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はなかご  作者: 和音
第二章 みんなと一緒なら
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ライバル

「あっ、咲ちゃんだ!咲ちゃんが同じクラスで良かったよ。」

ひまりが私に微笑むとクラスメイトは一斉に私の方を見る。私は今すぐにでもこの場から逃げたくて仕方なかった。

「おや、もう既に二人は仲良くなったのですね。皆さんも南雲さんと仲良くするように。」

霞先生は笑いながら言うが少しは助けて欲しい。

「はい!咲ちゃんは私の大切な友達です。」

ひまりが笑顔で言うせいでクラスメイトは余計にざわつく。

「なんで日野さんが?」

「日野さんとひまりさんってどういう関係なの?」

クラスメイトは私のことでこそこそ噂話ししているし、隣と後ろからものすごい寒気がして仕方なかった。

私は恐る恐る隣を見てみると柳さんがすごい形相で私を見てくる。一体どうしてそんなに恐ろし顔をしているのだろうか?

「では、とりあえず南雲さんの自己紹介から始めましょうか。」

私が困っていると、霞先生は手を叩いてこの場を静かにする。やっと助け舟を出してくれたことに安堵する。

「はい、あたしは南雲ひまりです。短い期間ですが、よろしくお願いします。」

ひまりが挨拶を終えると、みんながまた騒ぎ出す。

改めてひまりが人気だということを理解した。

「ではここからは自由時間ということでみなさんで南雲さんとお話ししましょう。」

霞先生がそう言い終わると、みんなは一気にひまりの元に向かう。

「ねえ、芸能界ってどんな感じなの?」

「連絡先交換しよーぜ。」

「え、えっと順番にね。」

ひまりは私を助けて欲しいという目で見てくる。

ひまりが困っているので私は助けに行きたかったが、クラスメイトが集まっているせいで助けに行けなかった。

私がどうしようか迷っていると、柳さんと綾乃と涼が私の元に駆け寄ってくる。

「ねえ、日野さんと南雲さんはどういう関係なの?」

柳さんはすごい目で見てくる。私はとても怖くて目を逸らす。いつもの柳さんとは様子が違って少し怖かった。

「えっと、さっきひまりが困ってたから私が助けただけだよ?特に何もなかったから。」

「本当咲って天然たらしよね。」

「さすが咲ちゃんやなー。」

二人は笑いながら言うが私は助けて欲しかった。

「じゃあ、変なことはされてないんだね?」

「うん。ただお話しして友達になっただけだよ。」

「なんだ。それならよかった。」

私が必死に誤解を解くと、柳さんはいつもの笑顔で物静かな柳さんに戻った。まだ後ろからものすごい寒気がするがそれもあとで誤解を解かないといけない。

ひまりがどうしようか困っていると、蜜柑が駆け寄っていった。

「南雲さんもいきなり話かけられたら困るだろうから、もっとゆっくり話した方がいいよー。」

蜜柑が注意すると、クラスのみんなはさっきより大人しくなった。流石は蜜柑。

それからもこの時間はずっとみんなひまりに集まっており、その間暇な私は柳さん達とお話しして遊んでいた。

私達がお話ししているといつのまにかチャイムがなっていた。

「盛り上がっているところ悪いですが授業が終わったので終礼を初めますよ。」

そして終礼が終わったと同時に、またみんながひまりの元に集まる。そして別のクラスの人もひまりに会うためにこのクラスに入ってくる。ひまりは本当に人気だな。

「ねえ、南雲さん。今日一緒に帰ろうよ。」

クラスメイトはひまりに話しかけるがひまりは私の方に向かってくる。

「ごめん。あたし、咲ちゃんとお話ししたいからまた明日ね。」

ひまりはそう言って私に抱きつく。

ひまりは私の手を掴み教室を出て、人気のないところに逃げていく。その時いろんな人から見られて私は早く帰りたくて仕方なかった。









とりあえず私達は人がいなさそうな屋上に来た。

「いやー、それにしても疲れた。ちょっと休ませて。」

ひまりは大きくため息をつくと頭を私の膝に乗せる。一瞬戸惑ったがずっとクラスメイトを相手にしていて疲れているだろうからこれくらいはいいか。

「それにしてもお疲れ様。みんな、ひまりに興味津々だったね。」

「うん、本当疲れたよ。しかも明日はクラスメイト以外の人も対応しなきゃだからあたしもう無理だよ。」

「私も本当は助けに行きたかったんだけど人が多くて無理だったから。」

「それは大丈夫。咲ちゃんにまで迷惑はかけられないから。それに今日は蜜柑ちゃんが助けてくれたから。蜜柑ちゃんは相変わらず優しいね。」

その発言に疑問が生まれる。

「あれ?ひまりって蜜柑を知ってるの?」

「うん。小さい頃はこの町にいたから蜜柑ちゃんのことは知ってるよ。というか蜜柑ちゃんとは中学の時よく一緒にいたから。」

そういえばひまりって元はここの街出身だった。だからこの学校にも何人かは顔見知りがいるのか。

私とひまりは生徒がいなくなるまで、ここで時間を過ごすことにした。私達がおしゃべりしていると、椿が屋上にやってくる。

「あれ?咲とひまりじゃん。そういえばひまりは今日からこの学校に来るんだったね。」

「あっ、椿ちゃん久しぶり。椿ちゃんも相変わらずだね。」

ひまりは椿を見つけると笑いながら手を振った。椿とひまりも知り合いとなのか。

「二人はどうしたの?」

「ここは人が来ないから落ち着くんだ。」

「そっか、それにしても二人は既に仲良いんだ。」

「うん。咲ちゃんはあたしの友達なんだ。」

ひまりは椿の前だというのにさっきから私にベッタリとくっついている。

「咲って本当にタラシだよね。」

「咲ちゃんはとても優しくて一緒にいて落ち着くから。」

「ははっ、これを見たら蜜柑や柳さんはどんな反応をするんだろうね。」

椿は笑っているが私からしたら笑い事ではなかった。

「まあ、そんな睨まないでよ。それよりひまりは調子どう?」

「うん、大丈夫だよ。仕事も順調だし。」

「今回も撮影のためにこの町に戻って来たんだよね。また、すぐにどこか行っちゃうの?」

椿が尋ねるとひまりはしょんぼりする。

「うん。撮影が終わったらまた、知らないところを転々とすると思う。だから咲ちゃんや椿ちゃんともまた会えなくなっちゃうな。」

「まあ、そんな落ち込まないでよ。今度蜜柑も誘って遊びにでも行こうよ。」

「うん、行く!約束だからね!咲ちゃんも行こうね。」

「うん。みんなで行こう。」

椿の言葉でひまりは顔を明るくした。ひまりはすぐ顔に出るし、とても甘えてくるから子猫みたいでとても可愛かった。

それにしてもさっきからずっと寒気がするがなんなのだろう?







私、柳月花はとてもモヤモヤしていた。ただでさえ、浅野さんといつも一緒にいるから学校でしか日野さんと一緒にいるチャンスがないと言うのに。まさかここに来て学校ですら、一緒にいられなくなるかもしれない。私は南雲さんが何者かを調べるために観察している。

「いや、柳ちゃん。それは観察というか、ストーカーや。」

「本当よ。あなた咲のこととなると一気に冷静さが欠けるわね。」

「だって日野さんが変な女の子に引っかからないから不安なんだもの。」

「やっぱり咲ちゃんは罪な女やねー。」

私達は今、屋上の壁に隠れて日野さんと南雲さんを見ていた。するといきなり南雲さんが日野さんに膝枕をしてもらってるのを見て、私は私じゃなくなるとこだった。

私ですら手を繋ぐくらいが限界なのに。

どうにかして、もっと日野さんと近づかないとこのままじゃ南雲さんに取られる可能性まである。ライバルは浅野さんだけではなかった。

「本当咲ちゃんはモテモテやなー。」

「なんであんたはそんな楽しそうなのよ。はあ、本当咲ってば天然タラシなんだから。」

ライバルがいくらいようが私は絶対に諦めない。







そしてモヤモヤしているのは月花だけではなく、蜜柑も同様であった。

まさかひまりがこの学校に来るだけでなく、いきなり咲と仲良くなるなんて。やっぱり咲は人たらしだな。それにしてもひまりと久しぶりに会えるのはとっても嬉しい。

ただでそれはそれとしてひまりが咲と一緒にいるとモヤモヤする。ただでさえ学校では一緒にいられないからイライラしてたのに柳さんだけでなく更にライバルが増えるなんて、しかもひまりは柳さんよりも距離が近いし、私は既に限界だった。

これから学校でひまりと咲がくっついてるのを見ないといけないと思うと爆発しそうになる。

それに、咲とひまりが一緒にいると厄介オタクとかに咲が狙われる可能性もあって心配だった。

クラスの人はずっと私に話しかけてきてめんどくさいし、咲とは一緒にいられなくてもう限界だった。

とりあえず帰ったら咲に問い詰めないといけない。

いくらライバルが増えようが絶対に咲は誰にも渡さない。



それぞれの想いが渦巻く中、咲はこのことを一切知らずのほほんとしているのだった。

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