楽しい買い物
蜜柑は激怒した。暴虐な不良を殱滅しなければと誓った。
「蜜柑。そんな怒んなくていいよ何もされずに済んだから。」
「良くないよ!咲だってものすごく泣いてたじゃん。それにその女の子がいなかったら、本当に危なかったよ。」
「それに関しては本当に感謝しかないよ。お礼もできず、名前も聞けなかったしすごく申し訳ないよ。」
「でもそんなかっこいい女の子がいるんだね。」
「うん。本当にかっこよかったんだ。」
私が興奮気味に言うと蜜柑はムッとした。
「ふーん。そんなにかっこよかったんだ。」
「うん。あの子がいなかったらと思うとゾッとするよ。だからあの子には本当に感謝の気持ちしかないよ。」
「私も離れててごめん。もう絶対離れないからね。」
そう言って蜜柑は手を繋いでくっついてくる。
「いいよそこまでしなくて、子供じゃないんだから。」
「絶対だめ!また痛い目見るよ。咲はもっと危機感持った方がいいよ。咲は自分で思ってるより、ずっと可愛いんだよ?」
「分かったよ。それより次はコップを買いに行こう。」
「本当にわかってる?咲は可愛いから狙われ安いんだよ。もっと自覚しなよ?」
蜜柑は私を睨みつける。確かに私の考えが甘かったのは事実かもしれない。
「はい。本当にすみませんでした。」
私はそう言って謝ることしかできなかった。次からは気を付けよう。
「はい。ここが家具ショップだよ。とりあえず何から見る?」
「とりあえずコップだけ買えればいいかな。」
「そうだ。それならお揃いのコップ買わない?私のコップも結構使って変えようと思ってたから。」
「いいね。それなら蜜柑が決めていいよ。」
私がそう言うと、蜜柑は目を輝かせた。
「それなら私に任せて。最高のマグカップを探すから。」
そう言って蜜柑は真剣に考えて始めた。そして気がつくとかなりの時間が経っていた。
「ねえまだ?流石に長い気がするけど。」
「だってさ。ペアルックとなると真剣に考えたいじゃん。どれも魅力的だからさー。」
蜜柑はそう言って頭を抱えた。このまま蜜柑に任せても決まりそうになかったから、私が適当に決めることにした。
「うーんそれならこの猫ちゃんのマグカップとかどうかな?」
「いいじゃん!私も猫を飼ってたから、このマグカップは賛成!」
「へー。蜜柑って猫飼ってるんだ?」
「うん!小さい頃から猫を飼ってたんだ。ミントって言う名前の猫で可愛んだよ!写真もあるから帰ったら見せてあげるね。」
「見たい!見たい!楽しみにしてるね。」
私も動物を飼ったことはないけど動物は大好きなのでとても楽しみだ。
「咲は何か動物とか飼ってないの?」
「うん。うちの親が動物嫌いで私が飼いたいって言っても断られちゃって。」
そんな会話をしながら家具ショップを出た。私がピンクの猫で蜜柑が白のカップを買うことにした。
私達は次に文房具屋さんに来た。
ここでは、ノートとペンを買うために来た。
「咲って頭いいの?」
私がペンを選んでいると暇そうにしていた咲が聞いてきた。
「うーん。一応中学の時はずっと一位だったかな。」
「えっすごいじゃん!」
「いやいや。でも私の中学、人が少ないし。」
「それでも一位はやっぱりすごいよ。」
「逆に蜜柑はどうなの?」
私が逆に聞いてみると、蜜柑は目を逸らした。
「まあ、ぼちぼちかなー。」
私はものすごく心配になった。
「とりあえずこれで、買いたいものは全部買えたし、そろそろ帰ろっか。」
私がそう言うと、蜜柑は待ったをかけた。
「ねえ、せっかくショッピングモールに来たんだし、どうせなら遊んで帰らない?咲はゲームセンターに行ったことある?」
「げーむせんたー?なにそれ?」
私は馴染みのない言葉に頭を傾げた。
私がそう言うと蜜柑は驚いて言った。
「えー!咲ゲームセンターを知らないの?それはもったいないよ。それなら今から遊ぼうよ!
「ゲームセンターって遊ぶとこなの?」
「そうだよ!いろんなゲームが出来るんだよ。じゃあ行こう!」
そう言って蜜柑は私を引っ張りながらゲームセンターにつれてくのだった。私はそうして未知のエリアに進むのであった。