?その間私一人ってこと?無理無理無理。」

「そうは言われても、親に帰ってこいって言われてるし今回ばかりは。」

「やだやだやだ。咲がいないと私生きていけないよー。私もついて行く。」

いや実家に友達を連れて行くのは流石にどうなのだろうか。

「まあ、聞いては見るけど多分無理だからね。というか蜜柑は実家に帰ったりはしないの?」

よく考えたら私が実家へ帰省している間に蜜柑も帰省すればいいのでは。

「うーん、それはいいかなあ。別に親に帰ってこいとも言われてないし。」

蜜柑はなんともドライな対応だ。親なんだからたまには顔を見せた方がいいのではないだろうか?

「どうせ私のことなんか興味ないよ。」

蜜柑がぼそっと何か言ったが私には聞こえなかった。

「まあ、一応親に聞いてみるよ。無理って言われても無理やりついてきたりはしないでよ。」

「まあ、その時はまた考えるよ。」

ピンポーン

私達が夏休みの計画を考えているとチャイムの音がする。ひまりだろうか?

私がドアを開けるとそこには麻莉がいた。

「まっちゃんだ。久しぶりだね。」

最近あまり話してなかったから久しぶりに感じる。

「おう、そうだな。俺もお前らと話せなくて暇だったぜ。」

「それで今日はどうしたの?」

「ああ、霞先生に一年生だけの集会するから呼んでこいって言われて。」

「そんなこと聞いてないよ?」

私と蜜柑は集会なんて聞いてなかったので目を丸くする。

「ああ、俺もさっき聞いたばかりだよ。伝えるのを忘れてたって。」

確かに霞先生って少し抜けてるところあるからなあ。

「ま、そういことだから早く行こうぜ。」

私達は急いで準備をして集会へと向かうのだった。







「ごめん。二人とも待った?」

私達が部屋に入るとすでに西園寺さんと影山さんがいた。

「はあ、やっときましたか。それにしても突然呼んで何なんでしょうか?呼んだ本人はまだ来てないですし。」

西園寺さんも突然呼ばれて困惑してる様子だった。

「も、もしかして僕たち何かやらかしました?」

影山さんもいつものようにネガティブ思考に陥っており、みんないつも通りだった。

私達が揃って少し経つと霞先生がやって来る。

「すみません。突然呼んだ挙句、みんなを待たせてしまって。」

霞先生はいつものように笑いながら謝ってるので本気なのかが分からない。

「はあ、それで突然呼んで何をするおつもりでしょうか?」

「まあまあ、皆さん落ち着いてください。今回呼んだのはせっかくの夏休みなので夏休み中のどこかでみなさんでお出かけしたいと思いまして。」

「お出かけって何をするのですか?」

「西園寺さん、よくぞ聞いてくれましたね。君たち一年生もこの寮に来て時間が経ちそれぞれが仲良くなってますね。なのでさらに仲良くなるためにみんなでどこに出かけようということです。いわばレクリエーションです。」

「それで行き先はどこなんですか?」

今度は蜜柑が質問する。

「それを今から皆さんに決めてもらおうと思いまして。今から皆さんには山か海のどちらかを選んでもらいます。ちょうど人数が五人なので多数決で別れますしね。」

「まあ、そうことなら一つしかないよね。」

「ええ、そうでしょう。」

西園寺さんと蜜柑は同時に声を上げる。

「海しかないでしょ。」

「山しかあり得ません。」

「は?」

「いやいや、山なんて暑いし虫が多いだけじゃん。」

「浅野さんこそ分かってませんね。とても静かで自然豊かな山がいいに決まってます。」

まあ、正直こうなることはわかっていた。山と海どちらに行くかの論争は昔からずっと続いてる。いわば伝統のようなものなのだ。

「それなら他の三人にも聞こうよ。みんなもちろん海だよね?」

「いいえ、皆さん山を選ぶに決まってます。」

二人とも圧が凄いせいで正直選びづらい。

「うーん、まあ俺は海かな。泳いだら涼しいし、花火とかもできるしな。」

「ほらね。これでニ対一だよ。」

「くっ、影山さんはもちろん山ですよね?」

「は、はい。僕も静かな方が好きなので山がいいです。」

「あっ、今の無理矢理言わせたくない?」

「そんなことありませんよ?影山さんが自分で選んだのです。」

これでニ対ニとなってしまった。つまり私の一票で行き先が決まる。責任重大だ。

「ということは後は咲次第だよ。もちろんわかってるよね?」

「日野さんなら山を選んでくれますよね。」

二人とも凄い目つきで私の方を見る。こんなことになるならもっと早く言っておけばよかったと後悔してしまう。

「そ、そうだなあ。別にどちらかに拘らずどちらもいけばいいんじゃないですか?それでお互いの良さを知る的な。」

私は争いを起こしたくないので両方選ぶことにした。これはこれで争いが起きるかもしれないが。

「それいいですね!それでお互いの魅力を伝え合いましょう。」

私の案に霞先生は大絶賛だった。

「なるほど、そう来ましたか。それなら私が山の魅力を全て教えてあげましょう。」

「いいよー。こっちこそ二度と海にしか行きたくならないようにしてあげるよ。」

争いを止めれると思ったのだがむしろ二人に火をつけた気がする。

「はあ、こうなった蜜柑は止められねえな。」

「はい。西園寺さんも意外と頑固なので。」

私達三人は争う二人を見ながら大きなため息をつくのだった。

まあ、何はともあれこれから長い長い夏休みが始まるのだ。私としては楽しみでしょうがなかった。


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