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はなかご  作者: 和音
第二章 みんなと一緒なら
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西園寺さんの特訓

番外編です。

西園寺視点です。

「はあはあ、これで10周目と。」

グランドを10周した私は水を飲み、タオルで汗を拭く。外は晴天で運動をするにはもってこいの日だった。

私は今、今度の体育祭に向けて練習をしていた。普段私は文化部で運動はあまりしないが最近は少しずつ運動をして体を慣らしていた。

クラスメイトの邪魔にはなりたくないし、なりより成績にも入るから真面目に取り組む他なかった。

外ではいろんな部活がそれぞれ運動をしていて熱心に部活をしている人を見て私は微かに微笑んだ。私は熱心に物事を取り組む人が好きだ。

時計を見るとかなりの時間が経っており、私は自分で決めた目標を終えたので自分の部屋に戻ることにする。

「ただいま戻りました。影山さんは起きてますか?」

私はドアを開け、声をかけるが返事は返ってこない。もしかしたらまだ寝てるのかもしれない。

少なくとも私が外に出るまでは寝ていたが今起きてるか分からなかった。今日がいくら休日とはいえ余り遅くまで寝ることはいいことではない。それに影山さんは普段から起きるのが遅くいつも私が起こしている。

私がリビングに入ると影山さんはいつものようにゲームをしていた。

「あっ、お帰りなさいです。今日もいつもの運動ですか?」

「ええ、体育祭が近いので。」

「西園寺さんはすごいですね。僕には無理ですよ。」

影山さんは私に気がつくとちゃんと挨拶をしてくれる。まだ少しぎこちないが、最近は会話も増えてきたしちゃんと仲良くできている。

影山さんはリビングでずっとゲームをしていた。彼女はゲームがとても上手く私も最近一緒にやっているがとても敵いそうにない。

影山さんはそれほどにゲームが上手く没頭するのもいいとは思うのだけど一つだけ疑問があった。

「あの、ゲームをするのはいいですけど体育祭の練習とかってしてるのでしょうか?」

私がそう聞くと影山さんは固まる。ああ、これは絶対してないですね。

「う、えっと僕はいいです。どうせ運動したところでみなさんの役に立たないですし。」

「そんなことないと思いますよ。運動が苦手でもやればできるようになります。」

影山さんは普段から運動をしておらず私はとても心配だった。なのでこれを機に私は影山さんを外に出したい。

「今からやったって無理ですよ。どうせ私なんてチームの役に立ちません。」

影山さんはいつもネガティブだけど影山さんはやればできるタイプだと思う。

「やらないよりはやったほうがいいですよ。それにいいんですか?影山さんが足を引っ張って皆さんに変な目で見られても?」

「う、それはそうですけど。僕、運動したことほとんどないですし、どうすれば。」

確かに運動のできない人が一人でというのも難しいものだ。とはいえ私も教えられる程でもないし、こうなれば方法は一つしか無かった。










「それで私達を頼りに来たと。」

私はなんとか影山さんを外に連れ出し、日野さんと浅野さんの部屋にやってきた。二人は私の頼れる友人で二人ともバスケ部をやっており、頼るならここしかなかった。

「はい。全然大丈夫ですよ。それではみんなで運動しましょう。」

「えー、今から咲とイチャイチャする予定だったんだけどー。」

乗り気な日野さんに対して明らかにやる気のない浅野さんだったが今回、私は諦める気は無かった。

「やっぱり僕なんて迷惑ですよ。早く帰りましょう。」

「大丈夫ですよ。それでは早速特訓しましょうか。」

おどおどしている影山さんに対して日野さんは優しく接する。やはり日野さんはいい人だ。困ってる人に対していつも優しく対応してくれる。

「まあ、咲がどうしてもって言うならいいけどさ。」

浅野さんも嫌々そうにはしているが手伝ってくれるだけありがたい。それといつも二人を見てて思うのだけどやっぱり浅野さんは日野さんのことが好きなのだろうか?私は恋愛をしたことがないのでよくはわからないけど。

「それで最初は何をすればいいんでしょうか?」

「最初は体操からですね。体をほぐさないと怪我する恐れがあるので。」

私達は日野さん達の指示に従い、体を動かすところから始める。しかし影山さんは私が思っていたよりも体力がなく、体操が終わった頃にはすでに息切れしていた。

これには私だけでなく日野さん達も驚く。

「やっぱり僕が運動だなんて無理ですよ。誰にだって不向きはあるんです。帰りましょう。」

影山さんは開始早々弱音を吐くが私は諦めない。

「日野さん達が手伝ってくれてる中そのようなことを言うは失礼ですよ。それに私だって運動は苦手で、初めは全然でした。なので一緒に頑張りましょう。」

私は影山さんの手を握る。

「分かりました。もうちょっと頑張ってみます。」

私が微笑むと影山さんはやる気を見せてくれた。やる気を見せてくれた影山さんのために私も頑張らないと。

体操が終わり次は軽く走ることにした。影山さんを先頭に置き、影山さんのペースで走ることにした。

最初の方は少し遅めに走り、少しずつ速度を上げていく。とても天気が良くゆっくり走っていてもとても暑く影山さんはものすごくバテていた。

「はあはあ、もう無理です。きついですよ。」

「いえいえ。大丈夫ですよ。あともう少し頑張りましょう。」

「そうだよー。まだまだいけるよー。」

浅野さんも影山さんを励ましている。というかこの天気の中、汗を一切かいていな浅野さんは何者だろうか?

私達は影山さんを励ましながらグランドを走った。

とりあえずグランドを5周走ることができた。影山さんは何度も諦めようとしていたが諦めずになんとか走ることができて良かった。

「はあはあ、足が痛いです。今日はもう無理です。」

これ以上運動すると危ないので今日はこの辺で終わることにした。思った以上に早く終わることとなったが普段運動をしない人にこれ以上させるのは危ない。それに影山さんはとても頑張った。

「ええ、今日は終わりましょうか。よく頑張りました。」

「それでは二人ともありがとうございました。わざわざありがとうございます。」

短い時間ながらも手伝ってくれた二人に感謝して別れる。

「それではまた。いつでも頼ってくださいね。」

「じゃあねー。」

私達は二人に手を振りそのまま自分の部屋へと向かった。

部屋につくと影山さんはすぐに自分のベットに飛び込んだ。よほど疲れていたのだろう。

「あの。今日はありがとうございます。」

私も暑くて涼んでいると影山さんの方から声をかけてくる。

「ええ、私のことはいつでも頼ってください。」

「西園寺さんはなんで僕なんかに優しくしてくれてるんですか?」

そう言われ私はキョトンとする。

「友達だからじゃダメでしょうか?」

「僕たちって友達なんですか?」

「逆に違うんですか?私はてっきり友達だと。」

影山さんは私のことを友達だと思って無かったのだろうか。そうなるとショックだ。

「いやそうじゃなくて。てっきり僕のことをただのルームメイトだと思ってるんじゃないかって。」

「ただのルームメイトならこのようなことはしませんよ。私は影山さんのことを大切な友達と思っているからこそ優しくするんですよ。」

私がそう言うと影山さんは顔を真っ赤にする。

「はい。僕も西園寺さんとはもっと仲良くなりたいです。」

「ええ。お互いこれから色んなことを知っていきましょう。それと体育祭までこれから練習しましょうね。」

「それはまあ、考えておきます。」

私がそう言うと影山さんは目を逸らす。

「まあ、影山さんにやる気がなくても私が今日のように外に出しますけどね。」

「西園寺さんって少し強引ですよね。」

「ふふっ。それはよく言われます。ですがそれが私の良さなので。」

「はい、そうですね。西園寺さんは太陽みたいな人です。」

私が微笑むと影山さんも私に微笑んでくれる。

「ええ。それでは今日もゲームを教えていただけますか?」

「はい。それでは一緒にやりましょう。」

私はもっと影山さんのことを知りたい。これからも私達は二人でこの学園を過ごしていく。そう思うと楽しみで仕方がなかった。

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