桜祭
私は目が覚めると、いつものように窓を開けた。窓を開けるといっぱいの日差しが流れて、とっても気分が良かった。なんと言っても今日は、桜祭りに行く日だ。楽しみすぎて昨日あまり眠れず、少し寝不足気味だが私は顔を洗っていつものように料理に取りかかった。私が料理を作っているといつもより早く蜜柑が起きて来た。
「おはよー。今日楽しみだねー。」
「蜜柑がこの時間に起きてる?嘘でしょ。」
この時間に起きてる蜜柑に私は絶句する。今まで私が起こさなきゃ起きなかったのに。
「ひどい!私だって起きる時は起きるよ。なんたって今日は桜祭だよ。咲とお出かけできる日なんだよ!」
「まあ、起こす必要がなくなって助かるよ。それと今料理作ってるから待ってね。」
「いつも咲に作らせてごめんね。それじゃあ私は今日の着る服でも選んでるから。」
そう言って蜜柑は服を選びに自分の部屋へと戻って行った。
料理ができて、私は蜜柑を呼びに部屋に行く。
「うーん。どの服を着ていこうかなー。」
蜜柑はさっきからずっと、どの服を着るか悩んでいた。蜜柑の部屋にはたくさんの服で散らかっていた。
「もー、そんな悩む必要ある?もうご飯できたよ。」
私は服一つでずっと悩む蜜柑に呆れる。
「そりゃあ咲と二人きりのデートだよ。それに年に一回のお祭りだしいつもよりおしゃれしなきゃ。」
「いや、デートじゃないから。後、柳さんも一緒だからね?」
柳さんをいないことにする蜜柑に私はつっこむ。私もいつもよりはオシャレしようかな?
「それに、女の子にとって服は大事なの!咲もその服ちょっと地味じゃない?私の服貸してあげるから着て見てよ。」
「えっと、私はいいから早くご飯食べよう?」
「だーめ。一緒におしゃれしようよ。」
蜜柑はそう言っていろんな服を私に着させる。少しむず痒かったが、どれも可愛い服ばかりで少し楽しかった。
「うーん。咲は可愛いからどれも似合うなー。このリボン付きのもの可愛いし、こっちのヒラヒラがついてるのもいいなあ。スカートもどれにしようかな。」
「自分の服選んでいる時より迷ってない?」
蜜柑はずっと私の服で悩んでいた。私よりも真剣に選んでいてちょっと引いてしまう。というかこのまま蜜柑が悩んでいると集合時間に間に合わなくなってしまう。私は早くご飯が食べたい。
「ねえ、そろそろ決めてよ。早くご飯食べようよ。」
「あとちょっとだから待って。すぐ終わるから。」
私は大人しく蜜柑が終わるのを待ったが結局三十分かかった。せっかく早めに起きたのに、時間がなくなった私は急いで食卓につく。
今日の朝ごはんはいつも通りハムエッグとトーストを作った。私はトーストにかぶりつきながら蜜柑に文句を言う。
「もー。蜜柑のせいで急がなきゃじゃん!」
「だって咲がどの服も似合うんだもん!どれも可愛いくて選べないよ。」
まるで私が悪いかのように言うが原因はどう考えても蜜柑だ。
「はいはい。朝ごはん食べ終わったら、すぐ準備して行くからね。」
私達はすぐにご飯を食べ終え、急いで支度をして外に出た。せっかく今日はゆっくりいけると思ったのに結局こうなるのかと私はため息をつくのであった。
街を歩いてみるといつもとは、比べ物にならない程の人がいた。みんな、祭りに行く人なのだろうか?
「うわー、祭があるからか人が多いね。」
「そうだね。逸れないようにしないと。」
私はこの人混みで逸れないかが心配だった。
「それなら私が手を握ってあげるよ。」
蜜柑はそう言うと私の手をぎゅっと握った。少し恥ずかしいけど、逸れる方が嫌だから私は蜜柑に手を握られたまま祭りの会場に向かった。
会場はさっきの人の数と比べものにならないほどの人混みだった。それに屋台やら着ぐるみやらですごい盛り上がっていた。人が多くてなかなか進めなかったが私達はなんとか柳さんと約束した場所まで行く。
そこにはボディーガードに囲まれた柳さんがいた。人が多いというのにボディーガードがみんな黒スーツのせいでものすごく目立っていた。それにしても柳さんはいつもよりおしゃれだった。
「ごめん柳さん。ちょっと遅れちゃって。」
「私も今来たところだから気にしないで。それと今日の日野さんいつも以上に可愛いね。」
「柳さんだってとっても可愛いよ。」
「本当?とっても嬉しいよ。」
私が柳さんを褒めると柳さんはニコニコになり蜜柑の顔が暗くなる。
「ふーん。私には可愛いとか言ってくれなかったのに柳さんには言うんだ。」
拗ねた蜜柑はなかなかにめんどくさい。
「もー、拗ねないでよ。蜜柑も可愛いから。」
「本当!なら良かった。さあ、早速祭を楽しもう!」
そう言って蜜柑は駆け足で進んで行った。
私は走って行く蜜柑を遠目に見つつ、柳さんと顔を合わせる。
「なんか今日はものすごく疲れそうだね。」
「そうだね。」
私達は諦めて蜜柑について行くのだった。
私達はとりあえずいろんなところを回ることにした。桜が舞っていてとても綺麗だった。やはり春は桜が綺麗だからいいな。私は過ごしやすい気候もあって春が一番好きだった。
「私、祭りに行ったこと無かったから日野さんと回れて、嬉しい。」
「私も咲と一緒に祭に行けて楽しいなあ。」
「うん、私も二人と一緒に回れてうれしいよ。所でなんで二人とも私の手を握るの?」
蜜柑と柳さんが私の両手を握るせいで手が塞がっている。そのせいで子供みたいになっていて少し恥ずかしい。それにこのままだと屋台も食べられないではないか。
「だって咲の手、暖かくて落ち着くんだもん!」
蜜柑が熱弁して、柳さんも頷く。こういう時だけ合わせないで欲しい。私は戸惑ったが今だけは握らせてあげることにした。
三人で回っているとライブをしてるエリアに来た。そこにはアイドルのような格好の女の子達が歌って踊っていた。
「うわー。みんな綺麗だし歌も上手いね。」
ライブに出てるどの人も可愛いくて歌が上手かった。もしかしたら有名なアイドルかもしれない。
「咲の方が可愛いけどね。」
「いやいや、それはないから。」
流石にそれはないと私はツッコミを入れるが、更に柳さんはそれを否定する。
「日野さんって自分に対する評価低いよね。日野さんは可愛いんだからもっと自信持った方がいいよ。」
「本当だよ。咲に片想いしてる人なんて山ほどいるよ。」
私ってそんな自己評価が低いのだろうか?でも私告白されたことほとんどないんだけれど。
とりあえず私達はライブを見て、時間を過ごした。
アイドルの後は歌手がその後はマジシャンが来てずっと飽きることはなかった。
ライブを見て、その後、いろんな屋台を適当に回っていると少しお腹が空いてきた。
私達はとりあえずたこ焼き屋に並ぶことにした。
「私たこ焼きを食べたこと無かったから、楽しみ。」柳さんの発言に私と咲は目を丸くする。柳さんは一体どこまでお嬢様なのか。
「嘘でしょ。柳さんたこ焼き食べたことないの?」
「うん。外食も普段はしないから。」
お金持ちって怖いなと私と蜜柑は少し引いていた。
その後、少し待っていると三人分のたこ焼きが来た。
私達は桜がよく見えるところに移動してたこ焼きを食べる。
生地がとってももちもちしてるし、タコも噛みごたえがあってとっても美味しかった。
「このたこ焼き美味しいね。」
私はそう言って二人に聞くが柳さんの様子がおかしい。」
「このたこ焼きとってもさ。」
「どうしたの?もしかして口に合わなかったとか?」
「いや、そうじゃなくてこのたこ焼きとっても美味しいね!こんな美味しい食べ物初めて食べたよ。」
そう言って柳さんは目を輝かせ、私達に熱く語る。
「そんなに美味しかったんだ。」
「うん。もう一個買ってくるね。」
そう言って柳さんはたこ焼きを買いに行った。柳さんの意外な一面が知れて良かった。
「たこ焼きってお嬢様の口にも合うんだね。」
「流石たこ焼き。美味しいもんね。」
私は蜜柑とたこ焼きを食べながら柳さんが帰ってくるのを待つのだった。
私達は昼ごはんを終え、午後のイベントがある所に向かっていった。
「それにしても、今日は日野さんと一緒に回れたし、たこ焼きにも会えたしとっても良かった。」
柳さんはルンルンで語った。
「うん。本当は咲と二人が良かったけど。」
蜜柑の発言に柳さんはムッとした。何、二人は喧嘩しないと死ぬの?
「私だって日野さんとが良かったなあ。」
「自重してくれてもよかったんだよ。」
「むしろ、いっつも一緒にいるあなたが自重して欲しかったな。」
「もう、今は祭りの最中なんだから喧嘩はやめて。」
そう言って二人はまた言い争いを始める。結局二人が仲良くなることはなくて、私はため息をつく。私か二人の間に入って喧嘩を止めに入ることになる。
ゆっくりと話しながら歩いていると午後のイベント会場に着いた。私達はイベントに参加するために受付に向かった。
しかし私達が歩いていると突然引っ張られ、人混みの中に引き摺られた。
「蜜柑、助けっ。んぐっ。」
二人に助けを求めようとしたが口を伏せがれたせいで声が出せなかった。
私はそのまま人がいない所まで連れて行かれた。
「よお。久しぶりだな。」
私を攫った男たちはフードを外す。この顔を私は見たことがある。ショッピングモールの時私にナンパして来た人たちだ。
私は不安で泣きそうだった。




