お出かけ3
「それじゃあそろそろ人が少なくなってきたし帰ろっか。」
「そうだね。それじゃあ一緒に帰ろうよ。」
ひまりは私の手を握って歩き出す。
私達は屋上で人が少なくなるまでお話しして待っていた。
「そういえばひまりってどこに住むの?」
やっぱりひまりは芸能人だしホテルとかで泊まるのだろうか。それともスタッフさんが用意した家とかあるのだろうか。
「あたしはここの寮に住むよ。」
「私も寮だよ。一緒だね。」
まさかひまりも寮だとは思わず私はびっくりする。ということは暇な時とかひまりの部屋に遊びに行けるということか。
「咲ちゃんも寮暮らしなんだね。それならいっぱい遊べるね。」
ひまりは満面の笑みを浮かべる。
「うん。また今度遊びに来てよ。」
「もちろん。絶対に行くからね。」
「うん。それじゃあまた明日。」
「うん。それと今日は助けてくれてありがとう。あたし、咲ちゃんと仲良くなれてよかった。」
「うん。私こそとっても嬉しいよ。」
「ふふっ。それじゃあまた明日ね。」
ひまりはそう言って自分の部屋に向かっていった。やっぱりひまりは明るくて可愛いな。
私も疲れたし、部屋に戻ろう。
「ただいま蜜柑。ちょっと遅くなっちゃった。」
私が靴を脱いで部屋に入るとそこには蜜柑がいたが明らかに機嫌が悪そうだった。
「もう、遅いよ。せっかく今日は部活がないから一緒にいれると思ったのに。今までどこいってたの?」
「ごめん。さっきまでひまりとお話ししててさ。」
「何?私よりもひまりの方が大事だって言うの?」
蜜柑がものすごくめんどくさい感じになってしまっている。こうなった蜜柑は止められない。
「別にそうじゃなくて、ひまりはこの学校に来て初めてだから色々教えてたというか。」
「もう!言い訳しないで。私だって咲と学校でくっつきたいのに我慢してるんだから!」
そう言って蜜柑は私に抱きついてくる。蜜柑はものすごく怒っているが私はそれ以上にドキドキして仕方なかった。
「ごめん、蜜柑。今度からちゃんと遅くなる時は連絡するから。」
「ならいいけど。それと学校で柳さんやひまりとあんまり話さないでよ。私も我慢してるんだからね。」
蜜柑はそう言って私をソファーに押し倒してくる。吐息が当たって話が全然入ってこなかった。
「ご、ごめん。できるだけ気をつけるから期限なおしてよ。」
「ふーん。なら代わりに私のお願いを聞いてよ。」
「私ができることならいいけど。」
「それならこのあとお出かけしようよ。最近暑くなってきたから夏用の服を買っておきたいんだー。」
どんな無理難題なお願いをされるか恐れていたが案外普通なお願いに安心した。それに私もちょうど夏用の服を買いたかったし蜜柑とお出かけできるのは私も嬉しかった。
「私もちょうど夏用の服を買いたかったしいいよ。」
私がそう言うと蜜柑は一気に顔を明るくする。蜜柑って単純だな。
「えへへ、それならいいよ。じゃあ私は準備してくるから咲も早く準備してね。」
蜜柑は笑顔でお出かけの準備をしに行った。さっきまでの不機嫌オーラは完全に消え、いつもの元気な蜜柑に戻って良かった。
私も蜜柑とのお出かけが楽しみでルンルンしながらお出かけの準備をするのだった。
私は外を出ていつものショッピングセンターに向かう。今日は雨が降っていなくて、お出かけ日和だった。
「えへへ。久しぶりに二人きりでのお出かけだー。」
蜜柑はいつもより高いテンションで私にくっつく。
確かに最近は雨が降ってたりして外に出る機会も減ったし蜜柑と二人で遊ぶのは久しぶりだった。
私達はショッピングセンターに着くと服屋へと向かった。このショッピングセンターも何回も来たので流石に大体の場所はわかるようになっていた。
私達は階段わ登って2階の服屋に入る。
服屋ではすでに半袖の服が沢山並んでいた。
「それじゃあ最初は咲の服を選ぼっか。」
「一人で選べるから大丈夫だよ。」
「だーめ。私が選びたいの。」
蜜柑はそう言って私を更衣室に運ぶ。それからずっと私は着せ替え人形のようにされる。蜜柑からいろんな服を渡されて私はそれを着る。
「うーん、白ワンピースかわいいな。でもブラウスも捨てがたいしなあ。」
蜜柑は私の服をずっと選んでいる。服一つでそんなに悩むことだろうか。私はオシャレに興味がないから自分で服を買う時はずっとパーカーを選んでいた。
「私の服はいいから、自分の服を選びなよ。私はパーカーでいいからさ。」
「やーだ。私の服はなんでもいいの。それより咲の服を選ぶ方が楽しいから。」
結局私は蜜柑が私の服を選ぶのをずっと待つしかなかった。
私は蜜柑にお勧めされた服を二着ほど選んだ。
「それじゃあ後は私の服を適当に選ぼうかな。」
「待って。それなら私が蜜柑の服を選ぶよ。」
「私のは自分で適当に選ぶからいーよ。」
「だめだよ。私も蜜柑の服を選びたいからさ。」
私だけ着せ替え人形にされるのも納得いかないし、私も蜜柑のいろんな服を見たくて、蜜柑を更衣室に運んだ。
私はとりあえず蜜柑にいろんな服を着せてみる。
蜜柑は元気な感じだからストリート系もいいし、スポーティー系も合うしで迷ってしまう。確かに、人の服を選ぶのは楽しいかもしれない。
「もう、長いよ。早く決めてよ。」
「蜜柑だって長かったんだしいいじゃん。」
それからも私はずっと蜜柑の服を選んだ。気がつくとかなりの時間が経っており私と蜜柑はそれぞれ選んだ服を買って外に出た。
「もー。咲が選ぶの長いから疲れたじゃん。」
「蜜柑だって長かったから人のこと言えないからね?」
「まあまあ、それより今日はもうご飯作るのめんどいし、ご飯食べてこうよ。」
「あっ、話ずらした。まあ別にいいけど。」
もうかなりいい時間帯になってたし、今日はここのお店で夜ご飯を食べることにした。
「うわー、どれにしようか迷っちゃうなー。」
私達はとりあえずフードコートでご飯を食べることにした。私は今日は麺類の気分だったからラーメン屋に並ぶことにした。
「咲は何頼むの?」
「うーん。無難に醤油ラーメンにしようかな。」
「私は豚骨ラーメンにしようかな。あと餃子も頼もう。」
私と蜜柑は席についてご飯を食べることにする。
私はとりあえず麺から食べてみる。とても麺がもちもちしていてとても美味しかった。スープも味が染みていてとても美味しかった。
「咲、餃子いる?」
「うん。一個ちょうだい。」
「はい、あーん。」
うん。餃子も皮がパリパリしてるし中もジューシーで美味しかった。
私達はご飯を食べ終えてフードコートを出る。
「それじゃあ少し回ってから帰ろっか。」
「うん。私はもう疲れちゃったよー。」
私達がぶらぶらと周りを見てると近くで何やら声がする。何か揉めてるようだった。
「いいじゃん今から遊ぼうぜひまりちゃん。」
「えっと、その今からあたしは帰るから。」
「いいじゃん、ちょっとだけだからさ。」
よくみるとそこにはファンらしき人に迫られているひまりがいた。私達はとりあえずひまりを助けに行く。
「あのー、彼女が困っているんでやめてください。」
「あん?おめーらには関係ねえだろ。」
私がどうしようか迷っていると蜜柑がスマホを前に出し男達を睨みつけた。
「これ以上騒ぐなら警察呼ぶけどいいの?」
「くっ、卑怯だぞ。」
男達はそれだけ言って逃げていった。
「ひまり、無事だった?」
私が心配してるとひまりは私に抱きついてくる。
「ありがとう二人とも。怖かったよ。」
「別にお礼はいいから咲から離れてよ。」
蜜柑はそう言ってひまりを引っ張った。
「そう言えばひまりはなんでここに?」
「ここにきたばっかで家具がなかったから買いに来たんだけどそしたらさっきの人に話しかけられてこまってたの。」
「そっか。ひまりに何もなくて良かった。」
「とりあえず私達は帰るからね。」
「待って。あたしも一緒に帰りたいな。」
私達は三人で帰ることにした。しかしひまりも蜜柑も私にくっついて歩くせいでとても歩きづらい。
「あの、二人とも歩きづらいんだけど。」
「だってひまり。どいてあげなよ。」
「蜜柑ちゃんこそどいたら。咲ちゃんは私の大事な友達なんだもん。」
二人は言い合って結局どちらも離れてはくれなかった。
そのせいでいつもより寮に着くのに時間がかかってしまった。
蜜柑とひまりは知り合いだし、仲が悪くはないはずだが二人はなんともいえない空気感だった。
柳さんと蜜柑のような明らかにギスギスした感じではなく、もっと複雑な感じがするが私は気にしないことにした。
「それじゃああたしは自分の部屋に戻るね。それじゃあ二人ともおやすみ。」
「おやすみ。また明日」
「ばいばーい。」
とりあえず寮についたので私達はひまりと別れて自分の部屋に戻った。
私は蜜柑とお風呂に入った後、すぐさまベットにダイブして眠りにつくのだった。




