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はなかご  作者: 和音
第一章 初めての学園生活
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あなたと共に

前半は蜜柑視点、後半は咲視点です。

私はいつものようにゆっくりと起きる。目覚まし時計を見てみると、すでにいい時間になっていた。いつもは咲が起こしてくれるはずだけど今日はもしかしてまだ寝てるのだろうか?まあ、昨日は色々あって咲も疲れてるだろうし起こさないようにしようかな。

私は窓を開けて外を見てみる。暖かい風がそよいでとても気持ちよかった。いつもは咲が料理を作ってるけど今日くらいは私が料理を作ろうかな。

私はとりあえずスマホでレシピを調べて料理に取り掛かる。私でも作れそうなハムエッグとトーストを作ることにした。

正直昨日は色々あったせいで私も疲れていた。

所々焦げてはいたがなんとか完成させることができた。 

料理ができて時間もちょうどいい頃になったので部屋に行って咲を起こすことにする。

「咲、ご飯できたよー。そろそろ起きて。」

私が部屋に行くと咲はぐっすり眠っていた。すやすやと眠っている咲はとても可愛いくてずっと見たくなる。私は咲のほっぺをツンツン触ってみる。この前のお返しだ。

咲のほっぺはぷにぷにしていてずっと触りたくなる。私がどんなに触っても咲は起きる気がしない。

まあ、昨日あんなことがあれば疲れるよね。それにしても昨日のことを私は許せなかった。

あの男達はもちろん、咲を守ると誓ったものの結局咲を傷つけた私のことも許せなかった。

もう二度と咲を泣かせたくない、咲の不安そうな顔など絶対に見たくない。

咲は優しいから人より傷つきやすい。だからこそ私が咲を守らないといけない。

「ん、あれ蜜柑が起きてる?」

私が咲を見つめながら起きるのを待っていると、少ししてから起きて来た。

「おはよう咲。もう十時だよー。」

私は笑顔で言うと咲はすごい驚いた表情する。

「えっ嘘でしょ!もうそんな時間なの?」

「うん。だからご飯も私が作っておいたよ。一緒に食べよう?」

「咲が作ったの?本当にありがとう。」

「ううん。咲は昨日のことで疲れてただろうし、しょうがないよ。」

今日はこの後を何をしようか?今日は外には出ずにゆっくりしようか。

「ねえ蜜柑。」

「どうしたの?」

「昨日は本当にありがとう。昨日蜜柑が助けてくて私とっても嬉しかった。蜜柑と会えて良かった。」

咲はにこっと微笑む。咲のそういうところがずるい。咲は覚えてないだろうけどずっと前から咲のことが好きだったよ。

「うん。私こそ咲と会えて良かった。これからも一緒に頑張ろう。」

私はそう言って咲に手を差し伸べる。

「うん。これからも一緒にね。」

咲も私の手を握り返す。この先もずっと二人で歩んでいきたいと思う。

私は咲のことが大好き。この気持ちをいつか本人に言えるといいな。







私が目を覚ますとそこには蜜柑がいた。いつもは起きてくるのが遅いのにどうしたんだろうと思って時計を見てみると既に十時半を超えていた。

「おはよう咲。今日は私が朝ごはん作ったよ。」

いくら疲れているとはいえこんな時間に起きているなんてやばい気がする。しかも蜜柑がご飯を作っているなんて明日は隕石が降るかもしれない。

私は急いで顔を洗い、食卓について朝ごはんに手をつける。 

ハムエッグは所々焦げていたが味はちゃんとしていて美味しかった。

「蜜柑も料理作れるじゃん。今度から二人で交代制にしようよ。」

「えー、普段はいいかな。咲のご飯の方が美味しいもん。」

普段から作らないと上達しないのに。それに私の負担も考えて欲しい。

ご飯を食べ終えると私は自分の部屋に戻ってスマホを見る。LINEを見てみると霞先生や椿からたくさんのメールが来ていた。

どうやら昨日蜜柑が椿と霞先生に私がいなくなったことを伝えたらしく、二人とも私を探しに祭まで来てくれてたらしい。

まさかそんなところまで迷惑がかかっているとは思ってなかった。今度あったら二人にもお礼を言っておかないといけない。

それにしても昨日は大変だった。あの後、私を襲おうとした不審者達は全員捕まったがどうやらあの男達は私以外にもたくさんの女性を襲っていたらしい。これで不審者の被害も相当なくなるだろう。

本当に蜜柑と柳さんには感謝しないといけない。特に柳さんが警察を学校に配置してたお陰で今まで不審者に会わずにすんでいた訳だから本当に心の底から感謝している。

私が自分の部屋でダラダラしているとチャイムの音がした。

蜜柑はゲームをしてたから代わりに私が出る。

「はい。どなたでしょうか?」

私はドアを開けるとそこには西園寺さんがいた。西園寺さんの方から来るなんて珍しい。また、困ったことでもあったのだろうか?

「あれ?今日はどうされたんでしょうか?」

「この前のお礼がしたかったのと、日野さんが大丈夫かを見に来たのです。」

「私が?」

「ええ、霞先生から聞きましたよ。祭で不審者と遭遇したらしいですね。」

どうやら西園寺さんにまでその話は伝わっていたようだ。もしかしてわざわざ心配して来てくれたのだろうか?

「はい。蜜柑達がいたのでなんとかなったんですが、あれは本当に危なかったです。とりあえず何も無くて良かったですが。」

「ええ、なので日野さんが無事で私は安心しました。不審者もちゃんと捕まったらしいので良かったです。」

まだ町に来て浅いがもう既にいろんな人と関わりが持てて嬉しい。みんなが私のことを心配してくれて胸が暖かい。だから私もみんなともっと交流を深めたい。

「もし困ったことがあれば私を頼ってくださいね。私は必ずあなたのお力になりましょう。」

西園寺さんはそう言って手を差し伸べる。私も西園寺の力になりたい。お互いに協力していきたい。

「はい。お互いに困った時は助け合いましょう。」

私も西園寺さんの手を握り返す。西園寺さんは本当にいい人だ。

「日野さんが無事なのを確認できたので今日はこの辺で終わりにしときます。あとこの前のお礼でお菓子を作ったので蜜柑さんと二人で食べてください。」

私は西園寺さんからクッキーを受け取った。この前のお礼というのは、たぶん影山さんと西園寺さんの仲立ちをしたことだろう。

「ありがとうございます。二人で食べます。」

「ええ、それではまた。」

西園寺さんはにこやかに微笑んで帰って行った。

私はドアを閉めてリビングに戻る。

「誰だった?」

蜜柑はちょうどゲームが終わったのか、片付けている最中だった。

「西園寺さんだったよ。私が心配で見に来てくれたんだって。あとクッキーも貰ったから後で二人で食べよう。」

「うん、いいね美味しそう。それとこの、後暇だったりする?」

「うん?大丈夫だよ。」

特にこの後予定はなかったが何かあるのだろうか。」

「それならこの後、学校の敷地内を歩かない?」

「うん、いいよ。」

私と咲は外に出て少し散歩をすることにした。







ドアを開けて外に出ると風が強く桜の花びらが舞ってとても綺麗だった。桜も花びらもほとんど散っておりここから少しずつ夏の気候になっていく。それでも寂しいという感情は湧かなかった。

「今日も天気がいいね。それじゃあ、歩こっか。」

蜜柑は私の手を引いて歩く。とてもポカポカしてて、お散歩日和だ。

「やっぱり綺麗だねー。」

「うん。もうすぐ桜は全部散っちゃうけどまた来年も見たいね。」

「うん。来年も再来年もずっとずっと一緒にいようね。」

蜜柑はにこっと笑う。蜜柑とはずっと一緒にいたい。卒業してからもずっと一緒に入れたらなって思う。

私達は大きな桜の木の前についた。

「うわー、この桜の木とっても大きいね。」

「そうだ。ここで写真を撮ろうよ。ほら早く入って。」

蜜柑はカメラを内カメにして写真を撮る。私は急いでカメラに入る。急に入ったせいでちょっと変な顔になってしまった。普段写真なんて撮らないからだ。

「あはは。咲の顔ちょっと変で面白い。」

「ちょっと、早く消してよ。」

「恥ずかしがってて可愛いー。これも思い出だから。」

私は笑ってる蜜柑を見て自然と笑顔が溢れる。

「そういえば蜜柑に言いたいことがあるの。昨日は本当にありがとう。寮が蜜柑と同じ部屋で良かった。蜜柑と会えて良かった。これからもしかしたら蜜柑に迷惑をかけることがあるかもしれない。それでも私は蜜柑と一緒にいたい。」

「うん、私もずっと咲と一緒にいたいよ。それに私こそ咲に迷惑をかけるかもしれないよ?」

「まあ、蜜柑は普段から私に迷惑かけてるから。」

それは普段からなので別に構わないけれど。

「むー。咲のいじわる!」

蜜柑は拗ねた顔をする。

「まあいいや、それとさ咲。昨日咲がいなくなった時、生きた心地がしなかった。頭が真っ白になってもう終わりだと思った。私、咲のことになるとちょっと余裕なくなっちゃうかもしれない。そんな私でもいいの?」

「私だって蜜柑に何かあったらどうなるか分からないよ?」

お互いに思いを伝えられてスッキリした。私達の学生生活は始まったばかりだけれどきっとこれからたくさんの素敵なことが起こると信じている。いや、蜜柑と二人なら絶対に楽しいに決まっている。

「えへへ。それじゃあ私達仲良しだね。お互い言いたいことは言えたし帰ろっか。」

「そうだね、私も家でゆっくりしたいよ。」

私達は手を繋いで帰る。これから辛いことがあっても蜜柑となら乗り越えれると思う。そしていつかはこの気持ちを本人に伝えられたらいいな。

これからもまだまだ続く学園生活に私は期待を膨らませるのだった。

これで第一部は終わりです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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