入部
私はいつものように朝早く起きて窓を開ける。今日も暖かい日差しが私を照らす。心地よい風が入ってきて今日も爽やかな気分で1日を過ごせる。私は顔を洗っていつものようにテーブルに着いてご飯を食べる。
私はテレビをつけて、今の話題のニュースを見る。
最近は段々と暑くなってるらしい。今はちょうどいい暖かさだし、蜜柑とピクニックに出たりしたいなあ。
ニュースではちょうどこの町でやってる桜祭りの様子が紹介されてた。桜祭りはこの町で毎年春に開催される祭りで毎年たくさんの人が来るらしい。私が住んでいた町でも桜祭りの話はよく聞いた。桜祭りはまだやってるので今度蜜柑と行きたい。
私はご飯を食べ終え、テレビを消して学校の支度をする。
そういえば、そろそろ蜜柑を起こさないといけない時間だった。最近は暖かいせいかなかなか起きてこなくて困っている。
私はいつものように蜜柑を起こすために寝室に行く。蜜柑部屋を覗くといつものように蜜柑はすやすやと眠っている。いつも頑張って起こす私の苦労も知らないで、すやすやと眠っている蜜柑を見て私はイラっとする。私はいたずらで蜜柑のほっぺを触ることにした。これくらいやっても許されるとおもう。蜜柑の肌はとても綺麗で触り心地がとてもよかった。ちょうどいい柔らかさでもっと触っていたい。
「んっ。何してるの?」
私が蜜柑のほっぺを触っていると蜜柑が目を覚ました。私は慌てて、触るのをやめた。
「あれ?蜜柑、今日は起きるの早いね。普段は私が起こしても起きないのに。」
「だって蜜柑が私のほっぺ触るんだもん。そりゃあ起きるでしょ。まあ、私的にはいつでも触っていいんだけどね。私も蜜柑のほっぺ触りたいなあ。」
蜜柑はそう言って私のほっぺを触ってくる。注意したいけど私もさっきまで同じことをしてたので注意することが出来ない。
「咲のほっぺはもちもちで可愛いなあ。ずっと触ってたいよー。」
「だーめ。早く準備して学校に行くよ。」
こんなことしていると時間がなくなってしまう。それに蜜柑のほっぺを触られると少し変な気分になってしまう。
「むー。咲だって私のほっぺた触ってたじゃん!もっと触らせてよ。」
「私だってちょっとしか触ってないから。それにこのままじゃ遅刻するよ。」
私はそう言って蜜柑の手をどかした。これ以上触らせると遅刻する可能性がある。
「じゃあ帰ったらまた触りっこしよ。」
「それはまた考えとくから。」
そう言って私と蜜柑は学校に行く準備する。触ってすぐ起きるなら今度から毎日触って起こそうかな。別に私が蜜柑を触りたいとかではないからね?
今日は蜜柑がいつもより早く起きてくれたため、いつもより余裕をもって学校に来れた。
私は学校に着くといつものように自分の席について小説を読む。蜜柑はいつものように他の人とお喋りしてるし、柳さんもまだ来ていない。普段はギリギリに教室に着くからこうして余裕を持っていられるのは珍しい。
私が集中して読んでいると誰かが話しかけて来た。
「えっと、今大丈夫かな?」
話しかけて来た子はよく見ると昨日私を押した子だった。何かあったんだろうか?
「うん。いいけどどうしたの?」
私が尋ねるとその子はいきなり頭を下げた。私には何が何だか分からなかった。
「えっと、昨日は気づかずに押しちゃってごめん。痛かったよね?」
突然謝ってくるので私は驚いた。昨日は無視してたのにどういう風の吹き回しだろうか?
「うん、怪我とかもなかったし大丈夫だよ。」
「そっか、それならよかった。本当にごめんね。」
謝罪をするとその子は、自分の席に戻っていった。謝ってくれるのは嬉しいけど急にどうしたんだろう?それに少し焦ってる気もしたし、私が先生に言うのを恐れたのだろうか。そんなことを考えているとちょうど柳さんがやって来た。今日はいつもより暖かいからかいつも着ているブラザーを着ていなかった。
「おはよう。今日は早いね。」
「うん。今日は蜜柑が早く起きてくれたから。」
「そっか、いつも大変そうだね。」
「そう言えばこの前柳さんがおすすめしてた小説読んだよ。」
「本当!面白かった?」
柳さんのおすすめの小説はどれも心理描写が多くて面白かった。
私は柳さんといつも通り小説の話をして朝礼が始まるのを待っていた。これが私のいつもの日常になっていた。
私達が盛り上がっていると霞先生がやって来た。
「はい。それでは今日の朝礼を始めますよ。」
霞先生がそう言うとみんなが席につき始める。
「今日も皆さん揃いましたね。今日は特にお知らせはありません。ただ最近は少しずつ暖かくなっていますのでちゃんと水分を取るように。」
「それと、皆さんは部活には入られましたか?まだ入ってない人はぜひ、いろんなところに体験に行ってみてください。」
それだけ言って霞先生は朝礼を終えた。霞先生は長話しをしないから助かる。とりあえず次の授業の準備をしつつ、柳さんとお話しをする。
「日野さんは部活に入る予定あるの?」
「うん。バスケ部に入ろうと思って。」
私がそう言うと柳さんはびっくりしていた。
「日野さんってバスケ得意なの?」
「いや今までバスケをやったことすらなかったけれど、蜜柑がいるし面白そうだから。」
「でもここのバスケ部って強豪だよね。ついていけるの?」
「うーん。まあとりあえず頑張ってみようかなって。」
「そっか。それなら私も応援するね。」
「逆に柳さんは何か部活に入る予定はあるの?」
「今のところは無いかな。まあでも、体験には行こうと思ってるよ。」
「運動部?」
「まさか、私、運動が苦手だから文化部の体験だよ。」
言われてみれば柳さんが運動をするイメージはないか。体育の授業も大体見学してるくらいだし。
私は部活の話を終えると、再び小説の話で盛り上がった。
「それでは今日も気をつけて、お帰りください。」
霞先生の挨拶と共に、みんなが一斉に飛び出す。私も入部届を出すために、帰る準備をする。
「じゃあ、日野さんまたね。」
柳さんは何か用事があるのかいつもより急いで教室を出た。
「うん。また、明日。」
柳さんと別れて私も部室へと向かうことにした。本当は蜜柑と一緒に部室まで行きたかったけど、いつも通り、他の人とつるんでいたから一人で行くことにした。
外に出てみると、グランドではすでにバスケ部がランニングを始めていた。部活内は活気が溢れていてまさに運動部という感じだった。
私は緊張しながらも、部室に入ることにした。
「あのー、誰かいませんか?」
私が尋ねるときらら先輩ときらり先輩が顔を出した。
「やっほー!咲ちゃん。今日はどうしたの?」
相変わらずきらら先輩は明るくて優しく私に話しかけてくれる。
私が緊張しながらも言うと、先輩達は目を輝かせる。
「ついに入部するんだ!やったー。蜜柑ちゃんも多分入部してくれるだろうし今年の新入部員は可愛い子ばっかりだなあ。」
「ん、きららは下心見せないで。それと私達が優しく教えるから安心して。」
「ありがとうございます。今日から部活ってできますか?」
「もちろん!じゃあ早速教えるからグランドに行こうよ。」
「きららテンション高すぎ。もっと落ち着いて。」
「いやいや、落ち着くなんて無理に決まってんじゃん。二人とも急いで急いで。」
きらら先輩に引っ張られながら私はグランドへと向かった。
「よーしそれじゃあさっそく、ボールに触れていこう!」
そう言ってキララ先輩は私にボールを投げる。私はボールを受け取って、ドリブルをする。一応ドリブルのやり方は知っている。部活に入るに当たってそれなりの事前知識はつけてきた。
先輩たちの指示に従いながらゆったりと練習する。分からないところもすぐに先輩たちが教えてくれるから、すんなりと覚えられた。
「咲ちゃんすごい上手だよ。」
「うん。才能あるよ。」
「ありがとうございます。次は何をしますか?」
「いや今日はこの辺で終わりにしようかな。」
まだ始めてから一時間ほどしか経ってないのに、どうしたんだろうか?
「えっ、もう終わるんですか。」
「うん。咲ちゃん始めてだから今日は一時間ほどで終わった方がいいよ。いきなり体を動かすと危ないからさ。次からみんなと同じ長さでやろうね。」
「分かりました。これからもよろしくお願いします。」
「おっけー。じゃあ私達は練習続けるからまたねー。」
きらら先輩ときらり先輩は挨拶をすると、そのまま練習をしに行った。それにしてもバスケはとっても楽しくて、これからの部活がワクワクで仕方なかった。
部活に戻るとちょうど蜜柑がやってきた。
「ごめん咲、遅れちゃった。もしかしてもう終わっちゃった?」
「うん。初回は短めにって言われたから。」
「そっかー。今日も一緒に行けなくてごめん!次からは二人で行けると思うから。」
「大丈夫だよ無理しなくても。」
「じゃあ、私も入部届だけ出しに行くから、先に行ってて。」
「うん。分かった。」
蜜柑はそう言って急いで入部届を出しに行った。私は先に部室を出て学校の前で待っていると、柳さんがいた。
「あっ、柳さん。」
「ふふっ、また会ったね。もしかして日野さんも今、部活終わったの?」
「うん。柳さんも?」
「うん。今日は美術部に行って見たの。」
美術部とは少し意外だ。柳さんのことだから文芸部とかに入ると思った。
「どうだったの?」
「とっても楽しかったよ。でも入部するかはまだわからないかな。日野さんはどうだった?」
「バスケ部はとっても楽しくてよかったよ。」
「そっか、それはよかった。それと明日暇だったりする?」
柳さんはそう言ってもじもじする。
「うん。明日は学校も部活もないから大丈夫だよ。」
「あの、もしよければ明日桜祭に行きたいなと思って。」
ちょうど私も桜祭に行きたかったから良かった。
「うん、いいよ。ちょうど私も行きたかったから。」
「それなら良かった。じゃあ、明日二人で行こうね。」
「ちょっと待ったー。それなら私も行く!」
そう言って蜜柑が走ってやって来た。
「えー。私は日野さんと二人で行きたいんだけれど。」
「私だって咲と二人で行きたいんですけど。」
そう言って二人は睨み合う。このままではまずいことになると思った私は慌てて止める。
「ちょっと待って。二人が喧嘩するなら私は行かないよ。」
私の発言に二人とも固まった。
「そんなー。そういうことかならしょうがないなあ、柳さんも来ていいよ。」
「上からなのは気になるけど、まあ今回はしょうがないか。それじゃあ細かい日程はまた明日送るから、今日はこの辺で。」
そう言って柳さんは帰って行った。とりあえず二人が喧嘩しなくて良かった。毎回二人が喧嘩しないからヒヤヒヤしながら見てる私の気持ちを考えて欲しい。
「二人で行きたかったけどしょうがないか。まあ、それでもお祭りは楽しみだし今日は帰ってゆっくり休もっか。」
「うん。明日が楽しみだね。」
私はワクワクしながら蜜柑と寮に帰るのだった。




